中央銀行の金保有において新興国が上位に上昇
本日の日経新聞によると、新興国の金の保有量が過去10年間で急増しているとのこと。
金の国際調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が国際通貨基金(IMF) への報告から2010年お12月時点の保有状況をまとめたものによると、中国、ロシア、インドがいずれも10位以内に入っている。この3カ国は10年前には上位に入っていなかった。
このことからも、新興国が外貨準備を主にドルであったものから、金へと分散していることが見受けられ、金相場を押し上げる一因となっていることが分る。
先の、ワールド・ゴールド・カウンシルの報告書によると、中国は5位、ロシアが7位、インドが10位となっている。2000年12月では、10位以内は欧米諸国と日本だけであった。
各国中央銀行の金保有量
順位 | 国名 | 金保有量(トン) |
外貨準備に占める割合(%) |
1(1) | 米国 | 8133.5 | 73.9 |
2(2) | ドイツ | 3401.8 | 70.3 |
3(4) | イタリア | 2451.8 | 68.6 |
4(3) | フランス | 2435.4 | 67.2 |
5(12) | 中国 | 1054.1 | 1.7 |
6(5) | スイス | 1040.1 | 16.4 |
7(13) | ロシア | 775.2 | 6.7 |
8(7) | 日本 | 765.2 | 3.0 |
9(6) | オランダ | 612.5 | 57.5 |
10(15) | インド | 557.7 | 8.1 |
この中でも、中国の保有量の増加が顕著であり、10年前の2.7倍の1054.1トンとなっている。同国は、国内算出の金も外貨準備の一部に組み入れている。それに対して、ロシアは10年前の2倍の775.2トンであり、インドは2009年にIMFから200トンの金を購入し、保有量は10年前の5割り増しの557.7トンとなっている。
外貨準備に占める金の比率は、先の表でも分るように、米国、ドイツのそれと比べると、新興国は10%未満となっている。ドル資産の比率が高い新興国は、中国、韓国政府が昨年度明らかにしたように、ドルへの依存度を下げるために、金やユーロなどに外貨準備を分散している。特に、2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻以来、金の「無国籍通貨」という特色から、中央銀行が金備蓄量を増やす傾向が見られている。
日本の政府関係者によると、日本の外貨準備の金の現行の比率3%は、「増やす予定はない。」としている。
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