金市場ニュース

【金投資家インデックス】金と銀にクリスマス休暇は無く、2025年は過去最多の取引で終える

 

――そして2026年は、さらに力強いスタートを切っています――

昨年12月は、貴金属市場にとって著しい上昇を見せた2025年を締めくくる月となりました。世界有数のオンライン貴金属市場を提供するブリオンボールトにおいて、先月は過去最高の人々が銀を購入したことが明らかとなりました。

また、新規顧客数が急増したことで、クリスマスから年末年始にかけての取引量は記録的な水準に達しました。

そして2026年は、さらに力強いスタートを切っています。

先月は、ブリオンボールトの21年の歴史の中で、12月として過去最多の人々が貴金属の購入を開始しました。その数は前年同月比で309.3%の増加と原著なものとなりました。

これにより、2025年は新規顧客数において、史上3番目に好調な年となりました。2020年のコロナ危機の年には10.1%及ばず、金融危機のピークであった2011年にはわずか3.8%差となっていました。

すでに2026年に入ってから、この新年はブリオンボールト史上、月初として最も力強いスタートを記録しており、昨年1月の1か月分の新規入金口座開設数に、わずか6日足らずで並んでいます。

この記録的な新年の勢いは、トランプ政権が西側の投資家が信頼してきた同盟関係やルールを次々と覆す中で、金と銀の魅力が一段と高まっていることを示しています。あるいは、中国政府が2026年1月1日から銀の輸出にライセンス制を導入すると11月初めに発表した事によって、中国投資家の投機的資産が銀に集まった「クリスマス混乱」によって貴金属価格が過去最高値を更新し、その祝祭ムードが続いているだけなのかもしれません。

ブリオンボールトでは、クリスマス週に24時間対応のウェブサイトおよびスマートフォンアプリを通じて、1億4,800万ドル超の貴金属が取引されました。25日当日には、クリスマスの取引として過去最高となる400万ドル超を記録しました。

この祝祭シーズンの記録に続き、元日には金・銀・プラチナ・パラジウムの取引量が650万ドルに達しました。この日は世界の株式市場や小売の地金店が休業しており、投資家はETF、コイン、小型バーといった形で貴金属を売買できない状況でした。

2025年通年で見ると、ブリオンボールトの取引量は年間ベースで過去最高を更新し、2020年のコロナ危機時の記録を米ドル建てで16.8%上回る31億ドルに達しました。これは、21世紀に入ってから最も好調な資産クラスであった貴金属が、昨年さらに他のすべての投資を大きく上回ったことを反映しています。

金投資家インデックスとドル建て月間平均金価 出典元 ブリオンボールト格

既存投資家も含めると、12月に金を購入した人数は、11月の3か月ぶりの低水準から21.9%増加しました。一方で、金価格が新たな最高値を更新したことにより、売り手の数は34.5%増加しました。

その結果、現物地金における個人投資家の行動を測る独自指標である「金投資家インデックス」は0.4ポイント上昇して55.1となり、2020年のコロナ・ロックダウン以来、12月としては最高水準となりました(当時は57.0)。

この指数は50.0を上回ると、その月において純買い手が純売り手を上回ったことを示します。金投資家インデックスは2024年3月に47.7という過去最低を記録し、今年10月にはコロナ後の最高値である57.9に達しています。

既存投資家は、金が新たな最高値を更新する中で一部利益確定を進めていますが、そのペースは非常に穏やかです。これは、不確実性やリスクに対するヘッジとしての金への長期的な信頼が依然として強いことを示しています。

重量ベースでは、祝祭期の価格急騰を受けて、ブリオンボールトのユーザー全体として金の保有量はわずか3分の1トン強減少しました。これにより、2025年の最高値更新局面を通じた純売却量は合計0.5トンとなり、2024年比で1.3%減少し、年末時点の総保有量は43.5トンとなりました。

しかし価値ベースでは、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、そしてチューリッヒといった高いセキュリティの保管庫に保管されている顧客の金資産は、昨年62.8%増加し、過去最高の60億ドルに達しました。

銀についても、価格が新たな最高値に急騰したことで12月には利益確定の動きが見られ、純売却量は1.5トン強となりました。これにより、2025年全体の流出量は合計で4トン超となりました。

その結果、顧客の銀保有量は2024年末から重量ベースで0.4%減少し、1,152トンとなりました。しかし評価額ベースでは、この産業用途にも重要な貴金属の個人保有額は2025年に143.4%増加し、過去最高の26億ドル超に達しました。

銀投資家インデックスとドル建て月間平均銀価格 出典元 ブリオンボールト

既存投資家も含めると、12月にはブリオンボールトで銀を購入した人数が過去最多となり、11月の3か月ぶり低水準から132.3%の急増を記録しました。

銀の売り手の数も過去最高を更新し、44.5%増加しました。これは、10月に記録した従来の最高水準をさらに1割上回る水準です。

この結果、銀投資家指数は9.6ポイント上昇して61.7となり、2020年9月以来の高水準となりました。これは、同年3月のコロナ・ショックによる工業用コモディティ急落時の「割安狙い」が活発化した局面以来、最大の上昇幅です。

銀が新たな最高値を更新し、金を大きく上回るパフォーマンスを示したことで、投資家の注目を強く集めていることが分かります。2026年は、貴金属が昨年のような驚異的な上昇を再現するのは難しいかもしれませんが、金と銀を押し上げている要因は依然としてしっかりと存在しています。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。



弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

注意事項: ここで発信される全ての記事は、読者の投資判断に役立てるための情報です。しかし、実際の投資にあたっては、読者自身にてリスクを判断ください。ここで取り扱われる情報及びデータは、すでに他の諸事情により、過去のものとなっている場合があり、この情報を利用する際には、必ず他でも確証する必要があることを理解ください。Gold Newsの利用については、利用規約をご覧ください。

SNSで最新情報を入手

Facebook   TwitterYoutube

 

貴金属市場のファンダメンタルズ