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金価格ディリーレポート(2022年8月30日)ドルと長期金利が数年ぶりの高さで落ち着く中で金は下落し、金ETFからの資金流出は継続

金相場は、ドルが20年ぶりの高値から下落し、米2年債利回りが15年ぶりの高水準で上昇を止めたことから、日本円を除く主要通貨で前週終値比下落していました。この間金ETFからは10週連続の週間で資金が流出していました。
 
ドル建ての金地金現物価格は、月曜日に1ヶ月ぶりの安値のトロイオンスあたり1720ドルから回復した後、火曜日の昼過ぎには1730ドルと0.4%下落していました。そして、これは先週金曜日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、金利は継続引き上げで より長く高止まりすると示唆したことによる1.2%の下落後のことでした。
 
ドルインデックス(主要通貨に対する米国の通貨価値の指標)は、月曜日に20年ぶりの高値を付けた後、火曜日昼過ぎにやや弱含みとなっていました。
 
また米国の2年物国債利回りは、2007年11月以来の高値となる3.50%にわずかに届かない水準を維持していました。
 
一方、政府機関や多くの金融機関、商業機関の借入コストのベンチマークとなっている、米国10年債利回りは、前日とほぼ同水準の3.1%前後で推移していました。
 
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のチーフ・マーケット・ストラテジストであるジョン・リードは、「現物を裏付けとする金ETFの資金フローは、 引き続き純減となっている」と述べていました。
 
WGCのデータによると、8月26日に終わる週に金ETFは6.7トンの純流出を記録していました。これは10週連続の純流出で、2021年2月~4月以降で最も長い連続流出となりました。そして、世界の保有量は現在、3,663トンとなっています。
 
世界の金ETFの残高の推移 出典元 ワールドゴールドカウンシル
ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁は月曜日、パウエル議長のジャクソンホール講演後の株価急落を振り返り、「パウエル議長の講演がどのように受け止められたかを見て実は嬉しかった」と述べていました。
 
インフレ率を2%に戻すという我々のコミットメントの真剣さを、人々は今理解している。」と続けていました。 
 
火曜日の欧州株は、ストックス欧州600指数が1カ月ぶりの安値をつけた前場での損失を一部取り戻して上昇していました。
 
米国先物も上昇し、先週金曜日にパウエルFRB議長が、中央銀行は物価上昇圧力を抑えるために景気を悪化させることもいとわないと強調したことから始まった株安に一段落がついたことを示していました。
 
デリバティブ取引所CMEのFedWatch Toolによると、先物のトレーダーは、2022年9月20日と21日に予定されている次の会合で75ベーシスポイントの利上げの確率を70%近く織り込んでいました。しかし、これは月曜日の75%から低下していました。
 
一方、ジャクソンホールで開催されたFRBの年次シンポジウムで、政策立案者が目標の4倍を超えるインフレを抑制するために大幅な利上げを主張したことを受けて、トレーダーは欧州中央銀行が75ベーシスポイントを引き上げる確率は50%を上回ると見ていました。
 
欧州中央銀行のイザベル・シュナーベル理事は、「現在の高いインフレが期待値として定着する可能性とコストは、いずれも不快なほど高い」とジャクソンホールの会議で土曜日述べていました。
 
「このような環境下では、中央銀行は 力強く行動する必要がある」と続けていました。
 
しかし、欧州中央銀行のチーフエコノミストは、来週の記録的な 75ベーシスポイントの利上げに疑問を投げかけ、欧州中央銀行は、経済の進行状況を知るための時間を与えるとして、段階的に利上げを行うべきであると月曜日に述べていました。
 
ユーロ建ての金は、ユーロが対米ドルで月曜日の0.32%の上昇に加えて上昇を続け、約3週間ぶりの安値となる1728ユーロまで下降していました。
 
また、ドイツのハベック経済相が、同国のガス貯蔵施設の貯蔵率が予想を 上回るペースで上昇していると述べたことで、欧州のガス価格が後退したこともユーロの上昇を後押ししていました。
 
英国の金価格(ポンド建て)は、エネルギー価格の高騰が、インフレ率の上昇、金融引き締め、政府借入の増加というパーフェクトストーリーを引き起こす懸念から、 英国国債が1994年以来最大の月間下落に向かい、その利回りが数年来の高水準に上昇する中で、1480ポンド前後で堅調に推移していました。
 
一方、日本円の金価格は1グラムあたり7707円と前週終値から0.2%上昇していました。日本円は、トレーダーが世界主要中央銀行とと日本銀行の金利差に再び注目し、為替市場で日本円は1ドルあたり140円の重要な心理レベルに向かって下がり続けていました。  
 
日銀の黒田東彦総裁は「賃金と物価が安定的かつ持続的に上昇するまで 金融緩和を継続する以外に選択肢はない」と述べ、日本のインフレ率2.4%を指摘し、その原因はほとんど国際コモディティ価格上昇、エネルギーと食糧にあると指摘していました。
 
日本円は今月4%近くも急落し、火曜日には先月に達した24年ぶりの安値となる138.50円台で取引されていました。
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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