2020年のドイツ金準備高の行方
米国に続き世界で2番目の金準備高を持つドイツの中央銀行が、パリ、ニューヨークからフランクフルトへ保管場所を変更することを明らかにした。
その金準備高の45%はニューヨーク連銀、13%はイングランド銀行、11%はフランス銀行で保管されているが、イングランド銀行で保管されている金の移動は計画されていない。
「2020年までにドイツ中央銀行は、保有する50%の金をドイツで保管することを計画している。残りの50%の金は、引き続きロンドンとニューヨークのパートナー中央銀行で保管をする。」と、中央銀行ウェブサイトは発表している。
フランス中央銀行で保管されている、ドイツ金準備高の11%は、第二次世界大戦後の経済の発展と共に積み増さされたもの。
しかし、ドイツ同様にフランスがユーロ圏であることから、ドイツ中央銀行は金融の拠点パリで金を国際準備通貨に交換することに依存する必要がない。」と、ドイツ中央銀行は、ウエブサイトでその理由を説明している。
ドイツの金準備高は、金市場開発団体のワールド・ゴールド・カウンシルがまとめたデータによると、現在3,391トンとなっている。イタリアを除くユーロ圏の他の国々とは異なり、2000年代初頭に単一通貨ユーロが導入された際に、ドイツは金を売却することはなかった。
フランスとスペインとは異なり、10年前に金価格が高騰した際にも、ドイツは記念金貨作成以外の目的で金を売却することもなかった。
そして、本日中央銀行が発表した数値からも、ドイツは金の売却を将来的にも計画していないと推測できる。また、この中央銀行は、2020年までに金準備高のニューヨークで保管する割合を47%から37%へと落とす計画であることも明らかにしている。
「ドイツ中央銀行は、300トンの金をニューヨークからフランクフルトへ移す計画である。」と発表しているため、ニューヨーク連銀に保管される金の総量は1,236トンとなり、イングランド銀行で保管されている450トンの金は、今後も継続保管されることとなる。
この新たな保管計画は、金準備高の二つの主要な機能を満たすためとし、一つは国内の信頼を築くためであり、それと共に国外の金取引の中心的な市場で、短時間で保有する金を外貨に変換することを可能とするためでもあるとのこと。
ユーロ圏のメンバーでありながら自国通貨の英国ポンドを発行し、評価額で米国ドルとユーロに次ぐ世界の第三準備通貨を保持する英国の首都ロンドンは、世界の主要外為市場と金現物取引市場でもある。2011年のアンケートによると、ロンドン貴金属市場協会の会員によって、評価高2400億ドルが日々取引されている。
イングランド銀行は、マーケットメーカーのブリオンバンクであるHSBCやJPモーガンをはるかに勝る、主要金保管場所であり、少なくとも2012年2月には、5,015トンの金のラージバーを保管している。
そのうち310トンのみが英国保有の金準備高であり、残りは他の国々や中央銀行、そして商業銀行やその顧客が、この中央銀行の厳重なセキュリティーとロンドン金市場の高い流動性を理由に、ここで保有する金である。
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