ニュースレター(2月13日)1232.50ドル ギリシャ債務問題の先行き不安がドル高を進め、金相場下落
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1232.5ドルと、前週同価格から0.7%下げています。
週明け月曜日と火曜日は、前週の米雇用統計が堅調であったために、下げ基調となった金相場ですが、水曜日に控えるギリシャ債務問題を話し合うユーロ圏財務相会合やウクライナ情勢のための4ヵ国首脳会談を控え、狭いレンジでの取引となりました。
水曜日は、ユーロ圏財務相会合と4ヵ国首脳会談を前に、ギリシャのユーロ脱退などの先行き懸念がユーロを押し下げ、前週金曜日の堅調な雇用統計を受けて進んでいるドル高もあり、コメックスの金先物・オプションのロングポジションが整理される中、原油や他のコモディティ同様に金相場もジリジリとトロイオンスあたり1221ドルまで下落しました。
木曜日金相場は、ロンドン時間早朝に上げたものの、ウクライナ情勢とギリシャ債務問題について欧州連合が首脳会談を行う中ジリジリと下げ、結果的にはトロイオンスあたり10ドルほどのレンジで動くこととなりました。
まず、ロンドン時間の早朝の上げは、外国系通信社が日銀関係者の話として、「日銀の追加緩和は逆効果」と述べたというニュースが伝わったことから、コンピュータープログラムが反応し、1ドル120円から118円まで瞬間でドル安円高が起きたことからです。
しかし、ロンドン時間午後には、首脳会談での協議の結果、ウクライナでの停戦が伝えられたことからも、金はジリジリと押し戻されることとなりました。そして、ギリシャ債務問題については、ギリシャと欧州連合との隔たりは大きいままであることが明らかになる中、来週月曜日のユーロ圏財務相会合で新たな合意を目指すと発表されました。
なお、同日お昼すぎに発表された米国新規失業保険件数は予想よりも悪化した結果で、小売売上高は2ヶ月続けてマイナス数値となったことから、この発表後は金は多少ですが値を上げています。
本日金曜日は、金価格はロンドン午前中と午後に1230ドルを試す事となりました。午前中の上げは、発表された中国の新規ローンが、2009年半ば以来の高さとなったことが、きっかけとなりました。
そして、お昼前に発表されたユーロ圏の第4四半期GDPがドイツが牽引役となって予想を上回り、午後に発表された米ミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回ったことからユーロが上げ、ドルが下げたことが要因と考えられます。
来週月曜日には、いよいよギリシャ債務問題の協議が大詰めを迎えます。この結果次第で金市場が大きく動く可能性があると予想されています。
その他市場のニュース
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ワールド・ゴールド・カウンシルが、最新レポートの「Gold Demand Trends2014(2014年の金の需給データ)」を発表したこと。この日本語の概要は「WGC最新2014年金需給レポート: 宝飾品と中央銀行の需要が牽引」をご覧ください。 -
スウェーデン中銀もマイナス金利導入し量的緩和を発表したこと
ブリオンボールトニュース
ブリオンボールトが金投資家インデックスに続き、新たに本日発表した銀投資家インデックスについて、米主要経済サイトのMarket Watchが取り上げました。
1月の銀投資家インデックスは、銀相場が9%上げる中で、個人投資家の売却が前月比83%増と進んだことからも、購入者数も急増したものの、購入者数と売却数がほぼ同水準となったことが伝えられています。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールト・リサーチ主任のエィドリアン・アッシュ「新たな金購入は過去21ヶ月で最高へ」 -
ブリオンボールト・リサーチ部門の「WGC最新2014年金需給レポート: 宝飾品と中央銀行の需要が牽引」
今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週は、今年5月に行われる英国の総選挙に向けて、労働党がローンチした遊説車を巡る議論についてお届けしましょう。
今週お披露目となった労働党の遊説車は、女性有権者にアピールする色を使ったとのことですが、ショッキングピンクと呼ばれる華やかなピンク色であったことから、「性差別」という非難を受けていることが、英国主要メディアで伝えられています。
また、ここでもご紹介したことがある、英国公共放送BBCの主要番組である、その週の時事問題を議論する「Question Time」においても、このトピックは昨夜取り上げられ、議論が行われていました。
労働党党首代行のハリエット・ハーマン氏は、この色はピンクでは無くマゼンタ色だと強調していますが、女性有権者にアピールするとして決めた色が、一般の目にはピンク色と映る色であることが、女性を固定観念で見ているという非難、そして、男性有権者を軽んじているという非難等となり、目立つ色という以外にはあまりポジティブなコメントはでていないようです。
男女均等を重んじ、個人の価値観を守り、物事をステレオタイプ化することを良しとしない英国において、今回の労働党の女性有権者にアピールしようと選択した色と試みは今ひとつ受け入れられなかったようです。
このキャンペーンバスの写真は、BBCのサイトでご覧いただけます。