金鉱会社「世界的な価格の下落で損益分岐点へ」
専門家は、金価格が1200ドルを割った水準は、世界の金鉱会社の平均的損益分岐点であると推定している。
業界のファンドマネージャやアナリストによると、金価格がトロイオンスあたり1200ドルを割ると、世界の金鉱業界の損益分岐点を下回るとのこと。
大規模なアセットマネージメント会社のBlackRockの自然資源株チームの代表であるEvy Hambro氏は、現在の市場の価格水準は、全ての費用を含む損益分岐点に限りなく近づいていると、ファイナンシャルタイムズに先週語っている。
「その数値が1150ドルか1250ドルであろうと、その水準は、ほぼ現在の取引されている価格水準と言えるだろう。」
トムソン・ロイターGMFSの代表である、Rhona O'Connell氏もまた、すべての費用を考慮した平均金鉱産出コストをトロイオンスあたり1200ドルと見積もっている。
重量において中国に次ぎ、世界で第2の金産出国であるオーストラリアのMacquarie Researchは、もし運営費用がトロイオンスあたり1000ドルを超えた場合、問題に直面することとなり、その株式資産の20%を超える債務を抱えることとなると述べている。
Citigroupのアナリストは、更に一歩踏み入って、金鉱会社は市場価格の下げに対応すべく費用削減をすることができず、2013年前半期では、この全てを含む産出費用は、トロイオンス辺り1500ドル以上となっていたとコメントしている。
金価格は2013年6月末にトロイオンスあたり1180ドルまで下げている。
産出量でトップ3の金鉱会社を見ると、投資サイトのMotleyFoolは、世界最大の金鉱会社であるBarrickのみが、2013年にその費用を削減しているとのこと。
Barrickの最新の規制当局への届出書によると、金鉱会社が新たな地下埋蔵分を産出するための全ての関連費用を含む産出コストは、2012年の平均であるトロイオンスあたり945ドルから916ドルへと、多少ながらも下げている。
これに対し、この会社と競合するGoldCorp(GC)とNewmont(NEM)は、両社とも金の産出コストは上昇し、それぞれトロイオンスあたり993ドルと1100ドルとなっている。
金鉱会社にとっての損益分岐点の価格が、市場の底値である可能性を指摘し、「投資家は、それを重要な点と見ていると思う。」とBlackRockのHambro氏は述べている。