中国の金価格の影響力が増す
中国の金投資家と宝飾品購入者が「Price Taker (価格を狙って買う人々)」でなくなりつつある。
世界のトップ宝飾品小売業者が、その販売がアジアの新興国の経済成長がスローダウンしたことをものともしなかったと述べていることからも、著名アナリストによると、金の国際価格における中国の影響力が増しているとのこと。
今月中国上海で開催された、8回目を迎えた年次会議ゴールドサミット2013で、トムソン・ロイターGFMSの元代表者で、Precious Metals Insights社のPhilip Klapwijk氏は、中国の「金価格形成への影響力は日々増している。」と述べている。
「更に、新興国市場、特に中国においては、自国の市場(上海黄金交易所や上海先物取引所)や間接的にロコ・ロンドン市場で取引を行うことで、金の『派生商品や上場投資信託などの現物市場以外の市場(Paper markets)』への影響力が増している。」
多くのコメンテーターは、世界最大の金の消費国である中国の需要が、今年の25%の価格の下落にもかかわらず急増したことに対し困惑している。
地金現物市場は宝飾品需要と共に東へ動きつつあるとし、その需要は、世界の金価格を形成をするというよりも、価格に反応し、Price Takers(価格を狙って買う人々)である傾向があるものの、その傾向は変化しつつあるとKlapwijk氏は述べている。
「疑いの余地がない。今年初頭の欧米資金運用者が金ETFの残高を減少させた際には、その雰囲気を実際に作ったと言えるだろう。」と、Blackrockの金鉱会社関連のファンドマネジャーであるEvy Hambro氏は、先のコメントに同意している。
しかし、金価格の観点からは、欧米の投資家が保有していた金の流出(による価格下落)は、アジアにおける現物買いの急増(による価格上昇)と戦っているとHambro氏は述べている。
中国の宝飾の販売量に関しては、「中国の経済成長がスローダウンしたとしても、中国の人々は金を購入することを望んでいる。」と、香港で上場されている、世界で最大の宝飾品チェーン店のChow Tai FookKentのマネージング・ディレクターのWong氏は、先週CNBCへ答えている。
中国内に1800店舗を構え、「私達は、新たなデザインで、購入しやすい価格の宝飾品へと、ストラテジーをすでに調整している。」と続けている。
中国における金価格は27%下落している。
Chow Tai Fookの収益は、米国の宝飾小売業者のティファニー&Coの2倍である。そして、「いつの日か、世界の宝飾店となることが私達の夢だ。」とWong氏は述べている。