Standard Bank Commodities Quarterly April 2014
スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、スタンダードバンクの四半期レポートにおける、第2四半期の金・銀・PGMの先行きについてまとめています。
今週はStandard Bankの四半期レポートの要約をお届けします。前回は1月でしたから今回は第二四半期です。基本的に1月の時の予想と大きくは変わっていません。
投資需要サイドでは、もっとも大きな心配は、米国の実質金利とゴールド価格の関係が強いということです。(Figure3)米国の実質金利は10年物の インフレリンク債の利回りがその参考になりますが、2012年年末の-0.9%という低値から、昨年2013年9月の高値0.91%まで大きく上昇しまし た。それから後は実質金利はまた低下し、0.5%まで下げました。これが原因で昨年一年続いたGold ETFの売りが止まったと我々は考えます。
2.中国がまたシルバー輸出国になったとしても、それは在庫の場所が変わっただけで必ずしも消費されたわけではないので、これはマーケットの価格的には中立な要因。
そのため我々は第一のシナリオの中国のシルバー内需の拡大と世界的な製造業の飛躍が、シルバーの在庫を減少させ、シルバーの相場見通しを強気にする唯一 の道のりだと考えます。中国のシルバー在庫の増加のスピードは遅くなってはきましたが、まだ依然として増え続けています。これが相場の頭を抑えそうです。 今年一年はシルバーは頭の重たい展開を予想します。シルバーの値動きはゴールドの1.4倍という相関関係が認められます。とすればゴールドが下がれば、そ れ以上にシルバーは下がるということになります。
我々のPGMの見方は前四半期と変わっていません。短期的には1400ドル以下でのプラチナのショートは、リスク・リターンの観点から避けるべきだと考 えます。また南アでのストライキが続く間は1600ドルくらいまでの上昇がありえるかもしれません。しかし2014年の残りの期間を考えると1500ドル 超えのレベルは長続きはしないと考えます。
我々の地上在庫の分析では、その量が相当あると考えられます。そのため、その在庫が払拭され、PGM価格が堅調に上昇していくまでは相当な時間がかかると考えられます。