【金投資家インデックス】金・銀価格の下落を好機に、個人投資家の買いが拡大
金地金需要は、過去5年で最も力強い増加基調を維持しています。
金・銀への個人投資は、10月の価格下落を好機に拡大しました。ブリオンボールトでは、売り手に対する買い手の優勢度が3カ月ぶりの高水準となり、金地金の純需要は過去5年で最も力強い増加基調を維持しました。
金価格は1月の史上最高値から30%、銀価格は60%下落しており、価格の下落が投資資金の流入を促しています。
中央銀行による継続的な金購入や、アジアの巨大な消費市場での割安感に着目した買いとともに、欧米の個人投資家によるこうした純需要は、価格の下支えとなるはずです。ただし、現時点では上昇相場を示すものではありません。金・銀は、新たな資金が市場に流入する際に上昇する傾向がありますが、新規投資家の参入ペースは、年初の記録的な水準から引き続き鈍化しているためです。
先月、ドル建ての金価格は6.3%、銀価格は17.5%下落し、それぞれ13カ月ぶり、12カ月ぶりの安値を付けました。年初の史上最高値からの下落率は、それぞれ30.7%、59.8%となりました。
毎月の買い手と売り手の人数のバランスを、金は2009年から、銀は2012年から追跡している金・銀投資家インデックスは、いずれも、両貴金属の価格が同じく急落した6月以来の高水準となりました。
重量ベースでは、ブリオンボールトの顧客は3カ月連続で金・銀を買い越しました。金の純購入量は0.1トンとなり、顧客の金保有総量は44.1トンを超え、19カ月ぶりの高水準に達しました。その評価額は55億ドル(41億ポンド、50億ユーロ、8,740億円)です。これらの金はすべて、顧客が選択するロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、チューリッヒの各保管場所で、安全に保管され、保険が付されています。
すでに過去5年で最大の金需要を記録していた8月と9月の純購入量を合わせると、直近3カ月の純購入量は0.6トンとなり、2021年6~8月以来の高水準となりました。ドル建ての購入額では8,600万ドル(約137億円)となり、2020年8~10月以来の高水準です。
3月の金価格下落時と同様、10月の下落も、AI関連をはじめとするハイテク株の急落と重なりました。これは、株価が下落するまさにその瞬間に、金が反対方向へ上昇することはまれであることを示しています。金を、より長期的な投資の保険としてではなく、即効性のある安全資産として期待していた人にとっては、失望する結果でしょう。
一方、今週の米中間選挙の結果を受けて、貴金属価格は大きく反発しています。しかし、金利上昇が金・銀にもたらす短期的な逆風が変わる可能性は低いとみられます。

ブリオンボールトの顧客の約9割は、西欧と北米に居住しています。10月に金現物を新たに購入、または買い増した顧客の人数は前月比8.0%増加し、6月以来の高水準となりました。一方、売却した顧客の人数は、21カ月ぶりの低水準だった9月から9.1%増加しました。
この結果、金投資家インデックスは0.4ポイント上昇して56.3となり、4カ月ぶりの高水準を記録しました。また、同インデックスの12カ月平均は56.5へと上昇し、過去5年で最も高い水準となりました。
同インデックスは、50.0を上回ると買い手が売り手を上回ったことを示します。米国とイランの戦争開始後、原油価格の急騰によって金利上昇観測が強まり、金価格が急落した今年3月には、パンデミック後の最高値となる60.7を記録しました。
銀投資家インデックスも10月に2.5ポイント上昇して55.0となり、4カ月ぶりの高水準を記録しました。買い手の人数が、13カ月ぶりの低水準だった9月から36.9%急増した一方、売り手の人数はほぼ横ばいの0.4%増となりました。
重量ベースでは、ブリオンボールトの顧客全体による銀の購入量が売却量を約1トン上回りました。これにより、銀の保有総量は1,140トンと10カ月ぶりの高水準となり、現在の評価額は18億ドル(13億ポンド、16億ユーロ、2,880億円)となっています。
ブリオンボールトで初めて投資を行った顧客の人数は、9月から3.8%減少し、過去12カ月の平均を59.3%下回りました。ただし、18カ月ぶりの低水準だった7月と比べると、11.2%上回っています。




