金市場ニュース

ニュースレター(4月28日)1266.45ドル:フランス大統領選の結果でリスクオンとなり下落後、トランプ政権の減税政策への落胆で多少戻す

今週も日本に滞在していますので、ロンドン便りはお休みをさせていただきます。なお、来週のニュースレターは、ロンドンへの移動日となりますので多少遅れて発信する可能性があることをご了承ください。

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1266.45ドルと前週金曜日の同価格から1.2%下げています。しかし、月間ベースでは1.7%の上昇となります。

週明け月曜日は、金相場は、フランス大統領選の第一回投票で独立系中道候補のエマニュエル・マクロン元経済産業デジタル相と極右・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が決選投票に進んだことで市場に安堵感が広がったことなどから、安全資産として買われていた金、日本円、米国債が売られ、金は市場が開くとともにトロイオンスあたり1284ドルから1266ドルまで1.4%程下げることとなりました。

しかし、翌日の北朝鮮の朝鮮人民軍創建85周年での新たな挑発的行動への警戒感は残り、また米国の債務上限問題も下院が4月28日以降の支払いを承認しなければ、29日以降連邦政府機関が一部閉鎖 (シャットダウン) される可能性があることも懸念材料となり金の底値は硬いものがありました。

なお、同日ユーロは一時2%上昇し、フランスの株価CAC 40は 4.5%上昇し、2008年1月以来の高値を記録していました。

翌火曜日金相場は、週末のフランス大統領選の結果を受けて世界株価が上昇する中、米国主要企業の良好な業績も発表され、安全資産の金、日本円、米長期国債が売られ、更に下落することとなりました。

同日ナスダック総合指数は史上初の6000ポイントを超えていました。

なお、市場の注目が地政学リスクから米利上げに移る中、CMEのFedWatchによると5月2日と3日に行われるFOMCでの利上げ予想は未だ4.3%と低いものの、6月の利上げは67%へと同日上昇していました。

水曜日金相場は、トランプ政権の減税政策の発表を待つ中、ドルが強含み緩やかに今週3日連続の下げとなっていました。

しかし、トランプ大統領の減税案が発表されると、その内容が予想を上回るものでなかったことからも、市場に落胆が広がり金は買い戻されることとなりました。

その内容とは、①法人税を35%から15%に引き下げること、②国境調整税は無く、③個人所得の税率区分を7から3に減らす④その最高税率を現行の39.6%から35%に引き下げる⑤遺産税を廃止するというようなもの。①は予想通りで、②は予想に満たないものとなり、税収減は今後の経済成長で補うということから、議会で承認を得るのは難しいという市場観測となった模様です。

また、同日はトランプ政権がNAFTA(北米自由貿易協定)離脱を検討していることも伝えられ、これも金上昇の要因ともなった模様です。

木曜日の金相場はドルが強含む中下げていましたが、直近の底値トロイオンスあたり1260ドルを目前に買い戻しが入り、下げ幅を戻しましたが、狭いレンジの取引となりました。

同日は日銀と欧州中銀が政策金利を維持したことが発表され、ドラギ欧州中銀総裁の「出口戦略を議論しなかった」というコメントも有り、ユーロが下げることとなりました。

ちなみに銀は同日その下げ幅を広げ、先週の5ヶ月ぶりの高い水準から既に7%近く下げていました。

本日金曜日は、市場注目の米国第1四半期GDPが前年比0.7%と、予想1.2%と前回2.1%を下回り、3年来の低い水準となり、米株式市場がまちまちの反応を見せる中、昨日以上に狭いレンジでの取引となっています。

なお、本日 はトランプ米大統領のロイター通信の昨日のインタビューで、北朝鮮情勢に関して「外交的に解決したいと思っているが、非常に難しい」「大規模な衝突が起こる可能性がある」との認識を示したことが伝えられていました。

また、債務上限問題については、米議会で議論されている暫定予算案が通らなければ、4月29日から一部米連邦政府機関の閉鎖がありうると伝えられています。

その他の市場のニュース

  • 香港を介した中国の金の輸入が先月112トンへと急増したことが最新のデータで明らかとなり、これは2016年5月以来の高水準で、2月と比較してもほぼ倍増であったこと。これは、人民元建て金価格が2ヶ月連続で上昇した後に先月は横ばい状況であったことが要因の模様。
  • 金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアは、今週一週間で0.9トン残高を減少させていたこと。
  • 先週末発表の先週火曜日のコメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは5週連続で増加し、昨年11月8日のトランプ政権発足以来の高水準となっていたこと。
  • そして、コメックス銀先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、前週の史上最高の15,732トンから、先週火曜日は2%減の15,014トンと下げていたこと。

ブリオンボールトニュース

ここでは、3月はオランダやフランスの選挙を控て、ユーロ圏の顧客を中心に金の需要が高まり、金保有量が8ヶ月連続で増加し、5年ぶりの長さとなっていました。

ここでエィドリアンは、「11月のトランプ大統領就任以来、金はドルの動きに影響を受けているとし、トランプ大統領の減税などの政策は強いドルを作り出す。しかし、メキシコ国境に壁を作ることのように、債務上限の壁にもぶつかっている。そして、ホワイトハウスへの落胆は金にとっては追い風となる。」とコメントしています。

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週もお休みをさせていただきます。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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