2月の金購入が総数と総量で金売却を上回る
金投資家インデックスが、昨年4月の価格の急落時以来の速いペースで上昇しました。
金投資家の金地金へのセンチメントが、昨年4月以来の速いペースで高まったことが、ブリオンボールトがまとめる金投資家インデックスで明らかになりました。ブリオンボールトのリサーチ主任のエィドリアン・アッシュが、この数値を分析しています。
2月にブリオンボールトのオン・ライン市場を利用して、金保有量を増加させた顧客数が、金保有量を減少させた顧客数の2倍へと増加しました。そのため、ブリオンボールトがまとめている、金投資かインデックスは、53.3となり、昨年11月以来の高水準となりました。ブリオンボールト金投資家インデックスは、月初めに金を保有していた顧客の中で、月間でネット購入した顧客数と月間でネット売却した顧客数のバランスを表します。
このインデックスは2011年9月に71.7とピークを迎え、今年1月に過去18ヶ月で最低の水準である、51.9へと下げていました。ちなみに、この数値が50である場合は、購入者数と売却者数が完璧に一致したことを意味します。そのため、2月の前月比3.1%の上げは、低い水準からのスタートでした。そして、この上昇率は、金価格が急落した2013年4月の10%の上げには及ばないものではありました。
欧米の個人投資家(ブリオンボールトの51,000人を超える顧客のうち90%は欧米に居住)の金投資へのセンチメントは、2014年初頭からの価格の上昇に対しても、慎重な態度を崩していません。それは、2013年の価格の下落時にすでに金を購入したからであり、もしくは昨年の30%近い下げから、厳しい現実を学んだからでもあるでしょう。
このように個人投資家のセンチメントが抑えられている中、先月金需要量は新たに急増しました。ブリオンボールトがオン・ラインで日々公表している顧客保有資産のデータによると、2月に顧客が保有する金地金の総量が32.5トンへと増加したことが明らかとなりました。これは、前月比332キロの増加となり、昨年12月と今年1月に売却された金地金量が再び顧客によって蓄えられたこととなります。そして、この一月間の金地金増加量は、昨年8月(421キロ)以来最大の量でもあります。
この背景は、2013年の価格の急落後控えられていた、大規模な金購入が戻りつつあるためです。昨今の地政学的リスクの高まりは、金の金融システムの保険の位置付けを再認識させました。そして、先週末ブリオンボールトのオンライン市場は、昨年夏のシリア危機以来の高水準の取引量ともなっているのです。