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金価格が主要通貨建てで数年ぶりの高値を記録する中で新規顧客が急増

金が多くの主要通貨で数年ぶりの高さを付ける中で、金への興味が高まってきているようです。

 金価格がドル建てで先月の6年ぶりの高さから更に上昇し、英国ポンド建てでは今週付けた史上最高値に近づく中で、先月一般投資家が利益確定の売却よりも購入を進めていたことが、欧米で最大のオンライン現物地金市場を提供しているブリオンボールトの最新のデータで明らかとなりました。

ブリオンボールトを利用する顧客で月間の購入量が売却量を上回ったネット購入者数は、前月から21%増加する中で、売却が購入を上回っていたネット売却者数は先月の3年ぶりの高さから30%減少していました。

そのために、ブリオンボールトで実際に取引が行われた数値を基に算出される金投資家インデックスは、52.6と6月の10年ぶりの低さの49.1を大きく上回っていました。

この数値が50である場合は、その月に購入量が売却量を上回ったネットの購入顧客数と、売却量が購入量を上回ったネット売却顧客数が完璧に一致したことを意味します。この数値は2011年9月に金価格がトロイオンスあたり1920ドルと史上最高値を付けた際に71.7とピークとなっていました。

 

 

これまでに低い価格で金を購入していた人々が、2019年の価格の高騰時に利益を確定する機会を得たことは素晴らしいことでしょう。しかし低い価格で購入してポジションを築くタイミングを見極めるのは簡単なことではありません。それは、今年の夏に金は素晴らしいパフォーマンスを見せていますが、この勢いがいつまで続くかを予想するのは難しいからです。

また、中央銀行は今年記録的なペースで金準備を増加させています。金利が下がる中で、今後経済指標が経済の下振れリスクを示せば金融の量的緩和が再開される可能性も高まっている中で、一般投資家においても、地政学的リスクや主要国の債務増加による金融システム上のリスクからも、新たな金投資への興味も高まっているようです。

ブリオンボールトにおける新規顧客数は7月に前月比39%増加し、11月の11年ぶりの低さから回復しています。そして、この数値はドイツからの新規顧客数が史上最高であったことに牽引されていました。

ユーロ圏からの新規顧客数は、ユーロ建て金価格がトロイオンスあたり1281ユーロと11%上昇する中で、55%増と2016年2月以来の高い数値となっていました。

また、英国からの新規顧客数も27%増と、ポンド建て月間金価格がトロイオンスあたり1133ポンドと史上最高値を付け、7月30日には1178ポンドと8年ぶりの最高値を記録する中で増加していました。

なお、これまで最も新規顧客数が増えていたのは、2011年9月の米国国債の格付けが下げられた際で、英国では戦後最悪の暴動が発生し、欧州債務危機の渦中でした。

 

 

銀価格もまたドル建てで7月に8%上昇し、月間平均価格で13か月ぶりの高さのトロイオンスあたり16.53ドルを付けていました。

ブリオンボールトで先月購入量が売却量を上回ったネットで購入をした顧客数は、前月比19%増であったものの、ネット売却者数は42%増となっていました。

そのために、銀投資家インデックスは先月の52.0から51.4へと7月に減少していました。

重量にすると、ブリオンボールトのユーザーは8.7トン保有量を増やし、ブリオンボールトで保管されている銀総量は1.1%増の767.6トンとなっていました。

それに対して顧客が保管している金の総量は、0.4%減で149キロ減少し、38トンを2017年10月以来初めて下回り37.9トンとなっていました。

しかし、6月のネット売却量の775キロよりも大幅に減少していましたが、2019年にドル建てで金価格が年初から11%上昇していることからも、ブリオンボールトの顧客は今年1月からの7か月間で1.1トンの金を売却しています。これは、2005年にサービスを開始して以来最も早い減少ペースでもあります。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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