ニュースレター(6月19日)1185.50ドル FOMCでの低金利先行き予想とギリシャ懸念拡大が金を押し上げる
先週は私が休暇で留守にしておりましたので、本日先週のニュースレターをお届けします
週間市場ウォッチ
先週金曜日のLBMA金価格のPM価格は、トロイオンスあたり1185.50ドルと前週同価格から0.2%上げていました。
週明け月曜日の金相場は、火曜と水曜日に控えるFOMCでの金利引き上げの懸念から下げたものの、ギリシャ債務問題の打開に向けた協議が前日物別れに終わったことを 受けてギリシャ側も債権団側も態度を硬化したことや、同日ドイツ出身のエッティンガー欧州委員から「非常事態」に備える必要があると発言したことが伝え られるなど、混迷は深まっていることからも、ユーロ圏の国債や株が世界的に売られ、金は買い戻されたました。
翌火曜日金相場は、前日に続きFOMCを待つ中、ギリシャ情勢が引き続き混迷を極め、株式市場が下げるなどリスクオフが続き、本来安全資産と考えられる金もリスクオフの対象となり、緩やかに下げることとなりました。
また、同日発表の米建設許可件数が2007年8月以来8年ぶりの高水準となったことも下げの要因となった模様です。
水曜日は、市場注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、金利が据え置かれたことが発表され、FOMCメンバーの政策金利予想もまた低水準で低速度の利上げを示唆している事などから、金相場が上昇することとなりました。
木曜日は、前日の上げを受け継ぎぐ中、同日発表の米消費者物価指数が前年比0.0%とFRBが望む2%とは程遠かったことから、更に上げ幅を増加させることとなりました。
また、同日行われたユーログループ会合でもギリシャ支援協議が物別れし、債務不履行の懸念が強まったことも、金相場をサポートしたと言えるでしょう。
しかし、同日発表の新規失業保険申請件数とフィラデルフィア連銀製造業景気指数景気上向きを示唆するものでもあり、相場は頭を抑えられたようです。
金曜日は、トロイオンスあたり1200ドルを保持することとなりました。
これは、前日合意に至らなかったユーログループ会合を受けて、ギリシャにおける預金引き出しが進み、ECBがギリシャへの資金供給強化を決めたものの、ギリシャの緊張状況が継続していたことからです。
ギリシャ情勢は、本日のEUサミットとユーログループ会合に持ち越されることになりました。
その他の市場のニュース
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ECBが2012年に打ち出した国債購入計画を、欧州司法裁が指示したこと。 -
金曜日に中国の株式相場が年初の高値から13%下げ、前日比6%下げたとなったこと。 -
中国初の銀行として、中国銀行のLBMA金価格オークションの参加が伝えられたこと。ちなみに、これまでのスイスのUBS、米ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェース、カナダのノバスコシア銀行、英バークレイズとHSBC、フランスのソシエ テ・ジェネラルの7行に加え、本日から中国銀行が参加することが伝えられていましたが、この価格の運営・管理会社のICE Benchmark Administrationがスタンダードチャータード銀行とモーガンスタンレーも本日から加わり10行となったことを発表しています。
ブリオンボールトニュース
先週金曜日に、英主要紙テレグラフが、「金を常に保有すべきであることを示している表」という記事で、ブリオンボールトリサーチ部門の、全ポートフォリオの10%を金で保有することで収益率を安定できるというリサーチ・分析を取り上げていました。
先週火曜日には、FOMCの政策金利発表を前に金相場が動けない状態でいることを解説する米経済サイトのMarket Watchで、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュのコメント「多くの人々が9月の利上げを予測している中、今回利上げがあれば、市場に とっては驚きとなるだろう」が取り上げられていました。
ロンドン便り
ご存知のように昨日は夏至で、一年で日照時間が最も長い日でした。英国では、この日の日の出を見るためにイギリス南部にある環状列石(ストーンサークル)のストーンヘンジに人々が集まります。
このストーンヘンジは、紀元前2500年頃に神殿として建てられた可能性があると考えられており、英国の宗教的は場所として4000年以上前から重要と考えられていたようです。そして、ペイガニズム(自然崇拝)の祭りは、20世紀頃から始まったとのことです。
それではなぜ、夏至の日にストーンヘンジに人々が集まるかというと、夏至の朝には太陽はストーンヘンジの中のヒールストーンの付近から昇り、太陽の最初の光線は馬蹄形の配置の中にある遺跡の中央に直接当たることからとのこと。この神秘的な朝日の芸術を見るために人々は集まるとのことです。
ちなみに、このようなことを起こす石の配置は単なる偶然では起こりえないとされており、古代天文学の水準の高さを物語るもの、更には「UFOの着陸場所」や「宇宙人との交信施設」といったオカルト寄りの説もあるほどです。
今年は、2万3千人の人々が日の出を見るために集まり、例年より少ない9人の違法薬物絡みで逮捕者がでたものの、穏やかな祭りとなったとのこと。
今年の素晴らしい日の出の写真や祭りの風景はこのBBCサイトでご覧いただけます。