ニュースレター(9月22日)1339.10ドル 日米の中央銀行の金融緩和政策継続で金上昇
私は明日から来週火曜日まで休暇をいただいていますので、今週のニュースレターは一日早くお届けします。
週間市場ウォッチ
今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1339.10ドルと、前週同価格から2.3%上昇しています。
週明け月曜日と火曜日は、日銀とFOMCの金融政策発表を21日水曜日に控え、薄商いの市場で狭いレンジでの動きとなりました。
そして、水曜日市場注目の日銀政策金利発表がまずロンドン時間早朝にあり、金利は現行のマイナス金利0.1%の水準で維持されたものの、10年物国債利回りを0%程度に誘導するとするなど、新たな政策も発表され、円が一時弱含みましたが、その後強含み、日本円建て金相場は大きく上げた後に下落することとなりました。それに対しドル建て金相場はFOMCの利上げは無しという観測が広がる中、一週間ぶりの高値の1329ドルを一時付け上昇していました。
その後ロンドン時間午後7時にFOMC後の政策金利発表と声明、そしてイエレンFRB議長の記者会見もあり、FOMCでは利上げなし、ただFOMCメンバー3人が利上げを主張し、イエレンFRB議長は年内1回の追加利上げを中心シナリオとして見込んでいることを明らかにしました。
これは、ほぼ市場予想と同様でしたが、公表された政策金利見通しが、2017年に2回の利上げと、前回6月時点の年内2回、来年は3回という想定からも利上げペースは一段と減速したことが明らかとなり、金相場はさらに上昇することとなりました。
本日木曜日は、前日の上げ基調を受け継ぎ、8月の雇用統計が予想を下回り急騰した9月初旬の水準へと上昇しています。
その他の市場のニュース
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先週末発表されたコメックスの金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週長期金利上昇を受けて大きく金相場が下げた火曜日に、前週から10.8%下げていました。なお、前週のポジションは7月5日以来の高水準でした。コメックス銀先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションも、先週火曜日に今年3月末以来の大幅な減少となっていました。 -
金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアは、その残高を先週金曜日に10.4トン増加させて週の減少分を取り戻し、週としては2.6トン増となっていました。今週は昨日の段階で1.7トン増となり、残高は944.39トンとなっています。
ブリオンボールトニュース
今週もFOMCと日銀政策金利発表の前に、金相場への注目も高まり、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュのコメントが主要メディアで取り上げられました。
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CNBCの経済サイトMoneyControl.com「FOMCの利上げは無し。そして金相場を支えるだろう」
CNBC TVのインタビューにブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが答え、今週水曜日のFOMCによる利上げはほぼないだろうとし、ここではその理由を説明しています。エィドリアンは、米国株価が上げ史上最高値を付け、ボラティリティも落ち着き、米雇用データ等の改善は見られるものの、インフレは目標の2%に届いていないことからも、利上げに踏み切るのは難しいだろうと答えています。
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米主要経済サイトのMarketWatchの記事「金が3ヶ月ぶりの下げから戻す」
この記事でも、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられました。
ここでエィドリアンは、過去に米国の利上げが行われた際に金価格は下げることよりも上げることが多かったとし、昨年末の利上げ後に金相場が金融危機以来の強さで上昇していることに言及し、過去には長期的にもそのような傾向があると解説しています。そして、結局はインフレが金価格を押し上げるとしています。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ロンドン便り
今週の英国からのニュースは、少し柔らかい話題で、英国の人気テレビ番組のBBCの「ザ・グレート・ブリティッシュ・ベイク・オフ」についてお届けしましょう。
この番組は、ケーキやパン作りが好きな一般の方達が腕前を競い、毎週異なる課題でケーキ作りに挑戦し、勝ち残りながら優勝を目指すというものです。過去6年間で7シーズンが制作され、前シーズンの優勝者が決まる最終回は、去年のテレビ番組の中で最大の視聴率を上げ、一昨年のワールドカップ決勝以来の高さの1300万人以上が画面に釘付けになったとのことです。
今週何故この番組を取り上げるかというと、先週この番組の放映権をBBCが契約金の高さで、民放のチャンネル4に競り負け失い、司会者の二人の女性が降板することが伝えられていたのですが、本日は長年人々に愛されてきた番組の顔の審査員の1人のメリー・ベリーもまた降板することを表明したことから、主要メディアでそのニュースがトップで伝えられていることからでした。
この番組のスピンオフの有名人による「セレブリティ・ベイクオフ」には、キャメロン元首相のサマンサ夫人も出演するなど、ケーキ作りが好きな人々を超えて、様々な層の支持を受けている番組でもあります。
ちなみにBBCは年間1500万ポンド(10億9700万円相当)を提示したにもかかわらず、チャンネル4の2500万ポンド(30億2800万円相当)に競り負けたとのこと。資本主義の社会では、より高い買い手に売られるのは仕方がないように思いますが、コマーシャルの入らないBBCで、商業主義が前面にでないことも番組の魅力の一つであったようにも思うことから、今回のニュースは番組のファンにとってはショックであるようです。
オリジナルのキャストによる番組は今シーズンで終わってしまいますが、それまでの間私もファンの一人として楽しみたいと思います。