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金銀比価(金銀レシオ)が2014年末までに下げる3つの理由

銀は、ショートカバーと高い投資・工業需要によって、金よりもその収益率を高めると予想されている。

貴金属コンサルタント会社のMetals Focus社のデータによると、金銀比価(金銀レシオ)は、銀相場が金相場を上回る上昇をすることで、2015年までに下げるとのこと。

貴金属アナリストやトレーダーはどちらの金属の収益率が良いかをチェックするために、単純に金の価格を銀の価格で割る、金銀比価(金銀レシオ)を使っている。つまり、この数値が高くなった場合は、金相場上昇率が銀相場のものよりも高かったことを意味する。

「金投資を行うという強い動機付けは投資家の中で欠落している」と貴金属コンサルタントのMetals Forcus社は述べ、その間「銀においては、その徴候はない。」としている。そして、この比価(レシオ)が、「現在の水準がある程度続いた後に、2015年に至る前に下げる(銀相場の上昇率が金相場を上回る)であろう」と予測している。

金銀比価は、リーマンショック時に80とピークとなり、2011年初旬に銀相場が50ドルへと急騰した際に、30年来の最も低い数値の30まで下げている。

それ以来、金銀比価(金銀レシオ)は、過去15年間のほぼ平均的なレンジの50から70へを推移している。そして、Metals Focus社は、「7月半ばに62.1へと下げた後、66.1へと戻っている。」とこのレポートで述べている。

また、Commerzbankのアナリストは、「過去数日間、銀相場が金相場を正確に追っていることから、金銀比価(レシオ)が66と変化を見せていない。」ともコメントしている。

今週初めに、スコシア・モカッタのテクニカルアナリストもまた、「金銀比価(金銀レシオ)は、横這い状況だ。」と同意し、「8月の緩やかな相場の上昇にもかかわらず、(火曜日に)再び、doji(狭いレンジでの相場の動き)が形成しつつある。」と述べている。

「doji」のパターンとは、ローソク足チャートで見られる一つのパターンであり、資産価格が取引時間中に動きながらも、その日の取引開始価格と終了価格がほぼ同じ水準となることを意味する。

金銀比価(金銀レシオ)が、66で変化していないことから、スコシア・モカッタは、「更なる上昇があると見ている。」としている。つまりは、金相場の上昇率が、銀のそれを上回ることを予想している。

Metals Focus社は、これに反論し、「銀相場は(金相場に比べて)上昇する。それが例え僅かなものであったとしてもだ。」と述べた上で、「この両相場は、この先数ヶ月間に下げることを予想しているにも拘らずだ。」と追記している。

このコンサルタント会社は、先週のレポートで、銀相場の最近の下げは、米国先物オプション市場の投機家によるショートポジションの増加に起因すると分析している。このポジションは、8月に倍増している。それに対し、金のショートポジションは40%増に過ぎない。そのため、銀の「ショートカバーによる相場の上昇の可能性は高い。」としている。

そして、このレポートは、ファンダメンタルとして金銀比価(金銀レシオ)は下げるはずだとしている。それは、「電機電子工業分野の力強さ」から、金にはない銀の工業需要が回復しているからだと続けている。

また、銀の投資需要は、金とは異なり、特に個人投資家の中でしっかりしたものがあるとMetals Focus社はコメントしている。

ブリオンボールト社のリサーチ部門は、オンライン金取引所有サービスを提供する世界有数の英国企業ブリオンボールトの、リサーチ・ダイレクターのエィドリアン・アッシュ、日本市場担当ホワイトハウス佐藤敦子を含む国際市場担当者によって構成されています。

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