ニュースレター(3月6日)1175.75ドル 良好な雇用統計でドル高が進み、年初からの上げ幅を失う
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1175.75ドルと、前週同価格から3.2%の下げとなっています。
週明け月曜日は、28日の中国の利下げを好感し、アジア時間上昇していましたが、再びトロイオンスあたり1225ドルを試し越えられなかったこともあり下落し、欧州 株価が上げて始まり、米ナスダックが200年3月27日以来の5000台へ乗せるなどの株高も影響して更に押し戻されることとなりました。
翌火曜日、金相場は多少上下に動いたものの昨今のレンジ内の動きとなりました。
上海黄金交易所(SGE)でのプレミアムが5ドルと上昇していたことからも、中国の需要の高さはしっかりしているものの、今週は重要イベントが週後半に待っていることからも、動きづらい状況ではあったようです。
水曜日は、昨日にも増して狭いレンジでの取引となりました。
同日注目指標であった、ADP全国民間雇用者数は、予想の22万人対し、21.2万人であったことから、ドルが弱振み多少金相場を押し上げたものの、その後は緩やかに戻す事となりました。
翌日のECB量的緩和を控えて、ドルインデックスが11年来の高さに上昇していることからも、ドル建て資産の金は頭を抑えられることとなりました。
木曜日は、市場注目のECB政策金利発表が行われました。その後記者会見で、ドラギ欧州中央銀行総裁が、月600億ユーロ相当の債券購入を来週開始することを明らかにし、マイナス金利の一部債券も対象となると述べたことから、ドルが強含み、欧州株が続伸し、金相場は押し下げられることとなりました。
なお同日発表の米新規失業保険申請件数は、33万人と予想29.5万人、前回31.3万人を上回り昨年5月以来の高い水準となり、悪化したことが明らかとなり、同国製造業受注指数も予想を下回りマイナスとなったことから、一時的に金相場は上げはしたものの、その後はドル高からも下げ基調が強まることとなりました。
本日金曜日は、重要イベントの米国雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は、29.5万人と予想の24万人と前回の23.9万人を上回り、失業率は、5.5%と前回5.7%と予想の5.6%を下回り、金相場は昨今の底値のサポートライン1195ドルを割り、年初からの上げ幅を失う大幅な下げとなりました。
米国の過去1年間の雇用者数は、2000年3月のドットコムバブル以来の高さとなります。これにより、FRBによる金利引き上げのペースや高さが予想より高まる観測が広がり、ドルが上昇し、金相場を押し下げることとなりました。
その他市場のニュース
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インドの予算が発表され、予想されていた金輸入の関税削減が行われなかったこと。 -
先週金相場がトロイオンスあたり1200ドルを割り、コメックスの金先物・オプションの投機的ネットロングポジションは、先週2015年で最も低い水準まで下げていたこと。 -
中国が28日に、インド4日にそれぞれ利下げを行ったこと。
ブリオンボールトニュース
今週発表されたブリオンボールト金投資家インデックスの2月数値が、多くのメディアで取り上げられました。
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金の情報を日本語で網羅した「ゴールドニュース」サイト -
米主要経済サイト「MarketWatch」 -
欧米名投資サイト「MorningStar(モーニングスター)」 -
米著名投資会社の「フェデリティ・インベストメント」のオンラインサイト
この詳細は、「金と銀の売却が激減し金投資傾向が高まる」でご覧ください。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ブリオンボールト・リサーチ主任のエィドリアン・アッシュ「金と銀の売却が激減し金投資傾向が高まる」
今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週のロンドン便りでは、昨日の「世界本の日(World Book Day)」に関わる話題をお届けしましょう。
英国では、「世界本の日」には、小学校の生徒たちは、本の登場人物に仮装をして学校へ登校することが奨励され、学校に著名作者を招いてのトークを行うなど、全校をあげて様々な読書に関するイベントが行われます。
今回 ニュースとなっているのは、マンチェスターの小学校で、今年話題の映画の「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の登場人物のサディスティックな性的嗜好を持つ 大富豪のクリスチャン・グレイ氏の仮装をして登校した11歳の生徒が、全校生徒の仮装大会の集合写真から外されたことが伝えられたことで、様々な議論を引き起こしてい ます。
学校側は、この仮装が適当ではないという理由で、生徒の参加を拒んだとのことですが、教師でもある生徒の母親は、本の登場人物として連続殺人犯の仮装をし ていた先生は問題視され なかったことなどを理由に、学校側の措置に異論を唱えたことも含め、多くの主要メディアがこの一件を取り上げています。
本来は、読書の素晴らしさを伝え、書籍とその作者に敬意を示す記念日が、この学校では、関係者の過剰反応によって、色あせてしまったとしたら残念なことです。
毎年、この日を楽しみにしている子どもたちは多いものの、コスチュームを準備する親にとっては大変な日でもあります。ご参考までに、素晴らしいコスチュームの数々を英国主要日刊紙ガーディアンの記事でご覧ください。