ニュースレター(4月20 日)1281.85ドル:地政学リスクが意識されるものの、フランス大統領選を前に小動き
今週も私は日本に滞在していますので、ロンドン便りはお休みをさせていただきます。
週間市場ウォッチ
今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1281.85ドルと前週木曜日の同価格から0.2%下げています。
週明け月曜日は、欧州とカナダと豪州とニュージーランドがイースター・マンデーで祝日である中、アジア時間始まりとともに一時トロイオンスあたり1290 ドルを超えて上昇することとなりました 。これは、週末日曜日に北朝鮮が、失敗はしたものの弾道ミサイル発射を行ったことによるリスクオフの動きでした。
また、同日発表された米消費者物価指数が予想を下回りマイナス数値となったことも、金相場を押し上げることとなりました。しかし、その後は利益確定の売りで、終値ベースでは前週金曜日より下げることとなりました。
火曜日金相場は、地政学リスクから世界株価がほぼ全般下げる中、ロンドン時間昼過ぎにメイ英国首相が6月8日の総選挙を発表し、一時トロイオンスあたり1280ドルを割ったものの、その後戻し1290ドルを超えて上昇することとなりました。
英国ポンド建てでは、一時ポンドが弱含み上昇したものの、その後ポンドが2ヶ月半ぶりの高い水準へと上げたために、トロイオンスあたり25ポンドを超えて大きく下げ、1000ポンドをかろうじて守るあたりを推移することとなりました。
水曜日金相場は、リスクオフ傾向も一服する中、欧米株価が上昇し、安全資産の金は、ドルが上げ長期金利が多少上昇したことからも、緩やかに下げることとなりました。
なお、同日ロンドン時間昼過ぎに金価格が1285ドルから1274ドルまで急落したのは、一瞬にして25000lots(約78トン)がGlobexで売られたことからとのことです。
また、前日市場のサプライズとなったメイ英国首相の6月8日に総選挙を行うという発表に続き、同日は英国議会も解散総選挙の動議を圧倒的多数で可決したことが伝えられ、ポンドは強含み、ポンド建て金価格はさらに下落することとなりました。
なお、前日IMFが発表した世界経済見通しでは、世界成長率予想を3.5%に上方修正するなど、米、中国、日本等の主要諸国の成長率が上方修正されていたことも、市場のセンチメントを改善してリスクオン傾向へと動いた要因であった模様です。
木曜日金相場は、地政学リスク関連の大きなニュースがない中、トロイオンスあたり5ドルほどと狭いレンジでの取引となりました。
なお、同日英国時間19時過ぎにパリのシャンゼリゼ通りで警官が銃撃される事件も伝えられましたが、市場への影響は限定的となりました。
本日金曜日は、週末にフランス大統領選の第一回目の投票を控え、前日同様に狭いレンジでの取引となっています。なお、このフランス大統領選の結果はフランス時間月曜日午前零時頃(日本時間午前7時頃)に判明し、その上位2候補が5月7日の決選投票に進むこととなります。
その他の市場のニュース
- 韓国で、プリペイドカードのようなものを代用し、硬貨を無くす試みが、一部のコンビニエンスストアなどで木曜日から始まったことをBBCが伝えていたこと。
- SPDRゴールドシェアは、今週木曜日までで月曜日から5.3トン増加し、水曜日は11.8トンと一日あたりの増加分としては昨年9月以来の多さとなっていたこと。
ブリオンボールトニュース
ブリオンボールトのグループ会社のウィスキー・インベスト・ダィレクトが今週ブルームバーグで取り上げられました。
日本語記事「嗜むより投資対象のウイスキー、ブームに沸く日本からの資金にも期待」
英語記事「Forget the Bottle, Invest in Whisky by the Barrel(ボトルを忘れて樽のウィスキーへ投資)」
この記事では、スコッチウィスキーの収益率が2009年以来、金や銀の倍となっていることや日本への輸出も増加していること、そして世界初のウィスキー投資について、弊社顧客やCEOへのインタビューやコモディティ投資専門家の意見も含めて、広く深く掘り下げて書いていただいています。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ロンドン便り
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