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金価格ディリーレポート(2026年6月8日)金価格、200日移動平均線を下抜けるも「和平」期待で反発

 

金価格は月曜日午前、先週金曜日の急落をさらに拡大し、「重要な」テクニカル指標とされる200日移動平均線を一段と下回りました。しかし、週末の中東情勢悪化を受けて、トランプ米大統領がイランとイスラエルが相互の軍事攻撃停止で合意したと表明したことを受け、ロンドン時間昼頃までにその日の下げ幅をすべて取り戻しました。

トランプ大統領はSNSで、「イスラエルとイランの双方が、直ちに停戦する意向です!」と投稿しました。

さらに、「『平和』に向けた最終交渉は進行中であり、無知や愚かさがそれを妨げない限り実現するでしょう」と述べました。

原油価格も金価格と同様に乱高下し、月曜日早朝の上昇幅の半分以上を失う一方、金価格は反発しました。

世界の株式市場と債券市場も下げ幅を縮小し、外国為替市場では米ドルが2カ月ぶりの高値から反落しました。

Netdaniaによる金先物価格と200日移動平均線のチャート

「金価格は金曜日に200日移動平均線を下抜け、売りが加速しました」と、鉱業業界の世界的団体であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の元東京事務所長である豊島逸夫氏は述べています。同氏は、この広く注目されるテクニカル指標を指摘しつつ、先週発表された米国の5月雇用統計が予想を上回る強さを示したことで、利上げ観測と米ドル高が強まったことを背景として挙げています。

安全資産とされる金は、イラン戦争勃発以降、今回で3度目となる200日移動平均線付近まで下落しました。最初は3月末、次いで5月下旬、そして今回です。

スイスの貴金属精錬・金融グループMKS Pampのメタルズ戦略責任者であるニッキー・シールズ氏は、「金はFRBの政策見通しに対してますます敏感なリスク資産のような動きをしています」と指摘しました。また、金価格が過去200営業日の単純移動平均線を下抜けたことを受け、投機筋による売りが加速したと述べています。

現在、金利市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が年末までに政策金利を引き上げるとの見方が強まっています。このため金価格は、「リスクオフ局面では下落する一方、リスクオン局面ではほとんど上昇しません」とシールズ氏は指摘しています。

米デリバティブ取引所CMEのFedWatchツールによると、来週開催される6月のFOMCでは、FRBが政策金利を3.62%で据え置くとの見方がほぼ確実視されています。

しかし、2026年末時点のFF金利は3.89%まで引き上げられるとの見方が市場では織り込まれており、これはイラン戦争勃発前に予想されていた昨年12月時点の水準より0.75%ポイント以上高くなっています。

「最近の傾向が続けば、近いうちに行動を起こすことが適切になるかもしれません」と、クリーブランド連銀のベス・ハマック総裁は、金曜日の堅調な米雇用統計発表後に述べ、利上げの可能性を示唆しました。

一方で、トランプ大統領は日曜日のNBCとのインタビューで、「利上げを行う理由はありません」と主張しました。ただし、新FRB議長のケビン・ウォーシュ氏が独自に政策判断を下すべきだとの考えも示しています。

今週水曜日には5月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定で、市場予想では前年比4.3%の上昇と見込まれています。これは2023年4月以来、最も高いインフレ率となる見通しです。

トランプ大統領によるイラン・イスラエル停戦合意の発表を受けて世界の株式市場が上昇するなか、年間需要の約60%を工業用途が占める銀価格も、早朝の急落から回復しました。ロンドン時間正午の銀価格は1オンス=68.43ドルと、下落率は5.8%まで縮小しています。

スイスの金融大手であり、ロンドン金市場の清算メンバーでもあるUBSは、先週金曜日の貴金属価格急落を受けて発表したレポートで、「すべての調整局面が警戒シグナルというわけではありません」と指摘しました。

「構造的な支援要因を持つトレンドに投資し続けるための代償に過ぎない場合もあります」と述べています。

豊島氏も、「金を支える長期的なファンダメンタルズは変わっていません」との見方を示しています。その要因として、「各国中央銀行による継続的な金購入、米ドル離れによる準備資産の分散化の流れ、そして日本や西欧諸国、米国を含む主要国における財政持続可能性への懸念」を挙げています。

中国人民銀行は5月も金の購入を継続したことが新たなデータで明らかになりました。これにより金準備の積み増しは19カ月連続となり、購入量は10トンと報告されています。これは2024年12月以来、最大の月間購入量です。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者であると共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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