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金価格ディリーレポート(2022年10月3日)コメックスの金先物・オプションの強気ポジションが2008年の世界金融危機以来の低さにも関わらず、欧州銀行懸念の中で金価格は上昇

金相場は、月曜日に欧州大手銀行への懸念から株式市場が下げ、OPECの原油減産への懸念から債券価格が上昇する中で、最新のデータでは、コメックス先物・オプションの投機家の金地金への強気ポジションは14年前のリーマン危機以来最低となっているにもかかわらず上昇していました。
 
先週の資金運用業者によるコメックス金先物・オプションへの強気ポジションは、金価格が2011年の世界金融危機のピーク1920ドルから45%下落し、ようやくトロイオンスあたり1045ドルで底打ちした2015年のクリスマスにつけた最低値をわずかに下回っっていました。
 
ドル建て金現物価格は、先週1.0%上昇し、8月中旬以来の大きな上昇となった後に、本日ロンドン時間昼過ぎに0.3%高のトロイオンスあたり1665ドルをつけていました。これは、国債利回りと株式市場が共に再び下げ、エネルギー価格は上昇する中で、堅調ながら小動きとなっていました。
 
「金は地政学的リスクと金融リスク、そして最近のドル高と利回りが高止まりながら若干下げたことに支えられ、金曜日の安値1660ドルを上回っている」と、デリバティブプラットフォームのサクソバンクの商品ストラテジスト、オレ・ハンセン氏はのべていました。
 
「現段階で主な買い手は、コメックス金のショートポジションカバーをしている資金運用業者であろう。」と続けていました。
 
最新のデータでは、ヘッジファンドやその他のレバレッジをかけた投機家が、先週火曜日までの週に、弱気ボジションにおいては7週連続で、この4年間で最も弱気なベットを増やしたことが明らかになっていました。
 
しかしより際立っていたのは、強気ポジションが2008年11月のリーマンショック以降で最も少なく、7年前に米国FRBの利上げが始まり、金融危機後の金の弱気相場が終了した時の最低値すらも下回っていたことでした。
 
資金運用業者の金先物・オプションの強気及び弱気ポジションの推移 出典元 LBMAおよびCFTCのデータを元にブリオンボールトが作成
 
そこで、全体として先週の資金運用業者のポジションは、2018年11月末に価格がトロイオンスあたり1200ドルに向かって下落して以来、最も大規模なネット・ショートとなっていました。
 
政府だけでなく、多くの金融や商業の借入コストのベンチマークレートである米国10年債利回りは、株式市場価格が再び世界的に下落する中、債券価格が上昇し、月曜日に10ベーシスポイント下落していました。
 
欧州の株式は、新たな月と新四半期の始まりとともに低迷し、ストックス欧州600指数は、スイスの大手企業クレディ・スイスが 資本増強を検討していることを明らかにする中で、同社株が今朝8%以上下落するなど銀行株の下げに牽引されて1.3%下落していました。
 
 米投資銀行JPモルガンのチーフエコノミスト、ブルース・カスマンは、「ここ数週間、ボラティリティが大幅に上昇し、 信用市場のストレスが高まっている」と指摘し、ドルの為替レートとともに借入コストが上昇し、米国の金融環境が急速に引き締まっていることを指摘していました。
 
従来のオペック諸国とロシアを中心とする他の主要産油国が参加するオペック+石油カルテルは今週、 日量100万バレル以上の共同減産を検討すると、関係者は述べていました。これは、2020年初頭に第一波の新型コロナウィルスの感染が拡大し、 石油価格がマイナスになって以来最も大きな減産となります。
 
「サウジアラビアや他の生産者が供給制限に動くのは、バイデン(米)政権が 価格に上限をつけることを検討していると語ったことへの反応かもしれません」と、ワシントンのクリアビュー・エナジー・パートナーズのマネージングディレクター、ケビン・ブック氏は考えています。
 
一方ロンドンでは、先週金曜日にS&Pグローバル・レーティングスから安定的からネガティブに格下げされたことで、クワシー・クワルテン英財務相が、金融市場や与党保守党議員からの反発を受けて高所得者向けの減税計画を取りやめざるを得なくなっていました。
 
英国ポンドはこのニュースを受けて上昇し、先週月曜日に記録的な安値となった1ポンド=1.03ドルから約10セント上昇し、英国の長期債利回りは30年物ギルト債の利回りも3.70%まで低下し、イングランド銀行が長期債を購入して価格の下落を食い止めざるを得なくなった、財源無き減税とエネルギー費用軽減のための歳出を含んだ「小型補正予算」の前の水準まで下げていました。
 
ポンド建ての英国金価格は、英国政府のこの一部減税撤回により為替市場でポンドが1週間ぶりの高値となったことから、金曜日のロンドン午後からほぼ横ばいでトロイオンスあたり1486ポンドで、それに対しユーロ建ての金価格は0.9%上昇して1708ユーロとなっていました。
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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