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金価格ディリーレポート(2026年8月24日)政府債務への懸念が高まる中、金相場は上昇を継続

 

金価格は月曜日、主要国で政府債務が増加していることへの懸念が続く中、3カ月超ぶりの高値へ上昇しました。また、米国の政策を巡る不透明感も続いています。市場では、米政府によるイランへの新たな制裁措置の詳細発表が待たれる一方、週末には米国とカナダの貿易摩擦が激化しました。ブリオンボールトのホワイトハウス佐藤敦子がロンドンからレポートしています。

ロンドン時間昼時点の金スポット価格は1.9%上昇し、トロイオンスあたり4670ドルと5月中旬以来の高値を付けました。LBMA金価格午後値(LBMA Gold Price PM)ベースでは、過去3週間で13%以上上昇しており、3週間の上昇率としては、新型コロナウイルス禍を背景に急騰した2020年7~8月以来の大きさとなっています。

一方、ユーロ建てと英ポンド建ての金価格も3カ月ぶりの高値へ上昇し、それぞれ2.0%高の4002ユーロ、1.9%高の3423ポンドとなりました。いずれも3週連続で上昇し、この間の上昇率は11%を超えています。

金曜日に発表されたデータによると、7月末時点の英国の公的債務は2兆9800億ポンド(約4兆1000億ドル)、GDP比94.1%となり、政府債務の増大が米国だけの問題ではないことを改めて示しました。米国の政府債務残高は8月19日に40兆ドル(GDP比約123%)を突破しています。

「米国やその他の国々は、経済的な心臓発作に相当する事態へ向かっていると考えています」と、世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者で億万長者の投資家レイ・ダリオ氏は警告しています。同氏は、膨張する政府債務の問題は米国にとどまらず、英国、欧州、中国、日本を含む主要国にも広がっていると指摘しています。

政府総債務(対GDP比:%) 出典:IMF「世界経済見通し(World Economic Outlook)」2026年4月。2026年の数値はIMF予測。

政府債務のGDP比は、国によって傾向に違いがあるものの、複数の主要国で上昇しています。IMFのデータによると、米国と英国では2022年以降、一貫して上昇しており、ユーロ圏でも2023年以降、再び上昇傾向に転じています。中国の債務比率はさらに長期にわたり、2012年以降上昇を続けています。一方、日本は例外で、債務のGDP比は2022年以降低下しています。ただし、今年は約204%と、ここで示した国・地域の中では依然として突出して高い水準にあります。

政府債務の利払いコストも、ますます大きな問題となっています。米議会予算局(CBO)は、2026年の米国政府の純利払い費が1兆ドルを超え、連邦政府歳入の約19%に相当すると予測しています。2036年には、この額がGDP比4.6%まで上昇し、予測される連邦政府歳入のおよそ4分の1に相当する見通しです。

英国では、予算責任局(OBR)が2026/27年度の政府債務の利払い費を1090億ポンド(約1490億ドル)と予測しており、これは政府歳入の約9%に相当します。

「ここ数年の経験から、米国やその他の国々における『債務の山』への懸念は、引き続き金需要を支える柱の一つであり、債務や財政赤字を削減することなく、その負担を管理しようとするいかなる試みも、引き続き金に有利に働く可能性があります」と、鉱業業界団体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は述べています。

投資家は先週、巨大な金ETFであるSPDRゴールド・トラスト(NYSEArca: GLD)の保有を大幅に増やしました。同ファンドの金保有量は2.3%増の1047トンと、4月下旬以来の高水準となりました。これで3週連続の資金流入となり、週間の増加率としては、金が史上最高値を更新していた2025年10月以来最大となりました。

より規模の小さい金ETF、iシェアーズ・ゴールド・トラスト(NYSEArca: IAU)も先週、金保有量が0.5%増の458トンとなり、3週間ぶりの増加となりました。一方、銀ETFとして最大規模のiシェアーズ・シルバー・トラスト(NYSEArca: SLV)は3週間ぶりに減少し、0.1%減の1万5295トンとなりました。

年間需要の約60%を産業用途が占め、主に工業用金属として利用される銀の価格は、その間、トロイオンスあたり69.52ドルで横ばいとなりました。銀価格はそれまでの3週間で19%以上上昇していました。

米国の政策を巡る不透明感も引き続き注目されました。ベッセント米財務長官がイランに対して「史上最も厳しい制裁」を科すと表明したことを受け、市場では米政府による新たな経済制裁の詳細発表が待たれています。一方、カナダとの貿易摩擦も激化しました。金曜日に交渉が決裂した後、米国が約200億ドル相当のカナダ製品の一部に50%の新たな関税を課したことを受け、カナダ政府は9月8日から同額規模の報復措置を実施すると発表しました。

一方、米ドル指数は0.2%上昇したものの、5月下旬以来の安値近辺にとどまりました。指標となる米10年債と30年債の利回りはいずれも約4ベーシスポイント低下しました。ただし、30年債利回りは依然として2007年以来の高水準近辺にあります。

その他の市場では、ビットコインが月曜日に1.2%上昇して約7万8000ドルとなりました。先週は22%上昇し、週間上昇率としては2024年3月以来最大となっています。

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者であると共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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