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金投資家インデックス:個人投資家の金投資傾向は4ヶ月ぶりの高水準

6月の金価格急落を取り戻す中で、先月8月に個人投資家の金投資熱が高まったことが、金投資家インデックスによって明らかとなりました。

これは、シリア危機が要因であるのでしょうか?ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュはここで問いかけています。

金投資家インデックスによると、欧米の個人投資家の金投資傾向は、夏の間強気であったようです。

実際、2010年2月以来50を超える水準を保っています。そして、今年の6月から8月の3ヶ月間は、昨年の同時期よりも高い数値であり、個人投資家の金投資傾向がより強気であったことを示唆しています。

夏は典型的に投資家の投資意欲が弱まる時期とされています。しかし、シリア危機が、既に難局を迎えている米国債務上限問題のリスクに加わることで、金投資家インデックスは8月に上昇し、過去16ヵ月で最高水準となった4月以来の高水準となりました。

米国連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和早期縮小に関する議論は、債券や株式投資にネガティブな影響を出したものの、貯蓄をしている人々にとって何の利益ももたらしませんでした。そして、新興国市場の為替及び株価暴落など、新たなリスクは高まっています。

2013年夏は、人々が金を購入して避けようとしているリスクを再度思い起こさせ、終えることとなりました。金価格がトロイオンスあたり1400ドルと、今年6月の15%の下げを取り戻す中、ブリオンボールトの金投資家インデックスは53.8と、過去10ヵ月で最も低い水準の7月の52.6から上げることとなりました。

この数値は、欧米において世界最大のオンライン金現物投資サービスを提供するブリオンボールトにおける金の購入者と売却者のバランスを測り、この数値が50である場合、購入者と売却者のバランスが完璧に取れたことを意味し、2011年9月に71.7と史上最高値を記録しています。

そのため、このインデックスは、欧米の個人投資家の金投資傾向を表していますが、その投資総額は考慮に入れられていません。そこで、投資総額に注目して見ると、8月にはブリオンボールト顧客が保有する金総量が421キロ増加しており、2012年12月以来の増加量となっています。

また、8月末に新規顧客による資金入金額も今年4月末以来の水準となっており、顧客全体の資金入金額は、6月末以来の水準へと至りました。

先からも分かるように、シリアへの欧米の動きは、個人投資家を金投資へと動かす結果となりました。しかし、この判断は、この夏、金投資への強気傾向が高まる中で行なわれたものです。それは、リーマンショック後5年を経た現在も、貯蓄や他の投資商品のリターンが魅力のあるものではないがためです。

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エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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