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金価格ディリーレポート(2024年4月29日)FRBの政策金利発表を前に、上海黄金交易所のプレミアムが下げ、コメックスの投機筋が多少ネットロングを増加させる中で、金は若干下げる

 
上海金地金現物おょび先物市場が証拠金を引き上げ世界最大の金地金消費市場である中国の金需要が軟調に推移し、コメックスの投機筋が今週の連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定会合を前に、金の先物・オプションのポジションを据え置く中、ロンドンの金相場は、前週に2024年最大の下げ幅を記録した後にその下げ幅を若干拡大していました。
 
先週、ロンドンの金地金市場で1.5%下落したドル建ての金のスポット価格は、本日ロンドン時間昼過ぎにトロイオンスあたり2330ドルと0.3%下げましたが、先週火曜日に2022年5月以来の急落を記録してつけた3週間ぶりの安値2300ドルを上回って推移していました。
 
コメックス金先物・オプション取引の投機的取引について、「4月23日までの1週間で金が3%近く調整したことで、少量のネット買いが入った」と、デリバティブ・プラットフォームであるサクソバンクの商品ストラテジスト、オーレ・ハンセンは述べていました。そして、ヘッジファンドやマネージド・マネーのトレーダーが現在保有している強気ポジションの大半は、3月初旬に2200ドル以下で初めて買われたものだ、と彼は指摘していました。
 
「言い換えれば、ロングの切り崩しが起こるには、もっと深い(価格の)調整が必要なのだ。」と続けていました。
 
コメックスの金先物・オプションのネットロングポジション 出典元 ブリオンボールト
 
米国の規制当局であるCFTCのデータによると、資金運用業者のネットロングポジションは、3月上旬に92.6%増加し、金地金の価格が5%近く急騰し2134ドルとなる中で、 過去5年間で最も早いペースで増加していました。
 
最新のデータでは、コメックスの金先物・オプションのレバレッジを効かせた投機家は、先週火曜日までの1週間で、ネットロングポジションを1.9%と若干ながら増加させ、4月初旬のピークを1.2%下回り、2020年7月のトロイオンスあたり2075ドルというコロナ危機時の高値時以来のポジションの水準を維持していました。
 
また、日本貴金属マーケット市場協会の池水雄一代表理事は、「金の "ミステリアスラリー "の背景は、 中国の個人投資家」と上海金取引所(SGE)のプレミアムを指摘していました。
 
上海黄金取引所(SGE)の金価格は本日もロンドンを上回る水準で取引されて、新規の地金輸入へのインセンティブとして、過去の平均的プレミアムのトロイオンスあたり8ドルの3倍となっていますが、その幅はは先週の平均である27ドルからさらに低下し、前週の水準である48ドルを大きく下回っていました。
 
中国の国営メディアから金の上昇を追いかけないようにとの警告する中、SGEと上海先物取引所(SHFE)が共に証拠金規制を引き上げたため、SGEでの取引量は先週25%減少し、SHFEでの金のデリバティブ取引はほぼ半減していました。
 
「金価格が100ドル下がった今、調整は終わったようです」と池水氏は述べていました。
 
一方、英国およびユーロ投資家向けのスポット市場の卸売金地金価格は、月曜日にそれぞれ0.5%安の1862ポンド、0.3%安の2178ユーロと小幅に下落し、日本円建て金価格は、通貨が対米ドルで3年ぶりの安値から突然反発したため、前週金曜の終値から本日2.5%安のグラムあたり11611円まで下落していました。
 
日本の投資家にとっての金価格は、日本銀行がインフレの急上昇にもかかわらず政策金利をゼロまでしか引き上げない中で、今年に入ってから25%近く上昇しています。先週発表された最新のデータによると、東京の消費者物価指数は4月に1.6%と、3月の2.6%から低下し、2023年後半の40年ぶりの高水準であった3%を大幅に下回っていました。
 
今週水曜日の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定では、市場の予想ではフェデラルファンドレート(FFレート)は20年来の高水準である5.25%に据え置かれるとのこと。
 
CMEのFedWatchツールによると、FRBのは2024年末のFFレートは5.04%と予想されており、年初に市場が予想していた6回の利下げから大幅に修正され、年内の利下げ幅は25ベーシスポイントで一回のみの利下げにとどまることになります。
 
銀価格は、年間需要の60%近くを工業用から得ており、先週2.2%下げた後に、本日金曜の終値とほぼ同じ水準のトロイオンスあたり27.21ドル前後で安定して推移しています。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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