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金投資が急増し、金売却が30%減

ギリシャ情勢が混迷を続ける中、投資家が売却を控え、金投資家インデックスが過去2年間で最高の水準へ上昇しました。

個人投資家の金投資センチメントは、6月に過去2年間で最も高い水準となりました。ここで、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュがその背景を解説しています。

これは、オンライン金・銀投資プラットフォームを提供する世界最大のブリオンボールトの取引データを利用して算出された、最新の金投資家インデックスによって明らかとなりました。

ブリオンボールトのユーザーの9割は、西欧もしくは北アメリカに居住し、設立から10年を迎えるブリオンボールトが提供するオンライン市場では、2014年に12億ドル(1290億円)相当の専門市場で取引される金地金が取引されました。

ブリオンボールトの5万6千人のユーザーは、13億ドル(1550億円)相当の金をブリオンボールトの專門保管場所で保有しています。これは、多くの世界の中央銀行が保有する金準備額を上回るものです。そして、ブリオンボールトにおける先月の金購入者数は、過去18ヶ月で最も多く、売却者数は過去12ヶ月の平均値よりも30%減となっていました。

その結果、その月の購入者数と売却者数のバランスを示す金投資家インデックスは、6月に54.6へと上昇しました。これは、2013年4月の高水準から過去5年間で最も低い数値へ下げていた1月から急騰した2月の数値をも上回ることとなりました。

この数値が50である場合は、その月に金の保有量を増やした顧客数が、金の保有量を減らした顧客数と完璧に一致したことを意味し、2011年9月には71.1と、史上最高値を記録しています。

先月の高い水準は、2013年4月に金相場が10%近く下げ、バーゲンハンターによる金への需要が急増した時以来のものです。しかし、バーゲンハンターが購入を終えると、当時その需要はいち早く消えていました。

それに対し、投資家が株価の高止まりと、国債の低い利回りに疑問を呈する中、2015年は価格と共にこの投資傾向が安定して継続しています。

そして、最も顕著なのは、経済先行きの不透明さから、希少性や換金性の高い金を保有する意味を見出し、金地金を保有している人々が、価格が上下した際に売却を行っていない点です。

この変化は、必ずしもギリシャ危機が要因ではないようです。それは、金地金を購入する資金は、今年の初頭から増加し続けtているからです。個人投資家は、既に主要諸国の政府や中央銀行の経済と金融システム全般を健全に保つ力量に懸念を持ち初めているのです。

そのような中、金相場は昨今のギリシャ危機に未だ反応をしていません。しかし金は、株や工業用コモディティの相場急落を経験していません。ただ、ギリシャ危機が最初にニュースの見出しを飾った5年前のように、急騰をしていないのです。それは、ギリシャの債務危機は、ギリシャ国内にとどまっているためであり、機関投資家は、未だ金へと資金の逃避を起こしていません。金融システムの保険という機能を持つ金が、世界を揺るがす金融危機が起きていない中、上昇することを期待するのは、無駄なことでもあるでしょう。

しかし、この保険の機能は徐々に魅力を増していることは見受けられます。金の需要は、ブリオンボールトにおいて、重量にして、今年前半期に2012年後半以来の高い水準となりました。個人投資家は、自分の資産を管理するために、それぞれ自分の判断で投資を行っています。この投資家の方々は、新年から6ヶ月で、1.4トンを積み増したのです。これは、2014年前半期比で3倍となります。これにより、ブリオンボールトで保管されている、金地金の量は、弊社のディリーレポートで見られるように34トン以上となりました。

2015年前半期の銀の需要は、2014年の前半期と比べると減少しています。これは、18%減で、ネット増加量は22.6トンとなっています。これは、2009年にブリオンボールトが銀投資サービスを提供し始めて、最も少ない増加量となります。6月に、銀投資家インデックスは、引き続きボラティリティの高いものでしたが上昇しています。

先月の50を下回る数値から上昇し56.7と、銀投資家インデックスは2012年3月以来の早いペースで急上昇しました。これは、銀購入者数が、過去9ヶ月で最も高い水準に達したと同時に、売却者数が過去3年間で最も低い数値となったためです。

これは、銀は金と同様に、2013年4月の価格の暴落時にバーゲンハンター的買いが殺到した時に次ぐもので、先月個人投資家に強い魅力を見せたということを意味します。

キプロス危機が世界的な金融危機を引き起こさなかったように、ギリシャもキプロスのように支援条件を受入れ、ユーロ圏に留まることで、世界的な金融危機が起きないことを、機関投資家は予想しているのかもしれません。しかし、より多くの個人投資家が、ギリシャ危機の今後を待つこと無く、既に動き始めているようです。

ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、アンケートの結果ではなく、欧米に居住する個人投資家が実際に取引したデータを元に算出されています。そのデータによると、2015年前半期には、個人投資家が金を購入することを選択し、その傾向は過去2年間で最も強いものであることが明らかとなっています。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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