金市場ニュース

ニュースレター(2月5日)1150.36ドル:米指標悪化でドル安が進み金が急上昇

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1150.35ドルと前週同価格から3.4%上昇しています。

月曜日金相場は、日本を除き世界の株式市場が下げる中、トロイオンスあたり1128ドルと昨年11月以来の水準へと上昇をすることとなりました。これは、同日発表された中国の製造業の指標が50を下回る経済の収縮を示し中国経済減速の懸念、また、同日ロンドン時間午後に発表の米国ISM製造業景況指数も50を下回りドル安も多少進んだことが要因となりました。

火曜日金相場は、中国株式が中国人民銀行による資金供給などが好感されて上げる中、前日の上げの反発もありアジア時間に下げていましたが、ロンドン時間に入り、原油が下げる中で欧米株価も下げ急騰した後に、利益確定で押し下げられることとなりました。

水曜日金相場は、テクニカル上の節目であった1130ドルを超えて、昨年11月の水準の1140ドルも超えることとなりました。

同日は今週金曜日の米雇用統計の先行指標であるADP全国雇用者数が発表され予想の19万5千人を上回る20万5千人であったにもかかわらず、ドル安と株安が進み、金はさらなる上昇を見せることとなりました。

この間米ISM非製造業景況指数は予想を下回っており、ポジティブなニュースよりも、ネガティブなニュースに注目が入ることとなりました。これは、一つには米国経済で牽引役となっていたサービス業の指標ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことがきっかけでしたが、それに加え同日ダドリーNY連銀総裁が3月利上げ見送りを示唆した発言も伝えられ、ドル安が進み更なる上昇基調を作ることになった模様です。

木曜日金相場はトロイオンス1150ドルを超え、昨年10月の水準へと上昇することとなりました。これは、前日の上昇基調を受け継いだことからですが、同日発表の新規失業保険申請件数は、予想28万件を上回る28.5万件となったことも、金を押し上げる要因となりました。

本日金曜日は、市場注目の雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は15.1万人と予想の19万人と前回の29.2万人を大きく下回りました。また、前回数値も26.2万にへと下方修正されていました。しかし、失業率は4.9%へと下げ、平均時給も前月比0.5%と予想の0.3%を上回ることとなりました。

そのため、このデータを市場が解釈する中で発表後しばらくは神経質な動きをした後、失業率の下げと平均時給が良好であったことが注目され、一時金価格は下げたものの、その後戻すこととなりました。なお、欧米株価は雇用統計後に下落することとなりました。

その他の市場のニュース

  • 銀LBMA価格の価格の乖離の問題について、CMEトムソン・ロイターとLBMA銀価格管理委員会が、共同でステイトメントを発表したこと。その詳細は「銀のLBMA価格が大きく乖離していた問題について」をご覧ください。
  • 金ETF最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、水曜日も4.5トン増加し690トンとなり、新年から46トンの増加となったこと。
  • 週末に発表された先週のコメックス金・銀先物の資金運用業者のポジションでは、金よりも銀がより強気(ロングポジションが多く)となっていた事がブリオンボールトリサーチのデータで明らかとなったこと。これは、先週残高を増やしていた金ETFと減らしていた銀ETFとは異なるものとなったこと。

ブリオンボールトニュース

ブリオンボールトが毎月まとめている金投資家インデックスの1月の数値のプレスリリース「金融市場混乱の中、既存の投資家は慎重となる」が、日本語で金関連ニュースを網羅するゴールドニュースサイトで取り上げられました。

ここでは、1月に金価格が上昇する中、新規顧客数は英国を中心に大きく増えたものの、利益確定を進めた顧客も多く、金投資家インデックスは12月から下げたことが明らかとなったと伝えられています。

月曜日に金先物が過去3ヶ月で最も高い水準となったことを伝える、米主要経済サイトMarket Watchの記事で、弊社リサーチ主任エィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。 ここでエィドリアンは、「資産運用業者の金へのセンチメントは新年までは悪く、年初からの金の上昇は低い水準から始まっていた」とし、「金においては他の 資産の動向が鍵となっている。それは、資産運用者が影響力を持つからだ。そのため、良好ではない株式市場が金の上昇を助けることとなる。」というコメント を取り上げています。

また、インドの主要経済サイト「エコノミックタイムズ」が、年初からの金相場がドル建てで5%、インドルピーで7%上昇する中、その背景と今後の見通しを銀相場も含めて、ブリオンボールトのリサーチ主任エイドリアン・アッシュへインタビューしています。

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週の英国からのニュースとしては、ウィキリークスの創設者「ジュリアン・アサンジ」容疑者に関したニュースをお届けしましょう。

アサンジ容疑者は、2012年6月以来、ロンドンのエクアドル大使館で籠城を強いられています。これは、スウェーデン当局から婦女暴行罪で逮捕状がでており、英国の最高裁でスウェーデンへの身柄の移送を認める判決が確定していることから、同容疑者は、「スウェーデンに送還されれば最終的には米国送りとなり、スパイ罪で死刑になる」という理由で、エクアドル在英大使館で亡命生活をしているのです。

国連委員会の恣意的拘禁に関する作業部会は、アサンジ容疑者が3年半にわたり籠城を余儀なくされている状況を、「世界人権宣言などの国際規約に違反している。そして、これは英国とスウェーデン両政府による恣意的な拘束である」とし、アサンジ容疑者を開放することを求めたことが、本日広く伝えられています。

アサンジ容疑者は、内部告発及び情報漏洩の情報を伝えるウェブサイト「ウィキリークス」の広報人で編集長であり、オーストラリアのジャーナリスト。ウィキリークスの功績で、「エコノミスト」誌による「表現の自由」賞を2008年に受賞、またケニアで起きた虐殺に関する報道で、2009年にアムネスティ・インターナショナル国際メディア賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

アサンジ容疑者は、今回の婦女暴行罪容疑を全て否定しており、2010年に米国によるアフガニスタンでのイラク戦争への関与に関する機密情報を公表したことなどからも、彼に対する非難は「ウィキリークス」の敵対者によるでっち上げとしています。

なお、情報を漏洩した米軍兵士チェルシーマニング受刑者は、スパイ活動取締違法で35年の実刑を受けていることからも、米国へ送還されれば長期の服役となることは予想されています。

今回の国連作業部会の報告には法的拘束力はないとのこと。この報告を、ハモンド英外務大臣が「馬鹿げている」とコメントしていることからも、英国政府が受け入れることはなさそうですが、スウェーデン、英国、米国政府のそれぞれの思惑もあり、3年半続いているアサンジ容疑者の籠城生活は、近い将来に終わりを告げることはなさそうです。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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