月曜日, 4/25/2022 17:44
ドルインデックスが2年ぶりの高値に急伸し、債券価格が上昇して長期金利が低下する中で、金相場は1900ドルを下回ることとなりました。
これは、中国の新型コロナ感染者数が急増していることへの懸念から、世界株価とコモディティ価格が下げていたことから、貴金属においても現金化が起こっている模様でした。
そして、昨日日曜日からブリンケン国務長官とオースティン国防長官がウクライナの首都のキエフを短期訪問し、米国がウクライナに7億ドル以上の追加軍事支援を約束したことから、米露の緊張は悪化していました。
ロンドンの金現物価格は、3月29日以来の安値となるトロイオンスあたり1895ドルを一時付け、先週の3月半ば以来の下げ幅の2.2%をさらに拡大して本日1.9%下げていました。
ワールド・ゴールド・カウンシルのチーフ・マーケット・ストラテジストであるジョン・リード氏は、「金の弱さは、ここ数日大きく上昇している
米ドルの強さに起因している」と述べていました。
ドルインデックス(主要通貨に対する米国の通貨価値の指標)は、月曜日の朝に急騰し、3営業日連続で上昇し、2020年3月上旬以来の最高値を記録していました。
この間、米国10年債利回り(政府機関や多くの金融・商業機関の借入コストの基準金利)は、本日2.82%まで低下し、先週末の40ヶ月ぶりの高値から8bp低下していました。
アジア株式市場は、MSCIアジア太平洋指数が2.5%下落して6週間ぶりの安値となり、中国のCSI300は5%近く下落して2020年4月以来の安値で取引を終えたため、この1ヶ月で最悪の一日あたりの下げ幅となっていました。
また、中国の通貨人民元は、首都北京が主要な製造業、金融、貿易の中心地である上海とともに、新型コロナ感染を抑制しようとロックダウンを実施したことからも、約1年半ぶりの安値に下落していました。
そのような中でも、上海黄金交易所における金価格は、月曜日にはロンドンに対してプレミアムとなる2.75ドルとなり、国内需要対供給の弱さが多少回復したことを示唆することとなりました。ちなみに、先週は上海黄金交易所の価格はロンドンに対してディスカウントであったものの、前週のトロイオンスあたり2ドルから小幅縮小して1.56ドルとなっていました。
ブルームバーグは、あるポートフォリオマネジャーの言葉を引用して、「北京の混乱した状況が、上海で起きたような長期にわたるロックダウンを引き起こし、
経済に打撃を与えることが懸念されている」と述べていました。
ユーロ通貨も下落し、フランスのEU推進派のエマニュエル・マクロン氏が反EU派のマリーヌ・ルペン氏を破って大統領に2期目を選出したことを受けてFX市場で市場開け後に上昇した分をほぼ全て失っていました。そして、欧州株式も大きく下落し、汎欧州のストックス600は2.0%下落して3月中旬以降の最低値となっていました。
ユーロ建ての金価格は1768ユーロと2週間ぶりの安値となり、ポンド建ての英国金価格は1491ポンドと0.9%下落していました。
また、原油価格も5%近く下落し、ウェスト・テキサス・インターミディエイトが100ドルを割り込み、約2週間ぶりの安値となってました。
また、主に工業用金属である
銀の価格は、先週5.9%の下落を記録した後、本日3%近く下げてトロイオンスあたり23.43ドルとなっていました。この結果、銀は2月15日以来の安値となり、かつて貨幣価値があった2つの貴金属の価格の比率を表す金銀比価は、4ヶ月以上ぶりの高値となる81付近まで上昇していました。
プラチナは、自動車触媒を中心とする工業用途が需要の3分の2を占め、本日1.7%下落のトロイオンスあたり916ドルとなりました。
ロシアが第一の採掘国であるパラジウムの価格は10.3%下落し、トロイオンスあたり2138ドルとなっていました。
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