金価格デイリーニュース(2021年11月29日)原油と株価が新型コロナ変異種の急落から戻す中で、金価格は下落
金価格は、前週終値の水準を維持できず下げています。
これは、先週金曜日に伝えられた新たなコロナウイルス変異種のオミクロン・ショックで急落した長期金利と欧州株価やエネルギー価格が上昇しする中のことでした。
オミクロン型は南アフリカとボツワナで最初に検出され、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、英国、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、ドイツ、イスラエル、イタリア、オランダ、香港の 旅行者の感染が日曜日に確認されていました。そのために、多くの国で渡航制限を行っています。
スコットランドで確認された 6人の患者については、アフリカ南部への渡航歴がないことからも、「地域社会での感染が疑われる」と伝えられていました。
世界第3位の経済大国である日本は月曜日に外国人に対して国境を完全に閉鎖し、イスラエルと並んでオミクロンに対して最も厳しい措置を取ると発表しました。
世界保健機関(WHO)は昨日の 声明で、「重症度を理解するには数日から数週間かかる」と警告しました。これは、オミクロン変異種を最初に確認した医師を含む南アフリカの2人の健康専門家が、これまでのところその症状は軽度であると述べたことを受けてのことでした。
金のスポット価格は、1週間で4回目となる1780ドル割れを試みましたがこの水準を割ることなく、ロンドン昼過ぎには0.1%上昇して1794ドルとなっていました。この水準は、一部のテクニカル・アナリストによると、重要なフィボナッチ水準であるとのことです。
ドル建ての金価格は、先週金曜日にドルインデックスが17ヶ月ぶりの高値から下げた際に、トロイオンスあたり1815ドルまで上昇したものの、 他の金融商品が急落する中でその上げ幅を失っていました。その結果週間では2.9%の下げを記録していました。
欧州の株式は、金曜日の大幅な売り越しから一転して本日上昇し、EuroStoxx 600指数は先週の3.7%の急落後に、本日0.9%上昇して取引を開始しました。
一方、アジア太平洋地域の株式はほとんどが下落し、MSCIのアジア太平洋地域の広範な指数は金曜日の1.7%の下げ幅を更に拡大し、ロンドン昼過ぎに0.4%下落していました。
日本貴金属マーケット協会の代表理事である池水雄一氏は、金曜日の市場について「貴金属も同じく現金化の波に飲み込まれて急落、ゴールドだけがやはり資金逃避先としてしっかりの動きだったと言えます。」と金曜日の市場の動きについて最新のレポートで述べていました。
派生商品のプラットフォームを提供するサクソバンクのストラテジーチームは、「工業用金属の低迷が銀やプラチナにも波及し、 金の潜在的な上昇幅が縮小した。」と同様に金曜日の動きについてコメントしていました。
主に工業用金属である銀の価格は、金曜日に1.7%、先週全体では6.1%下落した後、月曜日には0.5%上昇してトロイオンスあたり23.26ドルとなっていました。
また、需要の3分の2が自動車触媒をはじめとする工業用に集中しているプラチナは、金曜日に3.2%下げて、先週全体では7.4%の下落の後、金曜日の下げ幅を半分ほど取り戻し、トロイオンスあたり973ドルまで上昇していました。
原油価格も、米国政府が戦略石油備蓄からの供給を再開を発表したにもかかわらず、月曜日には5%近く上昇しました。これは、金曜日に米国のベンチマークであるWTIが、パンデミックパニックの最中であった2020年4月に 一時的にマイナスになって以来、1日あたり最大の10%を超える下げ幅を記録した後の反発でした。
10年物米国債の利回りは本日7ベーシスポイント上昇し1.55%となり、先週金曜日の2020年3月以来の急落の15ベーシスポイントの下げ幅を削っていました。
米連邦公開市場委員会の投票メンバーであるラファエル・ボスティック・アトランタ連邦準備銀行総裁は、金曜日のFox Newsのインタビューで、「私は買い付けの減速ペースを加速させることに 非常に前向きだ。」と述べ、米国経済に新たなCovid-19が発生しているリスクを軽視していました。
「私にとっては、経済の勢いがここ数ヶ月のように続いた場合、買い入れを停止する時期の合理的な選択肢として、2022年の第2四半期前半、第1四半期後半がすべて当てはまると考えています。」と続けていました。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が2022年6月の会合までに、現在のフェデラルファンドレートを複数回利上げを行う確率は、先週金曜日に 82%から62%に急落しましたが、本日は再び70%に上昇していました。