金価格ディリーレポート(2024年9月23日)コメックスの先物・オプションのネットロングが4年ぶりの高い水準となる中で、金価格は再び最高値を更新 2024年9月23日 月曜日 15:57 コメックスの資金運用業者が強気なポジションを4年ぶりの高水準に引き上げ、先物トレーダーが米連邦準備制度理事会の利下げ継続への期待を高める中、金価格は月曜日、日本円を除く全ての主要通貨に対して史上最高値を更新し、2024年29番目のドル建て高値を更新していました。 ドル建てスポット金は、アジア取引で0.4%上昇し、トロイオンスあたり2631ドルの高値を更新していました。 先週、米連邦準備制度理事会(FRB)が米金利を50ベーシスポイント引き下げ、年末と2025年の借入コストの見通しを引き下げた後、金塊価格はドル建てで1.7%上昇し、 史上最高値を3度更新していました。 また、先週金曜日までに金は月間で3.7%上昇しており、2024年に入ってからは25.4%上昇しています。 ドイツの精錬グループであるヘレウスは最新レポートで、「金の上昇の道は大きく開けているようだ。」と述べ、「とはいえ、年内の利下げ路線に対する市場の予想が精緻化されるにつれて、一段落する時期もありそうだ。」と続けていました。 先週火曜日に発表された最新のデータは、FRBの大胆な金利引き下げにより、金が史上初めて2600ドルを突破した前日であったものの、ヘッジファンドやその他のレバレッジを効かせた投機家が、コメックス金先物・オプションにおいて、ネットの強気ポジションをさらに増やし、2020年3月以降で最大のポジションとなったことが明らかとなっていました。 9月17日の時点までの米国の規制当局である CFTCが公表したデータによると、ネットロングポジションは1年平均を78%上回り、5年平均を110%上回っていました。 「ポジショニングが極端であることから、短期的に反落するリスクがある」とオーストラリアの銀行ANZのシニア・コモディティ・ストラテジスト、ダニエル・ハイネス氏は述べていました。 カナダの証券会社TD証券のシニア・コモディティ・ストラテジスト、ダニエル・ガリ氏は、中国の 金ETF投信からの資金流出が続いていることを理由に、現物地金に関しては、「明らかに、買い戻しの動きが出ているが、今のところ、詳細はつかみかねている。」とコメントしていました。 先週水曜日に米連邦準備制度理事会(FRB)が大胆な利下げを実施して以来、先物市場の投資家は11月の会合での利下げ幅を従来の0.25%から0.50%とするという見方が、 CMEデリバティブ取引所のFedWatchツールによればほぼ半々まで拡大するとの見通しを強めている。 1週間前、先物市場は0.50%利下げの確率をわずか29%としていた。 金とは対照的に工業用需要が60%近くを占めいる 銀の価格は、中国人民銀行の潘功勝総裁が明日記者会見を開き、低迷する経済への金融支援について議論すると本日発表した後に、先週の上昇分の大半を帳消しにし、トロイオンスあたり1.6%下落の30.70ドルとなっていました。 中国人民銀行は、前週金曜日に主要な基準金利を予想外に据え置いた後、短期政策金利の一つを引き下げて、公開市場操作で総額2346億元(332億9000万ドル)を銀行システムに供給しました。 上海黄金交易所の金相場は、人民元建て価格がグラムあたり592円と、前週金曜日に続き史上最高値を更新する中、ロンドン相場に対するディスカウントが続き、トロイオンスあたり16ドルと過去3年間で最も拡大していました。 金の世界最大の消費国である中国の地金卸市場では、先週ロンドンに対するディスカウントが拡大し、週平均でトロイオンスあたり11ドルとなっていました。これは、2021年6月以来最大のディスカウントとなり、新規の輸入を抑止し、国内の金需要の低迷を反映しています。 中国は8月にスイスからの金輸入がゼロと2021年1月以来となり、中国の金ETFは 8月に2023年11月以来初めて資金の流出が起きていたことが明らかとなっていました。 日本を含む世界主要23か国を対象としているMSCI世界株価指数は2週間の上昇の後、月曜日に堅調に推移していました。一方、米ドル指数(主要通貨に対する米国の通貨価値の指標)は、先週14ヶ月ぶりの安値を付けた後、0.2%上昇していました。 この間、本日発表された購買担当者景気指数(PMI)予備調査で、ユーロ圏の企業活動が9月に縮小し、1月に記録した水準に下げていたことを受け、ユーロは対ドルで弱含みとなっていました。 ユーロ建て金相場は、月曜日に2632ユーロと過去最高値を更新し、英国ポンド建て金相場も1975ポンドと過去最高値を更新していました。