金市場ニュース

ニュースレター(8月12日)1352.20ドル 原油高株高ドル高後の予想を下回る米経済指標で金相場上昇後に上げ幅を削る

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1352.20ドルと前週同価格から0.9%の上げとなっています。

週明け月曜日金相場は、夏枯れ相場とも言える狭いレンジでの取引となりました。

翌火曜日金相場は、ドルインデックスが弱含む中上昇することとなりました。

ドルインデックスが弱含んだのは、同日発表された米国第2四半期の非農業部門労働生産性が予想0.4%のところが-0.5%と先月の-0.6%に続き3四半期連続でマイナスとなったことが要因でした。このように、3四半期連続のマイナスは1979年以来です。

なお、世界株式は、ベネズエラのエウロヒオ・デル・ピノ石油・鉱業相が前日8日、石油輸出国機構(OPEC)の加盟国と非加盟国による会合が「数週間以内に」開催される可能性があるとの認識を示したことを好感して原油価格が上げる中、上昇することとなりました。

水曜日は、前日の米労働生産性の低い数値で利上げ観測が後退し、ドルが強含み金を含む貴金属、特にパラジウムは7.6%と14ヶ月ぶりの高さとなるなど、軒並み上げることとなりました。

木曜日は、原油高が株高をもたらし、ドル高も進んだことから、金相場を含む貴金属相場において前日の上昇分を失う下げを見せることとなりました。

原油高は、サウジアラビアのエネルギー相が、9月のOPECの非公式会合で価格凍結に関して他の生産国と話し合うことをコメントしたことからでした。そして、それによりダウ工業株30種平均とナスダック総合株価指数も過去最高値で終えることとなりました。

本日金曜日は、市場注目の米小売売上高の結果が予想0.4%と前回0.8%を下回り0.0%となり、同時に発表された生産者物価指数も予想と前回を下回り-0.2%となったことから、米FRBによる利上げ観測が後退し、ドルインデックスが7週間ぶりの水準へ下げ、米国債10年物の利回りも1.5%を切り、米株価が今週の上げ幅を失いつつあります。

そのような中、金相場はロンドン午後3時過ぎに1352ドルを超えて上昇していましたが、ロンドン時間午後5時半の段階で、その調整も入っているようで、ドルが強含む中、その上げ幅を失いつつあります。

 

その他の市場のニュース

  • 今週月曜日と火曜日で金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアの残高が2営業日連続減少しマイナス7.7トンと、前週金曜日の7.1トン増をほぼ相殺することとなったこと。

  • イングランド銀行が前日実施した長期英国債買い入れが目標額 に届かなかったことや、イングランド銀行関係者のさらなる緩和の示唆などから、水曜日に英国債利回りが一時過去最低の0.123%をつけたこと。

ブリオンボールトニュース

投資ポートフォリオを分散させるために金を購入した84歳の英国投資家のケースを紹介する英経済サイトMoneywiseの記事で、ブリオンボールトのリサーチ部門エィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。

ここでは、85万ポンド(約1億1200万円)の金現物を購入し、保有の土地の18箇所に埋めて、その地図を自分が亡くなった際に子どもと孫に渡すように 弁護士に依頼したという、ロンという男性の話を紹介し、なぜ金が安全資金と考えられているのか、その投資方法等を紹介しています。

ここで、エィドリアンは、金が長年にわたって世界の多くの異なる文化の中で、資産保全に使われてきていることに言及した上で、希少性、破壊できず、錆びた り変色することもない金属であること等をあげ、購入者は中国やインドの消費者から中央銀行、そしてコンピューターのマイクロチップを作る製造会社などと多 様であることも要因と説明しています。

そして、金投資方法としてブリオンボールトが紹介されています。

また、英主要日刊紙ガーディアンの「個人投資家にとって金投資が魅力的であっても、必ずしも確実なものではない」という記事で、ブリオンボールトのデータとリサーチ主任エィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。

ここで、今年に入り金投資のリターンが25%を越え、不動産、株式、債券のパフォーマンスを上回っていることに触れ、エィドリアンの「取引手数料を含む 様々な費用は金投資の収益分を減らします。また、数千ポンド以上を自宅で保管するのであれば、その保険料やセキュリティー費用も考慮しなければなりません。」というコメントを紹介し、ブリオンボールトの專門保管場所で金を貯蔵するサービスとその格安さを紹介しています。

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週は英国でもリオ・オリンピックが、ニュースのトップを飾り、日々の英国選手の活躍ぶりを伝えています。

そのような中、二人の日本選手について英国主要メディアが伝えていたので、ご紹介しましょう。

一人目は、体操の内村航平選手で、英国主要日刊紙のガーディアンでは、彼が個人総合で2連覇を達成したことを、マックス・ウィットロック英国選手が銅メダルを獲得したことと共に伝えていました。この記事では、内村選手の2連覇を「スーパーマンが生き残った」と例え、内村選手が、最も優れた体操選手という伝説を保持したと紹介しています。

そして、ウィットロック選手の「YouTubeで彼のルーティーンを何度も繰り返して見てきた私のヒーローの内村選手と同じ表彰台に立てたことを誇りに思います。」というコメントも伝えていました。

そして、二人目の日本選手は、卓球の福原愛選手でした。このBBCの記事では、「日本人選手が中国の人々の心を掴んだ」という見出しで始まり、中国のソーシャルメディアが、2国間の外交上の問題などから必ずしも日本に友好的ではないことを述べた上で、福原選手が中国メディアの人気者となっていることを紹介しています。

ここでは、福原選手が「日本人形」、もしくは親しみを込めて「愛ちゃん」と中国のソーシャルメディアで呼ばれていること、そして、準決勝で中国選手に敗退後に「愛ちゃん泣かないで」が、中国版ツィッターの微博(ウェイボー)でトレンディング(多くツィートされている言葉)となったことを伝えています。

このソーシャルメディアでは、福原選手は77万人のフォロワーを持っているとし、中国でトレーニングをしていたことからも中国語が流暢であることを紹介し、福原選手のソーシャルメディアへの中国語の投稿も翻訳付きで記事では掲載していました。

リオオリンピック開催前は、ロシアのドーピング問題、ブラジルの持つ社会的問題や、ジカウィルスなどとマイナス面ばかりが英国メディアでも取り上げられていましたが、いざオリンピックが始まると、それぞれのスポーツで世界のトップレベルの選手達が繰り広げる様々なドラマに、人々はすっかり魅了され、そして国という枠組みを超えて競いながらもお互いを称え合うスポーツマンシップに、なぜオリンピックが存在するのかを再認識しているように思います。

開幕から一週間を終えたオリンピックですが、本日からは陸上競技も始まるようですので、さらなるドラマが見られることを楽しみに応援を続けたいと思います。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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