金投資家インデックスが過去5ヶ月の最低水準となる
機関投資家は金投資に弱気となっているようです。それでは、個人投資家の傾向はどのようなものなのでしょうか。
新年以来株式市場が上げる中、金価格が低迷するのは自然なことです。ここで、ブリオンボールトのリサーチ主任のエィドリアン・アッシュが、その状況を分析しています。
債券市場の金利が徐々に上がりつつあります。そのために、利回りがインフレ考慮後プラスへと浮上してきているようです。
しかし、最新のブリオンボールトの金投資家インデックスは、多くの個人投資家が、主要中央銀行の金融政策を憂慮していることを示唆しています。それは、預金金利がゼロ水準で、債務問題の解決策が見出されていない中、理解できるものといえるでしょう。
金投資家インデックスは、個人投資家にオンラインで金投資サービスを提供する企業として、世界最大規模のブリオンボールトのユーザーの月間の金購入者と売却者の差を全体に占める割合で表したものです。
この数値が50を上回ると、月間の金購入量が売却量を上回るユーザーが、売却量が購入量を上回るユーサーよりも多かったことを表しています。また、50である場合は、そのバランスが完璧に一致したことを意味します。なお、このインデックスは、2011年9月71.1と最高値を記録しています。
先月2月の金投資家インデックスは54.4と、1月の54.9から下げ、前年同月と同水準となっています。
そのため、機関投資家が金投資へより弱気となっている中、個人投資家の金投資への傾向は引き続き強気であるといえることでしょう。また、先月のブリオンボールトのユーザーが保管する金総量は、32.9トンと変更がなく、多くの中央銀行が保有する金準備高の水準となっています。
そこで、この指標が示唆することをまとめると、全体の89.6%が西ヨーロッパと北米に在住するブリオンボールトの45,000のユーザは、米国ウォールストリートと英国シティの金融街のセンチメントとは異なり、世界経済全般の先行きに憂慮し、そのリスクから資産を守るために金投資の必要性感じているということでしょう。
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