金市場ニュース

ニュースレター(2013年9月6日)1387ドル シリア危機が長期化する中、予想を下回る米雇用統計が金価格を押し上げる

週間市場ウォッチ

今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1387ドルと前週同数値から0.6%下げています。

今週週明け月曜日は、米国がレィバー・デーで祝日であり薄取引である中、トロイオンスあたり17ドル急落して始まり、中国及び欧州のPMI製造業が予想を上回る中で、価格を戻すこととなりました。

翌火曜日は、ロンドン時間早朝に地中海で行なわれたイスラエルと米国の合同ミサイル実験が株価を下げた後、ニューヨーク市場が開ける時間帯に、金価格がトロイオンスあたり1400ドルを超えることとなりました。また、同日米国共和党のベイナー下院議長が、オバマ大統領が求めているシリアへの軍事介入を支持する意向を表明し、リスクオフが進み、資金の避難先として金が買われたことから、金価格はトロイオンスあたり1415ドルまで上げることとなりました。

水曜日金価格は下落し、1400ドルを割ることとなりました。これは、米国のシリア軍事介入に関して議会承認を得るために時間を有することが明らかになる中、ドル高が進み、今週金曜日の米国雇用統計の発表前にこのところ上昇基調にある価格調整が行なわれたことからです。

また、今月FOMCでの量的緩和早期縮小時期の判断材料となる経済指標である、同日発表の8月自動車販売データが2007年5月以来の高水準となったことなども下落の要因となった模様です。

木曜日は、米国経済指標の8月ADP全国雇用者数は多少予想を下回ったものの、8/31までの週の新規失業保険申請件数、8月ISM非製造業景況指数が共に米国経済の回復を示唆する数値となったために、量的緩和早期縮小の観測が高まり、ドル高となり金価格はトロイオンスあたり1370ドルを割ることとなりました。

金曜日市場注目の米国雇用統計は、非農業部門雇用者数が、前月比16万9千人増加と予想の18万人を下回り、前回数値は10万4千人へと16万2千人から下方修正されたことを受け、量的緩和早期縮小の観測が後退し、金価格はトロイオンスあたり18ドル急騰することとなりました。

ちなみに、8月失業者数は7.3%に0.1%ポイント低下しています。この要因は、必ずしも就業によるものではなく、労働者の多くが就業をあきらめて労働市場を離れているために、労働参加率が減少しているためとのことです。

 

他の市場ニュース


  • 中国の香港からの金輸入が、7月に113.2トンと、3月以来の高水準となったこと。

ブリオンボールトニュース

弊社がまとめている個人投資家の金投資傾向を示す、金投資家インデックスの8月数値が発表され、ブルームバーグで取り上げられました。ここで解説されていますが。8月数値は、6月の下げを取り戻す価格の上昇と共に、4ヶ月ぶりの高水準となりました。詳細は、「金投資家インデックス:個人投資家の金投資傾向は4ヶ月ぶりの高水準」をご覧ください。

ブリオンボールト金投資家インデックスの日本語のプレスリリースは、金市場のあらゆる情報が日本語で得られる「ゴールドニュース」サイトでご覧いただけます。

また、ブリオンボールト米国市場開発責任者のミゲル・ペレスーサンタイアが、ブリオンボールト金投資家インデックスの8月の数値について、米国著名経済サイトThe Streetでインタビューを受け、ナスダックサイトで取り上げられました。

今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。

また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。

ロンドン便り

今週ロンドンでは、先週末に英国の著名ジャーナリストでテレビ・プレゼンターのデービット・フロスト氏が死去したことが大きく伝えられていました。彼は、ケンブリッジ大学を卒業後、英国社会を風刺する番組の司会役で成功し、米国及び英国でブロードキャスターとして、全世界の政治家を含むあらゆる著名人へのインタビューを行なって来たことで知られていました。ちなみに、1964年から2010年まで全ての8人の現役英国首相、そして1969年から2008年までの7人の現役米国大統領をインタビューしたのは、彼のみであったとのことです。その中でも、映画にもなった、ウォーターゲート事件後辞任したニクソン元大統領への独占インタビューは彼の最も有名なインタビューと言えるでしょう。

74歳とはいえ、まだまだ現役でテレビにも出演していたフロスト氏の突然の死去には、多くの人々はショックを隠しきれなかったようです。英国知識人独特の要点を逃さないながらも、ウィットに飛んだインタビューテクニックは、常に見ごたえのあるものでしたが、また1人現代史を語れるブロードキャスターを失ってしまったようです。

また、軽い話題としては、サッカー選手のギャレス・ベイル氏が、英国のトットナム・ホットスパーからスペインのレアル・マドリードへの移籍することが決まったことが1日に発表され、その移籍金が史上最高額の8500万ポンド(約132億円)となったことが大きく報道されていました。そして、なんと1週間の賃金が30万ポンド(約4678万円)と伝えられたことからも、その賃金の高さの是非がマスコミで議論されていました。

フットボール選手は、ここ英国でも子供達の夢の職業ですが、24歳で史上最高の移籍金で迎えられたウェール人のギャレス・ベイル氏は、ウェールの人々のヒーローともなったようです。

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ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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