ニュースレター(12月19日)1195.50ドル FOMCのタカ派的コメントの憶測とロシア中銀金売却の噂から金相場下落
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1195.50ドルと、前週同価格から1.8%下げています。
週明け月曜日は、ニューヨーク時間外取引で金相場は大きく下げることとなりました。これは、翌日から始まるFOMC で、「相当の期間(considerable time)」の表現が削除されるとの見通しが広がったためですが、ロシアのルーブルが大きく下げる中、ロシア中銀が金を売却するのではないかという噂 も出まわっていたためでもありました。
翌火曜日は、ロシア中銀が政策金利を10.5%引き上げ17%として、ルーブル防衛を試みましたが、ルーブルが引き続き暴落したことから、リスクオフの資金が流入し、金は一時急騰したものの、終値はほぼ前日比変わらない水準へ戻すことになりました。
水曜日は、ロンドン午後7時に行われるFOMC後の声明とイエレンFRB議長の記者会見を待つ中、様子見の狭いレンジで相場は推移し、FOMC後のイエレンFRB議長の会見で、金利引き上げに関して今までよりも踏みこんだという認識が広まり、下げ幅は限られたものの下落しました。
なお、声明には市場注目の「相当な期間」低金利を継続という文言は残されましたが、現在のゼロ金利状態の解除まで「忍耐強く待つ」と言及し、利上げ時期について触れたことが、よりタカ派的という解釈になったようです。
木曜日の金相場は前日のFOMCの声明後の下げを戻し、一時上昇しましたが、底値拾いのアジアの需要も落ち着き、インドのプレミアムがマイナスになる中、トロイオンスあたり1200ドルを割る水準で推移しました。なお、同日の日中の一時的な上げはスイス中銀がルーブル下落による資金流入を理由としてマイナス金利へと政策金利を引き下げたことが要因でもあったようです。
本日金曜日は、前日の欧米の株価は「サンタラリー」と呼ばれるように上昇し、本日もその流れを受け継いでいますが、欧米は本日からクリスマス休暇に入る人々も多く、狭いレンジでの取引となっています。
他の市場のニュース
- アサヒホールディングズが、160年続いたジョンソン・マッセイ社の金銀精錬事業買収したこと。この詳細は、「アサヒホールディングズが160年間続いたジョンソン・マッセイの金・銀精錬事業を買収」でご覧いただけます。
ブリオンボールトニュース
今週月曜日に金相場が2.5%と今年最大の一日の下げを見せた後、翌日に2%上昇していた背景を解説するロイターの記事で、ブリオンボールトのリサーチ主任のエィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられました。
ここで、エィドリアンは、「インフレ率が2%に至るまでに金利引き上げは無いであろうと予想し、もし2015年前半の金利引き上げが相場にすでに反映されているのであれば、そうでない場合は価格に影響するであろう。」と述べています。
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールトリサーチ主任エィドリアン・アッシュの「なぜロシアの盛んな金購入は、ルーブル下落を止めることはないのか」
- ブリオンボールトリサーチ部門の「アサヒホールディングズが160年間続いたジョンソン・マッセイの金・銀精錬事業を買収」
今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週はクリスマスも近いことから、英国のロイヤルファミリーの明るい話題をお届けします。
来年 2月に来日が予定されているウィリアム王子は、キャリン妃と共に世界でも人気がありますが、英国内でも彼らは若い世代を代表するお似合いのカップルである ことからも、メディアの注目度はかなり高いものがあります。そのため、パパラッチと呼ばれるプライベート写真を撮影して生計を立てるカメラマンに追いまわ されることも多々あります。
今年10月には、散歩中のウィリアム王子とキャサリン妃の息子のジョージ王子と乳母の写真を撮ろうとしたパパラッチがいたために、法的措置を取るとの警告も王室は出すほどでした。
そこで、パパラッチに追われるのを防ぐためにも、先週日曜日に生後17ヶ月となったジョージ王子の写真 をウィリアム王子とキャサリン妃は公開しました。その事後談として、ジョージ王子がこの写真で着ているキャス・キッドソンのベストが瞬く間に売り切れと なったために、Ebayで中古のベストですら、3倍の価格でで売られているというニュースも今週月曜日に伝えられていました。
また、今日はウィリアム王子の弟のハリー王子が、設立・サポートをしているチャリティー団体のSentebale(レソト王国のHIVの犠牲者や子ども達のサポート)で活動中の 写真 が公表され、多くのメディアで取り上げられています。
既に亡くなった母親のダイアナ妃と共に、幼い頃から常にメディアのスポットライトにさらされていた彼らですが、近年はそのメディアを上手く利用し、自分ら しく自分の信じる道を歩んで行こうとしている彼らを、英国の人々は温かい目で見守っているようです。