金市場ニュース

ニュースレター(4月2日)1198.50ドル 復活祭休暇中に発表される米雇用統計を前に、民間雇用者数の下げで金相場急騰

週間市場ウォッチ

今週末はイースターの祝日で欧州は明日金曜日から4連休の祝日となりますので、本日一日早くニュースレターをお届けします。

今週木曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1198.50ドルと0.2%上げています。

週明け月曜日は、金相場はトロイオンス1183ドルまでトロイオンスあたり15ドルほど下落することとなりました。

これは、先週金曜日ニューヨーク時間終了後に伝えられた、イエレンFRB議長の講演会での「慎重な利上げペースを示唆」、「今年後半に利上げが妥当」とするなどといったコメントが、FOMC時よりもタカ派的と受け止められたことから、ドル高が進んだことからです。

また、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が週末に開かれた「ボアオ(博鰲)アジアフォーラム」で、同国の経済成長が若干減速し過ぎていると述べた上で、政策当局者に対応の余地があると述べたこともあり、株高となり、金相場を押し下げることとなりました。

翌火曜日は、中国と欧州株が前日の反発で下げる中、ロンドン時間に上昇しましたが、ギリシャ問題に進展が見られないことからユーロ安からドル高が再び進み、月末であること、週末の米雇用統計を前に米国主要経済指標の消費者信頼感指数が予想を上回る数値となったことからも、多少押し戻されることとなりました。

水曜日は、今週欧米市場がイースター休暇中の金曜日に発表される米雇用統計の先行指標である、ADP全国雇用者数が発表され、18.9万人と前回21.4万人、予想22.5万人を下回り、また米ISM製造業景況指数も予想と前回を下回ったことから、トロイオンスあたり1200ドルを越え、金相場が急騰することとなりました。

木曜日は、米新規失業保険申請件数が予想を下回り良好であったことから、昨日の上げを多少失っています。

 

その他市場のニュース


  • 水曜日にLBMA金価格のメンバーにロシアの銀行として初めて、VTB銀行が参加することとなったことが伝えられたこと。

  • ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が、ロンドンに新たな金市場を設立することを考慮しているとファイナンシャル・タイムズが伝えたこと。

ブリオンボールトニュース

今週は、欧米の主要メディアの金相場分析の記事でブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。

ここでは、「市場が金曜日に復活祭の休暇で閉まることから、昨日発表の本来米雇用統計の先行指標であるADP全国雇用者数に、金曜発表の雇用統計に代わり、市場が反応したのであろう」というコメントが取り上げられています。

ここでは、「明日の米雇用統計の数値に大きなサプライズがあった時のみ、日曜日の夜のアジアの取引で大きな動きがでるだろう。」が取り上げられています。

今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。

ロンドン便り

今週の英国からのニュースは、本日行われる主要7政党によるテレビ討論についてお届けしましょう。

1月23日のニュースレターでも触れましたが、英国で5月に行われる総選挙を前に、テレビ討論のフォーマットについて、政府とテレビ局が駆け引きを繰り広げていました。結果的には、政府側が主張していた7党首によるテレビ討論というフォーマットで、テレビ局側が望んでいた日程で行われることとなり、それに加えてキャメロン首相とミリバン労働党首が、BBCの著名プレゼンターの質問と会場の聴衆からの質問にも答えるフォーマットでのテレビ討論が先月行われ、最後にキャメロン首相とクレッグ副首相を除く、5野党党首によるテレビ討論が予定されています。

結局は、キャメロン首相が避けたかった、ミリバン労働党党首とのテレビ討論は行われないこととなりましたが、野党第一党党首とのテレビ討論を避けたことを、かなり批判はされています。

しかし、どの政治評論家も、このようなテレビ討論では現首相はが得るものは少ないことは認めており、キャメロン首相に選択肢はあまり残されてはいなかったようです。

今晩のテレビ討論では、このような討論に長けているカリスマ性のある英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首と、スコットランド独立を問う住民投票時に、その弁舌で頭角を表したスコットランド国民党(SNP)のニコラ・スタージョン党首が鍵を握ると見られているようです。

英国でのテレビ討論の歴史はまだ新しいですが、米国のように高い注目を集めつつあり、これからの選挙戦の流れにも影響を与えると考えられますので、今晩のテレビ討論をしっかり楽しみたいと思います。


重要なお知らせ

毎年恒例の金投資に関する様々な情報が提供される「ゴールドフェスティバ ル2015」が、5月30日に開催されます。この申込は13日(金)から開始されています。毎年申し込み締め切り前に定員一杯となりますので、お見逃しの ないようにお申込みください。

な お、今年は私も「トークセッション:世界の金、その現実を現地の方に直接聞きます。5ヵ国比較: 日 本の金、世界のゴールド」に英国市場を代表し、パネリストとして登壇します。そのため、このニュースレター購読者の皆様も参加いただけましたら、会場で是 非お声をお掛けください。当日お会いできるのを楽しみにしています。

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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