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金価格ディリーレポート(2024年9月30日)コメックスが記録的な強気ポジションとなり現物需要を押し下げる中で金は最高値から50ドル下げる

 
金価格は月曜日に大幅に下落し、一時は先週の過去最高値から50ドル下落しましたが、金地金価格は2016年の年初来で最も大幅な四半期上昇を記録する傾向となっています。
 
米国の規制当局である CFTCが発表した最新のデータによると、ヘッジファンドや資金運用業者のトレーダーは、第3四半期末となる先週火曜日24日までに670億ドル相当と金地金のネットロングポジションの評価額としては史上最高値を記録し、前四半期末の6月末からは58.3%以上となる強気ポジションを構築していました。
 
これとは対照的に、 金ETF投資信託では、最大銘柄のSPDRゴールドシェア(GLD)が14週ぶりに週間で減少し、先週金曜日に残高は0.6%減と、現在740億ドル相当の規模となっていました。
 
それに対し、現物の需要は未だ弱く、世界最大の貴金属消費国で、世界第2位の経済大国である中国の株式市場は、火曜日から国慶節(建国記念日)の連休に入る前の月曜日に、2024年のGDP成長率を目標の5%へ押し上げるために、前週の中国政府と人民銀行の大幅な財政・金融刺激策からも、CSI300株価指数が最大9.1%高となるなど、過去16年間で最も大幅に一日あたりに株価が上昇していました。
 
デリバティブのプラットフォームであるサクソバンクの商品ストラテジスト、オーレ・ハンセンは「金がより強い動きをする中で、調整の下げのリスクは高まっている。」と述べていました。
 
「投資家が記録的な価格での購入を躊躇しているため、現物需要は減速しているが、短期的なモメンタム・トレーダーが先物需要を牽引し続けている。」と続けていました。
 
コメックスの金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションとドル建て金価格チャート 出典元 ブリオンボールト
 
先週火曜日までの週で、 金がドル建てで2024年の29回目の最高値をつける中、デリバティブトレーダーの資金運用業者のカテゴリーは、金価格に対する強気ポジションを3.5%増加させ、世界的なコロナ危機とそれを抑え込むためのロックダウンが始まった2020年3月以降で最大となっていました。
 
しかし、同じグループは弱気ポジションも35.8%増やし、金が現在よりもトロイオンスあたり300ドル安く取引されていた今年4月以降で最も大規模なショートポジションを構築していました。
 
そこでネットポジションは、重量としては過去4年半で最大となり、その評価額は過去13週間で6回新記録を更新していました。
 
「金相場には強い勢いがあるが、買われすぎでもあるため、最近の上昇を定着させるには時間がかかるかもしれない」とドイツの精錬グループ、ヘレウスは述べていました。
 
本日のロンドンのスポット地金価格は、金曜日に5日間続いた金の史上最高値更新を止めた後、先週木曜日の新ピーク2685ドルからトロイオンスあたり50ドルも下落し、2024年第3四半期の最後のロンドン基準価格は2640ドル前後となっていた。
 
そこで、金価格は、9月に月間で5.0%高、今四半期は13.3%上昇と、2016年第1四半期以来の四半期最大の上昇を示していました。
 
「レバノンで本格的な戦争が起これば、欧州の目と鼻の先で再び戦争が起こるでしょう」とデンマーク最大の金融機関ダンスク銀行のアナリストは述べて、パレスチナの過激派組織ハマスが、イスラエルによる空爆でエル・ブス難民キャンプにいる指導者ファタ・シャリフとその家族が死亡したと主張する中、ロシアはウクライナ侵攻を続けていることに注目していました。
 
「市場にとっては、イランがどのような決断するかが重要なのです。」と、イスラエルが週末にヒズボラの指導者ハッサン・ナスラッラーを暗殺し、イエメンでテヘランが支援する反政府勢力フ―シ派を攻撃する中で述べていました。
を攻撃した。
 
「市場や一般大衆の関心は、(悲しいことに!)地政学のエスカレートとは無縁になっている。」とスイスの精錬・金融グループMKSパンプの金属戦略責任者、ニッキー・シールズはコメントしていました。
 
「今日の地政学は、金相場の底上げを支持するが、さらなる高騰をサポートするものではありません。」と続けていました。
 
2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの壊滅的な攻撃から来週月曜日の記念日を前に、金価格はドル建てで45.0%上昇し、ロシアルーブルを除く全ての主要通貨建てで史上最高値を更新していました。
 
ユーロ建て金価格は先週の新高値のトロイオンスあたり2407ユーロから50ユーロ近く下落し、 ポンド建て英国金価格は先週木曜日の新高値2007ポンドから35ポンド下落していました。
 
中国の秋のゴールデンウィークを前に、上海金取引所の金価格はロンドン相場とのディスカウントを拡大し、月曜日にはトロイオンスあたり21ドルと、過去3年間で最大となり、新規金地金輸入のインセンティブを無くす要因となっていました。
 
また、銀の価格は金よりも下落し、先週木曜日につけた12年ぶりの高値32.71ドルから4.5%下落し、トロイオンスあたり31.25ドルで取引されていました。
 
原油価格は、中東での紛争が激化しているにもかかわらず下げ、これは 先週フィナンシャル・タイムズ紙の記事で、サウジアラビアが原油の非公式目標価格のバレルあたり100ドルを取り消し、市場のシェアを高めるために増産をすると伝えたことを背景としています。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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