金市場ニュース

金価格ディリーレポート(2021年9月13日)火曜日の米インフレデータ発表を前に、金と銀はレンジ内である中で、プラチナが9ヶ月ぶりの低値へ

プラチナ価格が、月曜日ロンドン時間午前中に9ヶ月ぶりの低値を付けていました。
 
これは、2021年の工業用貴金属であるプラチナの供給過剰を予測する中のことでした。
 
プラチナの需要の3分の2は、ディーゼル車の排ガス浄化触媒需要を筆頭に工業用途となっています。月曜日の朝、プラチナは前週終値比0.6%減のトロイオンスあたり955ドルと、2020年12月以来の低水準となっていました。
 
一方、金は0.1%高のトロイオンスあたり1789ドル、銀はプラチナ同様、主に工業用金属でもあり、0.2%安の23.70ドルとなっていました。
 
火曜日に発表される米国の消費者物価指数は、米国の生産者物価が8月に大幅に上昇し、年間のインフレ率が約11年ぶりに急上昇した後に発表されることとなります。
 
「消費者物価指数が予想以上に高ければ、 9月に金融緩和縮小を発表するか、11月まで待つかの分かれ目になるかもしれない」と、ある投資マネージャーはCNBCに語っていました。
 
ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)が先週発表した最新レポートによると、今年の世界のプラチナ市場は、鉱山からの供給が増加し、投資需要が減少するため、余剰となる見込みとのことです。
 
プラチナ市場の需給バランスのチャート 出典元 WPIC
 
WPICによると、年間約800万オンスの市場は、2021年には19万オンスの供給過多になるとのこと。
 
前回5月の四半期報告書では、15万8,000オンスの供給不足を予測し、3年連続の供給不足としていた。
 
スイスの精製・金融グループであるMKS Pampの トレーディングノートでは、「プラチナが1000ドル以下で落ち着いているように見えるなど、PGMに顕著な弱さが見られる」としていました。
 
これは、「市場が予想していたよりも明らかに深刻な半導体不足により、自動車需要が無いか、非常に限られたものになっている」と、最近の値動きを左右する重要な動きの1つとして説明していました。
 
先週発表された最新のデータによると、中国の8月の自動車販売台数は前年同月比17.8%減となり、4ヵ月連続で減少しました。これは、世界最大の自動車市場が世界的な半導体不足の影響を受けているためとなります。
 
「中国汽車工業協会(China Association of Automobile Manufacturers: CAAM)は、2021年の成長率が従来予想の6.5%を下回ると予想している」と、先週CAAMの幹部であるChen Shihua氏は述べていました。
 
プラチナは主にディーゼル車の自動車排ガス浄化触媒に使用され、パラジウムは主にガソリン車に使用されています。しかし、アナリストの間では、パラジウムの持続的な不足とパラジウム価格の高騰により、 パラジウムからプラチナへの代替が起こり、この用途が変化しつつあると言われています。
 
パラジウム価格は先週、一部のトレーダーが重要なサポートレベルと呼ぶトロイオンスあたり2200ドルを割った後、月曜日には2020年8月以来の低水準まで下落していました。
 
「プラチナは依然として(価格の) リカバリーの可能性が高い貴金属であると我々は考えている。」と派生商品のプラットフォームであるSaxo BankのコモディティストラテジストであるOle Hansen氏は述べています。
 
「その理由は、(排ガス浄化装置でパラジウムからプラチナに)切り替わる可能性だけでなく、先週820ドルで8ヶ月ぶりの高さを記録した金に対する相対的なディスカウントからだ。」と続けています。
 
歴史的にプラチナは、その希少性が金の約30倍であることから、金よりも価格が高いプレミアムとなっていましたが、2015年にフォルクスワーゲンのディーゼルスキャンダルが発生したことで、ディスカウントに反転していました。
 
それ以降、プラチナは金に対してディスカウントで取引されており、10年平均は290ドル、5年平均は531ドルとなっています。
 
WPICのCEOであるPaul Wilson氏は、「2021年には小幅な供給過剰になると予測を修正しましたが、これはパンデミックによって引き起こされた前例のない変化と考慮されるべきです」と述べています。
 
「大型車への(プラチナ)積載量の増加と生産台数の増加、プラチナからパラジウムへの(排ガス浄化触媒)代替の増加、工業用需要の増加、急成長する水素経済への投資家の関心の高まりなどにより、需要が伸びる可能性が高い」と述べています。
 
ドルインデックス(主要通貨に対する米国通貨の価値を示す指標)は、ロンドン時間の月曜日の昼過ぎに0.2%上昇し、前週記録した3週間ぶりの週間の上昇を更に拡大していました。
 
ベンチマークである米国の10年債利回りは、明日の米インフレ率の発表を前に、前週金曜日に上昇した水準を維持して1.33%と堅調に推移していました。
 
市場予想では、米消費者物価は前月比0.4%増、年率5.3%増と、6月に記録した 30年ぶりの水準をわずかに下回るとされています。
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

注意事項: ここで発信される全ての記事は、読者の投資判断に役立てるための情報です。しかし、実際の投資にあたっては、読者自身にてリスクを判断ください。ここで取り扱われる情報及びデータは、すでに他の諸事情により、過去のものとなっている場合があり、この情報を利用する際には、必ず他でも確証する必要があることを理解ください。Gold Newsの利用については、利用規約をご覧ください。

SNSで最新情報を入手

Facebook   TwitterYoutube

 

金市場の需要/供給ニュース