ニュースレター(1月6日)1175.85ドル 年初金相場は上昇で始まる
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今週は日本に入っていますので、ロンドン便りを除く簡易的なニュースレターで失礼致します。
週間市場ウォッチ
今週木曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1175.85ドルと前週のAM価格(2016年度終値)から1.4%上げています。
年明け3日火曜日の金相場は、日本が休場の中、緩やかに上昇することとなりました。
同日は米ISM製造業景況指数が2014年12月以来の高水準となり、ドル指数が2002年12月以来となる高値(103.82)を記録していました。それにもかかわらず上昇した背景は、積み上がっているコメックス金先物・オプションのショートカバーと見られています。
水曜日金相場はドルが弱含む中、4週間ぶりの高値のトロイオンスあたり1164ドルと上昇することとなりました。また、円建て金相場はトランプ氏当選後の高値の水準のgあたり4394円まで上昇しました。
同日は上海外国為替市場で、人民元の対米ドル相場は反発しました。これは、中国当局が人民元相場の下落や資本流出に歯止めをかけるための方策をひそかに研究しているという一部通信社の報道がきっかけになったとのことです。
木曜日金相場は、今週発表される米雇用統計の先行指標と見られているADP全国雇用者数が15.3万件と予想 17.5万件と前回 21.6万件を下回ったことからも、ドルが弱含み、長期金利がFOMCの利上げ後から17ベーシスポイント下げ2.43%へとなる中、1178ドルまで1ヶ月ぶりの高水準へと上昇しました。
なお、同日NY時間に発表されたFOMC議事録では、緩やかな利上げが支持されるなど、タカ派的内容でしたが、それが金相場へ与える影響は限定的となりました。
金曜日発表の市場注目の米国非農業部門雇用者数は、15.6万人と予想の17.5万人と前回 17.8万人を下回りました。そして、前回数値17.8万人は20.4万人に上方修正されていました。また、失業率は4.7%と前回4.6%から少ないながら悪化していました。そのような中、 平均時給が前月比で0.4%、また前年比では2.9%と2009年5月以来の高い伸びとなった事が注目され、金相場は下落することとなりました。
その他の市場のニュース
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金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアの残高は、トランプ氏が大統領に選出されて以来、ほぼ2ヶ月間全く増加していないこと。そして、残高は大統領選の結果が発表されて以来15%減少し813トンと、昨年5月の低い水準へと下げていること。 -
木曜日にトランプ次期大統領がトヨタ自動車がメキシコに工場を建てる計画をツイッターで非難したことから、トヨタ自動車株が下げたこと。
ブリオンボールトニュース
年末年始に、金相場の2016年のまとめや2017年の見通し等に関する下記のインタビューをブリオンボールトのリサーチ主任が受けています。
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BBCワールドサービスの「Business Matters」番組
ここでは、インドの高額紙幣廃止が金需要を増加させるかということについて、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュがインタビューに答えています。
この番組ではインドのような為替管理が将来の欧米諸国において起こるかということを聞かれ、かつて米国は40年前、英国は35年前、イタリアではユーロ導入の1999年まで金を個人が保有することを出来なかったことを考えると、ありえないとは言えないとし、インド政府が高額紙幣廃止という規制を突然導入したように、今後このような規制が突然行われる事に備えて、国外に金を保有するという需要は増加する可能性があると答えています。
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IG証券の経済市場分析チャンネル
この番組では、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが金市場の2016年を振り返り、2017年の見通しについて解説しています。
ここで、エィドリアンは2016年の金上昇と下落の背景をBREXITを含む懸念の高まりとFRBの金利引き上げが予想以下であったこととし、下落についてドル高と長期金利の上昇としています。
2017年についてはトランプ次期大統領、BREXIT、欧州の選挙等の不確定要素を上げ、FRBの金利引き上げが2015年と2016年同様に4回を予想しているが実際はどうなのか、長期金利も実質金利を見る必要があることなどをコメントしています。
また、2013年2015年の価格下落時にサポートとなったインドと中国の需要について、両政府の規制によってどのような動きをするのかについても注目するとしています。
また、ブリオンボールとの日本における正規独占媒介代理店のブリオンジャパンのCEO平井政光氏と経済学者の岸博幸氏が、新年を迎える今、「金」を利用しどのように資産防衛をすべきかということについて最新号のプレジデントの記事で語り合っています。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ロンドン便り
今週は日本に入っていますので、ロンドン便りはお休みをさせていただきます。