ニュースレター(2013年4月12日)1535.50ドル キプロス金準備売却計画で金暴落
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1535.50ドルと前週同価格から2%の下げとなります。しかし、この価格はその後さらに下げ、現在ロンドン時間午後4時には、1500ドルと割って、2011年7月の水準となっています。
この要因は、このレポートの後半で説明しているように、ゴールドマンサックスが金相場予想を下げ、FOMC議事録が量的緩和の早期終焉の可能性を高めたこと、キプロスの金準備売却計画といった水曜日に発表された要因がじわじわと利いていたようです。しかし、サポートラインの1540ドル、1520ドルを割ると、留まることなく下げることとなりました。
また、金曜日ロンドン時間午後にマリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁が、キプロスの金準備売却金は、まず緊急支援分へと充填されるべきと述べたことが伝えられたことから、本来中央銀行の独立性を守るために、国家債務の支払いに充てられるべきではないと考えられていた金準備が売却可能となることで、他の中央銀行の金売却が進む懸念が広がっている模様です。
それでは、週初めからの市場の動きは次のようになります。
週明け月曜日は、先週金曜日の予想を下回る米国雇用統計結果を受けて上昇した金価格は緩やかに下げることとなりました。これは、主要通貨でドル高が進んだことなどからです。
また、スタンダードバンク東京支店長池水雄一氏によると、TOCOMの最低ポジションの売り戻しが入り、一日で14トンの売りが出たことも、ドル建て価格を抑えたとのことです。
翌火曜日は、ロンドン時間午後に上げることとなりました。これは、アジアの需要が高まっていること、また同日発表の中国の3月消費者物価指数が予想を下回ったことから、中国当局による金融引き締めの懸念が後退したことも要因となった模様です。
水曜日金価格はトロイオンスあたり30ドルほど大きく下落することとなりました。これは、下記に要因が重なったためです。
- ゴールドマンサックスが今年の金相場の見通しを下げ、顧客へロングポジションを売却することを勧めたことが伝わったこと(詳細は、「ゴールドマンサックスが金価格見通しを引き下げる」をご覧ください。)
- 米FOMC議事録が発表され、早期の量的緩和規模縮小、終了の可能性が話し合われたことが明らかとなったこと、
- キプロスがその財政を立て直すために、4億ユーロ分の金準備を売却する計画があることが伝えられたこと。
また、金のETFの売却が続いており、最大銘柄SPDRゴールド・シェアが引き続き残高を減らし、4月に入って38トン、今年1月から177トン減少したこと、そして、日経、ダウジョーンズなどの株価が連日高値を記録していることから、金市場から資金が流出しているようです。
市場のニュース
- 金の円建て価格が月曜日に円安が進んだことから、グラム当たり5000円を超え、33年来の高値となったこと。
- 中国への香港からの金の輸出が2月に1月から倍増し、60トンとなったこと。
- 日銀の異次元緩和に踏み切ってから、5日、8日、10日、12日に国債先物取引が、価格が急落したことから、取引が一時停止されたこと。
ブリオンボールトニュース
先週末、英国主要紙テレグラフの、「金融の量的緩和が金を弱気市場を助けるものとなるのか」という、昨今の市場環境を解説している記事で、ブリオンボールトのチーフエコノミストのベン・トレイノアのコメントが取り上げられました。この記事(英語)は、先のリンクでご覧いただけます。
今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアンの「マーガレット・サッチャーと金と資産保有の自由」
- ブリオンボールトリサーチ部門の「ゴールドマンサックスが金価格見通しを引き下げる」
- スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏の「日銀の異次元の政策とゴールド」
- はじめての金読本の「金とプラチナの合わせ持ち」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
- 主要経済指標(4月8日~4月12日)
ロンドン便り
英国は今週はサッチャー元首相死去のニュースと、そのニュースを受けて様々な反応を見せる国内外の人々のことが伝えられています。また、一昨日は、サッチャー元首 相を追悼し、その業績と人なりを語り合う議会が特別緊急招集され、デビット・キャメロン首相は「並外れた指導者であり女性であった」とその功績称えています。
このように、英国を立て直した業績を称える人々が多くいる中で、労働争議が一般化していた労働組合を弱体化させ、多くの鉱山を閉山へ向かわせたことを批判する人々は、未だにサッチャー元首相に強い嫌悪感を持っており、この人達に残した傷跡は深いようです。
そのような人々の中で、サッチャー元首相の死去を祝う歌として、オズの魔法使いのミュージカルの歌「Ding Dong the Witch」をチャートNo.1とする動きがあることから、その歌をBBCがチャート番組で流すべきかどうかが議論される共に、キャメロン首相がこの動きを批判するコメントを出したことも伝えられています。
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