金価格下落の要因: 中央銀行とBISの金スワップと中国当局の金と米国債への見解について
ロンドン水曜日午前中において、金価格は二つのニュースによって昨日の下げからさらに下げ、過去6週間の最低値を記録した後、トロイオンスあたり1192ドルと値を戻しつつあります。
一つのニュースは、財政難を起こしているユーロ圏と推測される、中央銀行が、記録的な量の金備蓄を使い、金スワップで通貨ローンを国際決済銀行(BIS)から得たというものです。
そしてもう一つのニュースは、水曜日の朝中国の国家外貨管理局のマネージャーが、北京の大量の為替備蓄のために、金は米国債とは変わりえないことを繰り返しコメントしたことです。
ロンドンのVM(Virtual Metals Research & Consulting Ltd.)のアナリシストMatt Turner氏が、国際決済銀行(BIS)が、先週346トンの金スワップをしたことを発表したことに言及した後、火曜日午後に金価格は急落しました。
BISとの金スワップは1970年代以来で、この中央銀行は金を担保として、140億ドルの通貨ローンを得ました。「これは、歴史的に最も大規模な金スワップです。」と、Bache CommoditiesのシニアメタルストラティジストAndy Smith氏は述べています。
財政難を抱えるユーロ圏のPIIGSであると推測される、中央銀行の名前は伏せた上で、「これは、最後の手段のようです。」とGFMS ConsultancyのPhillip Klapwijk氏は述べています。
このような金スワップは、2009年は全く行われなかったとBISは述べています。「国際通貨基金(IMF)の月々のデータによると、ギリシャの財政難が明らかになった1月以来、このようなスワップは急増しています。」とファイナンシャル・タイムズはレポートしています。
中国の国家外貨管理局(SAFE)が北京で、2.4兆ドルの外貨準備に、金が米国債に変わり主ような投資先にはなり得ないことを繰り返し述べたことにより、水曜日の午前中に金価格はさらに下げました。
アジアとヨーロッパの株式市場は下げ、米国債とドルは値を上げました。
中国国家外貨管理局(SAFE)は、そのウェブサイトに発表したQ&Aで、「金は国際的に認められ、資産価値を保全する良い機能を持っています。しかし、金は、中国の外貨備蓄の投資の主な対象とはなり得ないのです。」と述べています。
金の備蓄量が、2009年4月に75%増加し、レポートされた1054トンであることを確認した上で、金価格が再び倍増したとしても、中国は3-4億ドルを外貨備蓄のために金を購入することができると述べています。
そして、中国国家外貨管理局は、年間2400トンの金鉱算出量は、根本的に需要と供給のバランスが取れているため、大規模な投資に対しては、金市場の許容度には制限があると述べています。そのQ&Aの中では、「もし国家外貨管理局が、大量の金を購入することとなった場合、国際金価格が急激に上がるため、国内消費者が痛手を受けることとなるであろう。」という、3月の中国人民銀行の副総裁Yi Gangのコメントを繰り返しています。
2004年以来、中国の一般庶民によって購入された金は、1659トンであることが、GFMS Consultancyのデーたで明らかになっています。