アナリストによる金価格の見通し
急増する需要から、アナリストは金価格の見通しを上方修正しています。
アナリストおよび市場参加者は金価格の見通しに楽観的であることをCasey ResearchのAndrey Dashkov氏は解説しています。
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6月13日に、世界で第二位の金生産会社であるNewmont MiningのCEOは、今年金価格がトロイオンスあたり1600ドルとなることを予想しました。しかも、来年はさらに高くなることを予想しています。
UBS Investment Resarchは、もう一歩進み、1ヶ月後の金価格を1500ドルから1475ドルに下方修正したものの、3ヶ月後の金価格を1400ドルから1600ドルへと上方修正しています。さらに、ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ(GFMS)は、今年末までに1620ドルとなることを予想しています。
スタンダード&プアーズは、今年前半の金価格が予想をはるかに上回ったにもかかわらず、頑固に悲観的な予想をしています。しかし、その予想価格は1100ドルから1200ドルへと上方修正されました。
それでは、なぜアナリストはこのように楽観的なのでしょうか。
第一に、中国とインドなどのアジアからの宝飾品と投資への確固とした需要があります。これは、インフレ率が高止まりする中、資産を保全するべき信頼できる代替の投資先がないために、成長する中流階級が金投資を行っていることからです。
2010年には中国とインドの需要を合わせると、全世界の51%(重量にして1570トンもしくは5050万トロイオンス)となっています。同需要は、今年は58%となっています。中国における金地金への投資需要も急激に増加しています。これは、2倍以上となっており、2010年第1四半期の41トン(130万トロイオンス)から、2011年第1四半期には、93.5トン(3百万トロイオンス)となっています。
もし、2011年第1四半期の比率で需要が増加するとなると、2011年一年間で、市場に影響を与えるであろうレベルの20.9%増となります。
第2に、米国の投資家は、金を安全資産と見なしています。そのため、米国における放漫な金融政策と財政危機により、このニーズは高まっています。
ワールド・ゴールド・カウンシルのデータによると、米国における金地金と金貨への投資需要は、2010年から2011年に54%(464,400トロイオンスから723,400トロイオンスへと)増加しています。
「懸念による取引(Fear Trade)」からの需要も見受けられます。これは、ギリシャの破綻が世界市場に及ぼす影響への懸念からリスクを避けるために、金を購入がされているということです。
米国における失業保険申請数は高止まりしています。その間、4月の申請数がピークとなっていますが、米国の経常収支においては赤字幅は広がり、消費者信頼感指数は過去2年間で最低のレベルとなっています。
このような環境下で、安全資産である金へ逃避する傾向は強まっています。アジアにおける高い需要は、伝統的に金を好む文化があること、また中国における不動産バブルを含む新興国のインフレ率の上昇といった経済状況によるものです。
中国政府が不動産バブルを抑制するために、不動産価格に制限を加えています。そのために、この分野に投資の上で魅力を見出せなくなった人々が、金を含む他の資産投資へと向かっているのです。
欧州と米国の経済は過熱していると言うには程遠いものがあります。先にすでに述べたような要因から、経済の先行きは思わしくありません。たとえ、経済が過熱していることによる懸念であっても、経済の先行きを憂う懸念であっても、これらの懸念がある限り、今後も金投資へと人々を向かわせることとなるのです。
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