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LBMA2013年相場予想

スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、先週発表されたロンドン貴金属市場協会(LBMA)の2013年相場予想と、昨日金価格を10ヶ月ぶりに上回ったプラチナ価格について解説しています。

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今週は二つの話題を。

「LBMA 2013年相場予想」

1/11にLBMAの相場予想速報が発表されたので今週はそれを見てみましょう。

LBMA(London Bullion Market Association)の23人のメンバーによる相場予想の平均が今年も発表されました。彼らの相場予想平均はすべてのメタルに対して4年連続で上げ相場を予想しています。ゴールドは12年連続上昇していますが、これが13年目に突入するとLBMAでは大勢の意見となっているということです。ゴールドの 2013年の平均価格予想は1753ドルで、2012年の平均価格1669ドルより5.1%高を予想。シルバーは2012年の31.15ドルに対して 33.21ドルと6.6%の上昇を予想。プラチナは2012年の1552ドルに対して1682ドルと8.4%の上昇を予想。パラジウムは2012年の 644.33ドルに対して744.03ドルの予想と15.5%の上昇を予想。

2012年のLBMAの予想は、ゴールド、シルバー、プラチナに関しては上昇予想が当たりました。パラジウムも12.3%の上昇予想を出していましたが、実際は1.6%の下落となりました。2010年、2011年はLBMAの予想よりも実際のゴールド価格の方が高くなりましたが、2012年は予想平均価格よりも100ドル以上低く、高値予想も2000ドルを超えていましたが、実際の高値はそれよりも15%以上も低いものでした。そのためか2013年の予想はゴールドはわずか5.1%の上昇と控えめになっています。

これは過去10年の予想では最も低い伸びの予想です。世界の景気がゆるやかに回復基調にあり、これまで各国政府が続けてきた金融緩和政策もだんだんその必要がなくなってくるという見方が大きくなってきているということでしょう。しかしながら今現在の超低金利、中央銀行によるゴールド購入、そして通貨の不安定さなどからまだゴールドはその役目を終えていないというのがこの予想結果からみることができます。

これはまだ速報で、予想高値、低値を含んだ詳しいレポートが今月末に発表になるようなのでまたそのときにみてみましょう。この速報からわかるのはマーケットはまだ強気だということですね。12年連続の上昇マーケット、まだ終わってないとみている人が多いのですね。

「プラチナの方がゴールドよりもおすすめ?」

プラチナとゴールドの値差が急激に縮小してきています。一時は200ドルを超えていたゴールドのプラチナに対するプレミアムも現在30ドルまで近づいてきています。

ゴールドが1600ドル半ばでの動きになっているのに対してプラチナは1500ドル前半から1630ドルと100ドル以上の急騰。世界最大の生産者であるアングロアメリカの事業整理計画でいくつかの不採算鉱山の閉山の見込みで買いが入っています。また景気回復基調による自動車販売の伸びの見込みにより、 需要の改善が期待されているのもプラチナにとっては強材料。米経済の回復がこのまま進むとすれば2014年、2015年くらいには2000ドルに行っても おかしくないと思います。そうなるとようやくプラチナがゴールドを逆転してまたプレミアムになるという「正常な」状態に戻る可能性が大でしょう。

そもそもプラチナの生産量はゴールドの10分に1にもおよびません。希少価値だけでいうとプラチナがゴールドの10倍の価格であってもおかしくないとい うことになります。もちろん物の価値は希少価値だけで決まるわけではありません。しかし実用的価値という側面からも、プラチナの方が価値は大きいと言っていいでしょう。その需要の半分が自動車の排気ガス触媒で使われます。8割がそういった産業用の需要であり、8割が宝飾や投資用需要であるゴールドとは全くの対照的な需要構造を持ちます。

ただ世界経済の不調が、産業用メタルであるプラチナの需要を減退させ(自動車の販売不振)、投資用メタルであるゴールドの需要を増加(通貨不安からゴールドへの投資増加)させたことにより2011年9月、ゴールドが歴史的高値1920ドルをつけた時点からほぼ1年半の間この逆転が続いているのです。ただ この状況が今年は変わりそうです。昨年、一昨年に起こったことが解消されると当然、ゴールドとプラチナの価格関係もそれに応じて変わってくるでしょう。上昇圧力はプラチナにあると考えます。

以上

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池水雄一氏は、貴金属ディーリングの世界でも第一人者。上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。

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