ニュースレター(2014年1月17日)米経済指標改善で価格を下げたものの押し戻される
今週は私は休暇をいただいていますので、ニュースレターは、通常のメール配信はなく市場分析ページのみでお届けします。
週間市場ウォッチ
今週金曜日のAM Fix価格は、トロイオンスあたり1250ドルと、前週同価格から0.5%上げています。
週明け月曜日、金価格はトロイオンスあたり1250ドルを超え、1月ぶりの高値をつけました。これは、先週金曜日の雇用統計の結果が予想を大きく下回ったこと、また、失業率の低下は、労働参加率が35年ぶりの低水準となっていることが改めて注目されたことからです。
翌火曜日は、その高値を維持することができず、米小売売上高の結果が予想を上回ることであったことや上値の1255ドルを試したものの超えることができず価格を下げることとなりました。また、ダラス連銀のフィッシャー総裁と、
水曜日は、同日発表された米国経済指標が経済の回復を示唆するものでありながらも、金価格は大きく下げることなく1236ドルから1242ドルの狭い範囲での取引となりました。この米国経済指標とは、NY連銀製造業景況指数や生産者物価指数等であり、地区連銀経済報告(ベージュブック)においても、全ての地区で製造業の活動が拡大したことが見られるなどの報告が行われたことなどからです。
木曜日も、前日同様な狭いレンジの動きとなりました。
金曜日は、今週前半の下げの反発で、ショートカバーも入り価格を上げることとなりました。また、米国経済指標の12月住宅着工件数やロイター・ミシガン消費者信頼感指数が予想を下回ったことなどからも、買いが進み金価格は再び1250ドルを超えることとなりました。
他の市場のニュース
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中国が昨年末、オーストラリア・アンド・ニュージランド銀行(ANZ)とHSBCに金の輸入許可を与えたことが伝えられたこと。 -
ロンドンフィキシング(ロンドン金値決め価格)を決定するドイツ銀行がこのフィキシングメンバーを退任することを発表したこと。
ブリオンボールトニュース
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールト・リサーチ部門の「中国の金購入が2014年の金相場を決める」 -
スタンダードバンク東京支店長の「スタンダードバンク相場予想 2014年1月10日付け」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週15日に、大英博物館は255周年を迎えました。GoogleがそのDoodleで同日これを祝っていましたので、ご存知の方々も多いかもしれません。
1959年当時一日75人出会った訪問者の数は、昨年は33.848人となり、年間訪問者数も670万人と史上最高を記録したとのことです。大英博物館では、特別展示物以外の常設展示物は、全て無料で見ることができます。この常設展示物には、古代ギリシャのアテネのパルテノン神殿を飾った彫刻であるエルギン・マーブルやエジプトのミイラも含まれています。また、日本館においては、日本刀、漆塗りの器、茶道の道具やお茶室を含め3万品以上の歴史的に重要な品々が保有され、展示されています。
また、昨年の記録的な訪問者数は、日本の春画の展示会の人気が大きな要因であったとのことです。私は、現コロンビアにあった伝説のエルドラドで使われた金の装飾品の特別展示会へ行きましたが、1000年から2000年前に作られた200を超える展示物の高度の技術の装飾品を満喫してきました。
現在訪問者の半数以上は英国外からの人々ということですが、このような素晴らしい展示物を無料、もしくは特別展示物は格安(10ポンド:約1700円)で一般の人々へ公開している大英博物館は今後も長く英国や世界の人々に愛され続けることでしょう。