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金価格ディリーレポート(2026年10月29日)FRBの金利見通しが変化する中、金価格は下落 銀は11カ月ぶり安値

 

木曜日の金価格は下落しました。投資家が米連邦準備制度理事会(FRB)の最新の政策決定や、予想を上回る米国の経済成長、インフレ率の上昇を見極める中、貴金属市場は金利見通しの変化に反応し、銀は金よりも大きく値を下げました。

金現物価格は、水曜日のFRBの政策決定と木曜日の米経済指標の発表を受け、0.4%安のトロイオンスあたり4,024ドルとなりました。

年間需要の約60%を工業用途が占める銀は、2.6%安のトロイオンス当たり52.39ドルと、昨年11月下旬以来の安値を付けました。金1オンスで購入できる銀のオンス数を示す金銀比価は約77へ上昇し、11カ月ぶりの高水準となりました。

米国の第3四半期の国内総生産(GDP)は年率換算で3.4%増加し、予想の3.2%を上回って、過去1年間で最も高い成長率となりました。9月の個人消費支出(PCE)価格指数の上昇率は3.4%から3.6%へ加速しました。一方、FRBが基調的なインフレを測る上で重視するコアPCE価格指数の上昇率は、概ね予想どおり、3.0%から3.1%へ小幅に加速しました。

水曜日の記者会見で、ケビン・ウォーシュFRB議長は「経済活動は力強いペースで拡大している」一方、「インフレは依然として高止まりしている」と述べました。

木曜日の早い時間帯には、金は水曜日のウォーシュ議長の記者会見後の上昇幅を縮小していました。米連邦公開市場委員会(FOMC)は賛成10、反対2で、政策金利を3.75~4.00%に据え置きました。

サクソバンクの商品戦略責任者オーレ・ハンセン氏は、次のように述べています。

「市場全体でレバレッジ解消が広がるリスクは、短期的には金の重しとなる可能性があります。ただし、ポートフォリオの分散や、財政・地政学リスクに対する備えを求める長期的な需要は、引き続き金を下支えしています」

「高止まりするエネルギー価格のインフレへの影響、AI分野の動向、株式市場でさらに手じまい売りが進むリスクに加え、債券利回りとドルの動きが、引き続き主要な相場要因となるでしょう」

市場の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利予想の変化 出典元 ブリオンボールト

CMEのFedWatchツールによると、市場では、水曜日の政策決定と記者会見後、FRBによる追加利上げ観測がやや後退しました。水曜日のロンドン時間午後10時5分ごろには、2027年9月の予想政策金利を各金利水準の確率で加重平均した値が、発表前の4.66%から4.61%へ低下しました。これは、現在の水準から0.25ポイントの利上げを3回弱織り込む水準です。12月の利上げ確率は78.4%でした。

米経済指標の発表後、木曜日ロンドン時間午後1時には、12月の利上げ確率は午前9時の79.6%から83.3%へ上昇しました。2027年9月の確率加重平均の予想政策金利も4.55%から4.58%へ小幅に上昇し、引き続き現在の水準から0.25ポイントの追加利上げを3回弱織り込んでいました。

主要通貨に対する米ドルの価値を示すドルインデックスは、前営業日に0.1%下落した後、木曜日には0.08%上昇しました。

政府をはじめ、金融機関や企業の多くの借り入れコストの指標となる米10年国債利回りは、米経済指標発表前の5.022%、前営業日の5.045%から、4.965%へ低下しました。

ウォーシュ議長は、政策当局者は状況に応じて行動する用意が引き続きあり、今後発表されるデータを基に次の政策判断を行うと強調しました。

また、FRBの目的は経済の「歯車に砂をかませることではない」と述べ、力強い成長そのものがインフレを引き起こしているわけではないとの見解を示していました。

2027年1月渡しのブレント原油先物は木曜日、和平協議再開への期待から中東の供給混乱への懸念が和らぎ、2.24%安の1バレルあたり109.17ドルとなりました。報道によると、米国のJD・バンス副大統領は、交渉再開を目指してイランの安全保障評議会トップ、モフセン・レザイ氏に書簡を送りました。

一方、イスラエルの選挙では明確な決着がつかず、定数120の議会で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の陣営が53議席、ガディ・アイゼンコット氏率いる野党陣営が48議席、アラブ系政党が19議席を獲得する見通しとなりました。主要な両陣営はいずれも過半数に必要な61議席に届かず、連立交渉の間、ネタニヤフ氏が暫定首相として続投する可能性が高まっています。

ハイテク株の比重が高い韓国の総合株価指数(KOSPI)は木曜日、1.24%下落しました。サムスン電子は、半導体部門の利益が予想を下回り、設備投資が増加したことを受け、4.1%下落しました。欧州全体のストックス600指数は1.0%上昇した一方、米国ではS&P500種株価指数が0.57%安で取引を開始し、ナスダック100指数は取引序盤に約2%下落しました。

水曜日の時間外取引では、マイクロソフトが、クラウド事業の力強い成長によって186億ドルのフリーキャッシュフローを生み出したことを受け上昇しました。一方、アルファベットは、多額のAI投資によりフリーキャッシュフローが90億7,000万ドルの赤字となり、下落しました。

ユーロ建て金価格は木曜日、0.4%安のトロイオンスあたり3,614ユーロとなりました。欧州中央銀行(ECB)は予想どおり、預金ファシリティ金利を2.50%に据え置きました。政策決定後、ユーロは対米ドルで小幅に下落しました。同日これに先立ち、ECBはクリスティーヌ・ラガルド総裁が、10月に予定されていた任期満了を待たず、2027年2月7日に退任すると発表しました。

ポンド建て金価格も木曜日、0.6%安のトロイオンスあたり3,020ポンドとなりました。水曜日に発表された英国の予算に対する市場の反応は限定的で、発表後のポンドは概ね横ばいとなり、英国10年国債利回りは約2ベーシスポイント低下しました。

ウォーシュ議長は水曜日、2027年に予定される8回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合のうち1回を、金融政策戦略の議論のみに充て、金利の採決や政策声明の発表は行わないと発表しました。2028年には、2回の会合がこの形式となる見込みです。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者であると共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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