ニュースレター(2013年11月1日)1306.75ドル FOMC声明が量的緩和年内縮小観測を広げ価格を押し下げる
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1306.75ドルと前週同価格から3%下げています。
週明け月曜日、今週行なわれるFOMC待ちで狭いレンジで取引が行なわれていた中、米国経済指標の9月中古住宅販売成約のデータが前月比-5.6%と予想を大きく下回り、2010年5月以来の下げ幅となったことから、量的緩和縮小先送り観測が広がり、価格はトロイオンスあたり1359ドルまで上げたものの、その後は利益確定の売りで多少押し戻されることとなりました。
火曜日は、FOMC待ちで薄商いの中、ファンドの売り、また経済指標に反応するなどして価格が動くこととなりました。まず、ロンドン時間早朝にファンドの売りで価格が下げ、その後発表された米国経済指標である、小売売上高が予想を下回ったために価格を戻したものの、ロンドン時間夕方から夜にかけて下げることとなりました。
水曜日は、市場注目のFOMCの声明が発表され、予想通り毎月850億ドルの債券購入ペースを維持する方針を示しましたが、声明内容が予想したほどハト派ではなかったことから、ドルが買われ金は売られることとなりました。
ハト派ではなかったというのは、声明に最近の財政混乱への言及がなかったことや、前回含まれていた金融状況の逼迫という文言が削除されたことなどから、12月の緩和縮小が必ずしも否定されなかったことなどからです。
木曜日は、前日の下げを受け継ぎ更に下げることとなりました。また、同日発表された10月シカゴ購買部景況指数が、大幅に予想を上回り2011年以来の高水準となったことから、前日より広がっていた量的緩和縮小12月開始の観測がさらに広がり、価格を押し下げることとなりました。そして、同日が月末であることからファンドのポジション整理の売りもあった模様です。
本日金曜日は、量的緩和年内縮小観測が広がり価格を下げる中、20日移動平均を割り、テクニカル分析からも下げ幅を広げることとなりました。
他の市場ニュース
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上海黄金交易所の金のプレミアム(ロンドン受渡との差)が30日2ドルまで下げたこと。 -
東京商品取引所(TOCOM)の全取引高の42.6%が海外投資家による取引と、史上最高となったこと。
ブリオンボールトニュース
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュの「金のなる木とインフレの欠如」 -
ブリオンボールトのリサーチ部門の「銀のリサイクル量が2011年のピークから「30%減」」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
英国では、先週末に英国全土を暴風が襲い、4人の犠牲者が出ると共に公共交通網が遮断されたことが、大きく伝えられていました。英国は、赤道付近で発生する台風が頻繫に接近する日本とは異なり、このレベルの強風となることは稀であるために、予想されていた強風に備えて、イングランド各地の地下鉄を除く電車がほぼ全面的な運休となりました。そのため、多くの人々は自宅勤務、もしくは休暇を取らざるを得なかったために不満が出ていたことをBBCが伝えていました。
普段でも、最終電車の後の保守点検が始発までに終わらず、通勤通学の時間に電車が遅延することが日常茶飯事であり、落ち葉が線路に落ちる秋は、これを理由に運行が遅れることも頻繁にあるという英国の電車事情ですので、利用客の電車運営会社への満足度はかなり下がっているためなのかもしれません。
今回は、強風による倒木で犠牲者が出ましたが、運休することで電車や電車利用者の被害はなかったことを喜ぶべきでもあるとも思うのですが、公共交通網の安全と利用者のニーズのバランスを取るのは難しいことを、人々に理解してもらうのは困難であるようです。
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