金市場ニュース

ニュースレター(2014年3月7日)1335.25ドル ウクライナ情勢で押し上げられたものの、米雇用統計で押し戻される

来週私は休暇をいただきます。そのため、ニュースレターはサイトでの掲載のみで、メールでの配信は行えないことをご了承ください。

週間市場ウォッチ

今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1335.25ドルと、前週同価格から0.7%上げています。

週明け月曜日の金価格は、ウクライナ情勢の緊張が高まり、トロイオンスあたり30ドルほど市場が開けると共に急騰し、一時は1350ドルを超えることとなりました。また、中国雲南省昆明(クンミン)市の昆明駅での襲撃事件などの影響とみられる中国上海黄金交易所の取引が同日過去3ヶ月で最も高水準に急増したことも伝えられていました。


先のような地政学的リスクが高まる中で、ブリオンボールトの週末日曜日の取引は、シリア情勢が悪化した昨年9月以来の高い取引量となりました。

翌火曜日は、ロンドン時間早朝にロシアの軍事演習部隊の基地への帰還が指示され、その後プーチン大統領の「ウクライナへ軍隊を(まだ)送る必要はない。」というコメントが伝えられたことなどからも、前日の上げを多少失うこととなりました。

水曜日は、米民間雇用レポートの2月ADP全国雇用者数が発表され、予想を下回ったために金価格は上昇したものの、市場が最も注目している労働省の雇用統計が金曜日に発表されるために、そのデータを待つ方向で、価格を戻すこととなりました。

木曜日は、欧州中央銀行が予想に反して政策金利を据え置いたことから、対ユーロでドル安が進み、金が上昇している中、米国がロシアへの制裁を発動したニュースが伝えられて、金はさらに急騰することになりました。

金曜日は、市場注目の米雇用統計が発表され、2月非農業部門雇用者数は、175,000人と予想の149,000人を大きく上回り、前月数値も129,000人と113,000人から上方修正されたことから、金価格はこのニュースとともにトロイオンスあたり20ドルほど急落することとなりました。ちなみに、失業率は6.7%と前回6.6%から悪化しています。

他の市場のニュース


  • 米国投資家が、金値決め操作で英バークレイズ等の5行を提訴したことが伝えられたこと。

ブリオンボールトニュース

今週火曜日に発表された、ブリオンボールトがまとめている金投資家インデックスの2月の数値が、ブルームバーグでブリオンボールトのインデックスが11月以来の高水準」と取り上げられました。この詳細は、「2月の金購入が総数と総量で金売却を上回る」でご覧いただけます。

また、今週ウォール・ストリート・ジャーナルの「ウクライナの緊張緩和で金が下げる」で、ブリオンボールト米国市場開発責任者のミゲル・ペレスーサンタイアのコメントが取り上げられています。

今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。

ロンドン便り

今週英国主要メディアはウクライナ情勢を刻々と伝えていました。ポーランドやルーマニアなど、欧州諸国と国境を隔てて位置するウクライナの情勢については、ヨーロッパは敏感に反応します。特にヤヌコービッチ元大統領を解任した新政権が、親露から親欧路線への再転換を目指すとしたことからも、ロシア住民が多く占めるクリミア半島であっても、ここをロシアの部隊と見られる武装集団が掌握したことは認めがたいものがあるようです。

そのような中、水曜日にデビット・キャメロン首相がオバマ大統領とのウクライナ情勢に関する電話会議時の自分の写真をツィートし、そのあまりにもシリアスな様子をからかったツィートが多く発信されたことが伝えられています。そのツィートの中には、著名俳優やコメディアンも含まれており、ウェットティッシュや歯磨き粉、果ては犬を電話に見立てて写真をとっている姿など、様々なジョークが飛び交ったようです。

人々の関心を引きたい政治家と、それを人々に媚びているとみなしてからかう人々。多くの異なる価値観を持つことを良しとして育てられている英国の人々に、一般受けをし易いからとソーシャルメディアでサポートを得ようと試みるのは難しいのかもしれません。

このニュースについては、米国主要メディアのハフィントン・ポストでも伝えられています。よろしければ、下記のリンクでご覧ください。

デビット・キャメロンのツィッターの写真がパトリック・スチュアートを含む有名人にもからかわれる。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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