「TikTok」は個人情報を悪用しているとするアメリカ政府の主張を否定していますが、ポンペイオ長官は「これは国家安全保障やアメリカ人のプライバシーに関わる問題だ。トランプ大統領は数日中に行動を起こすだろう」と述べ、大統領が数日中に何らかの措置を打ち出すという見通しを明らかにしました。
金価格ディリーレポート（2020年8月3日）金価格はロックダウンと米中緊張の高まりで史上最高値を付け、米実質利回りは新たな底値を記録し、コメックス金先物は2000ドルを破る
Monday, 8/03/2020 19:07
金価格は、月曜の早朝に史上最高値を更新しました。
これは、Covid-19の感染者数の増加と米中関係悪化により、迅速な経済回復への期待が薄れたことが背景で、この間ロンドンとニューヨークの金先物市場の価格の差が金先物市場の位置づけを「失い」つつあること、そして現物金の動きに大きな影響を与えていることが明らかとなっています。
金地金現物価格は、トロイオンスあたり1987.54ドルまで、月曜日のアジア時間に上昇して過去最高値を更新しました。その後、先月4.1%下落しているドルインデックス（主要通貨に対する米国通貨の価値を測る指標）が、2営業日連続で上昇したため、この上昇幅を失い下げる事となりました。
一方、米国債の実質利回りは週明けの取引で史上最安値を記録しています。
金の7月の上昇率は10.9％で、2012年以来の月間上昇率となりました。
ワールド・ゴールド・カウンシルのチーフ・マーケット・ストラテジストであるジョン・リードは今朝、「7月の金価格の堅調さにもかかわらず、コメックスの資金運用業者のネットロングポジションはわずかに下落し、この取引所がいかにその位置づけを”失いつつある”かを改めて示している」と述べています。
先週末発表された最新のデータによると、7月28日に終える週に、ヘッジファンドやコメックスの金先物・オプションの他のレバレッジ投機家は、グループとして金への強気のポジションを減らしたが、弱気のポジションも減少させていました。
規制当局である商品先物取引委員会（CFTC）がまとめた最新のデータによると、先週火曜日に金価格が史上最高値を更新した際に5.22%減少し、2020年2月のピーク時よりも38%減少しています。
なお、コメックスの金先物価格は、先週金曜日に2000ドルを超えた後、月曜日の朝に再びトロイオンスあたり2009.5ドルを付けて新たな史上最高値を記録しています。
先物取引の多くが現物デリバリーを受けるものとなる中で、ロンドンとニューヨークの金価格差はトロイオンスあたり15.8ドルと、3月の
100ドルからは縮小しています。
「コロナ以来の先物のプレミアムによりトレーダーの裁定取引で大量のデリバリーがなされて、ゴールド現物の動きに大きな影響を与えています。」と、ICBCスタンダードバンクの元東京支店長で、現在は新たに設立された
日本地金市場協会の代表理事を務める池水雄一氏がBruce reportで述べています。
「30日木曜日には一日としては最大の102トンものゴールドのdeliveryが宣言されました。」
一方、「ロンドンの金の取引量は異例のものとなっており、7月30日には8,936万トロイオンスの評価額約1,740億ドルの金が取引され、過去の最高値を50％以上上回る記録を更新している。」とロンドン地金市場協会（LBMA）は先週金曜日にツイートしています。
LBMA-iデータプロバイダーであるNasdaqがBullionVaultと共有している数字によると、ロンドンの金銀地金市場を通じた取引量は、今年3月に前年同時期から
85%以上も急増しています。
世界のコロナウイルスの感染者数は1800万人を超え、直近では4日ごとに100万人の感染者を増やし、この新たな急増はより多くのロックダウンを促しています。
英国政府はロンドンを封鎖する計画を検討していると報じられていますが、オーストラリア第二の人口を抱える州は日曜日に緊急災害宣言を行い、3週間前にメルボルンの500万人の住民に課された移動制限をビクトリア州のすべての州に拡大しました。
英国の投資家のための金価格は、英国の製造業PMIが2017年以来最速の速度で成長したことが明らかとなる中で、ロンドン時間昼にトロイオンスあたり1513ポンドと先週終値から0.2％高く推移しています。
欧州の製造業PMIも上昇する中で欧州株が上昇し、ユーロ建て金価格は、今週月曜日の取引開始時にトロイオンスあたり1687ユーロの史上最高値を再度更新した後に、1681ユーロ前後を推移していました。
金地金消費において世界第1位の中国の製造業PMIは、2011年1月以来最速で拡大したことが本日発表され、Covid-19の影響からの回復を続けていることが明らかとなっています。
この間、中国の金価格はロコ・ロンドン価格と比較して、歴史的な安値を引き続き示しており、過去最大の週平均ディスカウントを付けた4月半ば以来最大の週平均ディスカウントのトロイオンスあたり55ドルを先週付けた後に、本日月曜日には69ドルまで上昇していました。
週末も米中関係悪化関連ニュースは伝えられており、中国企業が提供する動画共有アプリ「TikTok」について、アメリカのトランプ大統領が国内で禁止するための措置をとる意向を示す中、ポンペイオ国務長官は大統領が数日中に何らかの措置を打ち出す見通しを明らかにしています。
トランプ大統領 TikTok禁止へ数日中に措置の見通し 米国務長官
中国企業が提供する動画共有アプリ「TikTok」について、アメリカのトランプ大統領が国内で禁止するための措置をとる意向を示す中、ポンペイオ国務長官は大統領が数日中に何らかの措置を打ち出す見通しを明らかにしました。
アメリカのポンペイオ国務長官は2日、FOXニュースに出演し、中国企業が提供する世界的に人気の動画共有アプリ、「TikTok」などについて「中国のソフトウエア企業は顔認証のデータや電話番号、住所といった個人情報を中国共産党に提供している」と主張しました。
なお、「TikTok」をめぐっては、アメリカでの事業について大手IT企業マイクロソフトが買収に向けた交渉をしていると報じられていますが地元メディアはトランプ大統領が賛同しない考えを示していることから交渉が中断していると伝えています。
米国では、米国上院は8月7日に休会に入る予定で、7月31日までに与野党が最新の景気刺激策の合意に至ることができなかったために、2,500万人以上の人々が週600ドル米失業者支援策が失効したことで、経済的な不確実性に瀕することとなっています。
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