金価格ディリーレポート(2026年6月1日)AI主導の株高に陰り、米・イラン戦争で金は下落、原油は急騰
週明け月曜日の金価格は下落し、先週金曜日につけた2週間ぶり高値からトロイオンスあたり135ドル値を下げました。一方で原油価格は急騰し、世界の株式市場もAI(人工知能)主導で更新してきた史上最高値から反落しました。米国とイランがホルムズ海峡再開を巡る協議を継続する一方、中東停戦合意を限界まで試すような軍事行動を続けていることが背景となっています。
金価格はトロイオンスあたり4460ドルまで下落した一方、原油価格は4営業日ぶりに上昇し、北海ブレント原油は1バレルあたり5.3%急騰しました。これは米国がイランのレーダー施設およびドローン管制施設に対して「自衛措置」と呼ぶ攻撃を実施したことに加え、イランが米軍使用の中東基地やクウェート国内の施設を攻撃したためです。
アジア株式市場は上昇し、ソウルの韓国総合株価指数(Kospi)と東京の日経平均株価は、AI向け半導体およびテクノロジー関連の新材料を受けて史上最高値を更新しました。しかし欧州株式市場は、EuroStoxx600指数が2月末の過去最高値近辺まで戻した後、ほぼ1.0%下落しました。
また先週金曜日には、テクノロジー株への依存を強める米S&P500指数が9週連続の週間上昇を記録し、2026年に入って19回目となる過去最高値を更新しました。
これに対して金価格は、1月末につけた史上最高値から現在までにほぼ5分の1下落しています。

「当社は金の見通しについて引き続き前向きであり、金をポートフォリオ分散の手段として引き続き有効視しています」と、スイス金融大手でロンドン貴金属清算メンバーでもあるUBSは述べています。
UBSは年末時点の金価格予想をトロイオンス5900ドルから5500ドルへ引き下げたものの、「コモディティはインフレや供給ショックに対する有効なヘッジ手段となります」と指摘しました。「また、株式や債券との相関性が一般的に低いため、市場ストレス時には効果的な分散投資先となります」としています。
BullionVaultが1969年以降の日次データを分析したところ、長期的に見た場合、金価格とS&P500指数の1カ月相関係数は平均わずか+0.02と、実質的に中立的であることが分かりました。
相関係数は、金価格とS&P500が常に同じ方向に動けば+1.00、完全に逆方向に動けば-1.00となります。
この相関係数は昨年12月から今年4月にかけてプラス圏で推移した後、先月には再び+0.01を下回りました。
ロイター通信は本日、「2026年末までに、好条件が整えば金価格は依然として5500ドルに達する可能性があります」との市場アナリストの見解を伝えました。同アナリストは、「原油価格の大幅下落やドル安に加え、各国中銀による継続的な金購入と、地政学・インフレヘッジとしての役割」が支援材料になると指摘しています。
主要通貨に対する米ドルの価値を示すドル指数は月曜日に上昇しました。また、インフレ連動債(TIPS)から算出される米10年実質金利も、2営業日連続で低下した後に小幅上昇しました。
本日、韓国市場ではAIおよび半導体関連株が株価上昇を牽引しましたが、日本株市場も過去最高値を更新しました。AI関連企業への大型投資で知られ、フランスで750億ユーロ規模のAIデータセンター投資を発表したソフトバンクグループが、20年以上にわたり首位だったトヨタ自動車を抜き、日本最大の時価総額企業となったためです。
ロンドン市場で金価格が4500ドルを割り込む中、銀価格は一時0.7%上昇して1オンス76.40ドルまで上昇した後、約2ドル下落しました。産業用途需要の大きい銀は、イラン戦争開始から3カ月で15.8%下落しています。
需要の3分の2を自動車触媒など産業用途が占めるプラチナも、一時上昇した後に反落し、1.4%安のトロイオンス1921ドルとなりました。イラン戦争開始以降では17.7%以上下落しています。
世界のAI投資額は2026年に2.5兆ドルへ達すると予想されており、これは世界GDP予測の約2.0%に相当します。また、ChatGPTを運営するOpenAIとClaudeを展開するAnthropicは、今秋にも株式市場へ上場すると見込まれています。
しかし、AI投資が生産性向上につながっている兆候は全く見られないと、世界的配車アプリUberの最高執行責任者(COO)は先週述べました。また英コンサルティング大手アクセンチュアによれば、英国企業の90%はいまだAIによる金銭的利益を実感していないとされています。
別の英国調査では、「約70%の組織がAIに投資している理由は、その潜在力への期待、あるいは競争に取り残されることへの恐れによるもの」であり、「5社に1社は十分な評価を行わないまま積極的にAI投資を進めています」とされています。
米ナスダック上場のエヌビディア(Nasdaq:NVDA)──時価総額5兆ドル超を誇る世界最大の銘柄──は本日、パソコン向け新型RTX Sparkチップを発表しました。CEOのジェンスン・フアン氏は、この新製品について「電話がスマートフォンへと再発明された時と同じくらい、PCにとって大きな出来事です」と語りました。






