ニュースレター(2026年7月3日)金は4週ぶり、銀は7週ぶりの週間上昇 利上げ観測後退で
週間市場ウォッチ
今週金曜日の弊社チャート上のLBMA価格が決まる時間の価格と前週のLBMA価格を比較した一週間の変動率は以下の通りです。
*金は午後3時の弊社チャート価格、銀は午後12時、プラチナとパラジウムは午後2時の価格。
**日本円価格はLBMA価格として発表されないために、弊社チャート上の金曜日午後3時の価格。
- 金:ドル建て価格は4週ぶりの週間の上昇で、金曜日価格で6月12日以来の高値と、前週の2025年11月14日以来の低値から上昇。
- 銀:7週ぶりの週間の上昇で、金曜日価格で6月19日以来の高値で、前週の2025年11月28日以来低値から上昇。
- プラチナ:7週ぶりの週間の上昇で、金曜日価格で6月19日以来の高値で、前週の2025年11月21日以来の低値から上昇。
- パラジウム:4週ぶりの週間の上昇で、金曜日価格で6月12日以来の高値で、前週の昨年8月29日以来の低値から上昇。
貴金属市場の動向(週間)
貴金属相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退する中で、ドルと米長期金利が低下し、スポット価格ベースで約2週間ぶりの高値へ上昇しています。
今週は米雇用関連指標が相次いで発表され、米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数は市場予想を上回る堅調な内容となった一方、ADP全米雇用報告と非農業部門雇用者数(NFP)はともに市場予想を下回りました。これを受けて、ウォーッシュFRB議長が前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示したタカ派姿勢を背景に急速に高まっていた市場の利上げ観測は修正されることとなりました。
その結果、下記のチャートでも見られるように、市場が織り込む9月FOMCでの利上げ確率は、前回FOMC後には7割まで上昇していましたが、木曜日の米雇用統計を受けて5割強まで低下しています。
今週の貴金属相場の動き(日次)
■ 月曜日
金・銀相場は、前週末の上げ幅を削り、金は一時4,004ドル、銀は57.45ドルまで下落した後、やや値を戻して取引を終えました。
週末に米国とイランがともに「覚書違反」を理由に攻撃を行ったことを受けて、ドル高と米長期金利の上昇で取引が始まりましたが、その後、トランプ大統領が30日にイランとカタール・ドーハで協議を行う意向を示したことで、中東情勢への過度な警戒感は後退しました。また、米連邦最高裁判所がトランプ大統領によるリサ・クックFRB理事の即時解任を認めなかったことも、市場センチメントを支える材料となりました。
■ 火曜日
金・銀相場は、ドル高と米長期金利の上昇にもかかわらず反発し、一時、トロイオンスあたり金4,062ドル、銀60.42ドルをつけました。
背景には、中国・上海黄金交易所(SGE)の金価格がロンドン価格を40ドル上回るなど、中国の旺盛な現物需要を背景に安値拾いの買いが入ったことがありました。一方、同日発表された米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数は市場予想を上回り、市場ではFRBが年内に少なくとも1回利上げを行うとの見方が引き続き優勢となっていました。
なお、同日は上半期の最終日となり、LBMA価格ベースでは、金が▲6.5%、銀が▲18.3%と、ともに数年ぶりの上半期下落となりました。また、金は1月末の高値から先週つけた7カ月ぶりの安値まで37.7%下落し、2008年以来の大幅な調整となっています。
■ 水曜日
金・銀相場は大きく反発し、それぞれトロイオンスあたり4,104ドル、61.00ドルと、ともに前週水曜日以来の高値をつけました。
同日開催されたECBフォーラムで、ウォーッシュFRB議長は金融政策について具体的な示唆を避けたものの、この数週間でインフレリスクが緩和したとの見方を示しました。これを受けて米2年国債利回りが低下し、貴金属相場を押し上げました。
また、ADP全米雇用報告では雇用者数の増加が市場予想を下回り、翌日の米雇用統計への警戒感からFRBの利上げ観測がやや後退し、投資家心理の改善につながりました。
■ 木曜日
金・銀相場は、米雇用統計が市場予想を下回ったことを受けて上昇し、一時、金は4,143ドル、銀は62.06ドルと、それぞれ6月下旬以来の高値をつけました。
非農業部門雇用者数(NFP)は5.7万人増と市場予想の11.5万人を大きく下回り、市場ではFRBによる早期利上げ観測が後退しました。その結果、ドルインデックスと米長期金利が低下し、金・銀相場を押し上げました。
■ 金曜日
本日の金・銀相場は、前日の上昇基調を引き継ぎ、トロイオンスあたり4,195ドル、62.88ドルへと、ともに6月23日以来の高値まで上昇していました。
米独立記念日の祝日で薄商いとなる中、アジア時間にドルインデックスと米長期金利が低下したことを受けて上昇しました。背景には、前日の弱い米雇用統計を受けてFRBの利上げ観測が後退したことがあります。市場では、ウォーッシュFRB議長就任後初のFOMCを受けて急速に高まった利上げ観測は行き過ぎだったとの見方が多く、その修正が続いている模様です。

その他の市場のニュ―ス
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コメックス(COMEX)のデータによれば、FRBの利上げ観測が広がる中、米物価連動国債(TIPS)利回りが4月末以来の高水準となり、金・銀価格が6月10日以来の安値を付けていた際の6月23日までの週に、投機筋は金とプラチナのネットロングを増やす一方、銀とパラジウムでは縮小していました。
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金のネットロングは前週比0.08%増の351.50トンと、1月27日の週以来の高水準となりました。2025年の平均は465.8トン、2024年は555.8トン。
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銀の先物・オプションのネットロングは3.4%減の1,813トンと、5月12日の週以来の高水準から減少しました。2025年の平均は5,132.4トン、2024年は4,231.0トン。
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プラチナのネットロングは5.5%増の13.2トンと、5週ぶりに増加し、2週ぶりの高水準となりました。2025年の平均は16.2トン、2024年は9.4トン。
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パラジウムは、2月3日の週以来のネットロングから3月17日の週にネットショートへ転じた後、ネットショートは10.4%増の14.7トンと、昨年9月23日の週以来の高水準となりました。2025年の平均は19.3トンのネットショート、2024年は32.6トンのネットショート。
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金ETF最大銘柄のSPDR Gold Sharesの残高は、今週3.72トン(0.37%)減の1,001.36トンと、昨年9月25日以来の低水準となり、2週連続の週間減少となりました。2025年累計では198.04トン(20.81%)増と4年ぶりの年間増加ペースとなっています。2024年は6.59トン(0.75%)減、2023年は38.53トン(4.4%)減、2022年は57.2トン(5.9%)減、2021年は195トン(6.8%)減。
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金ETF第2位のiShares Gold Trustの残高は、9営業日連続で減少し、今週2.5トン(0.54%)減の463.05トンと、昨年9月10日以来の低水準となり、4週連続の週間減少となりました。2025年累計では101.09トン(23.35%)増と4年ぶりの年間増加ペースとなっています。2024年は5.91トン(1.29%)減、2023年は50トン(11.6%)減、2022年は42トン(8.9%)減、2021年は36トン(7.0%)減。
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銀ETF最大銘柄のiShares Silver Trustの残高は、今週52.12トン(0.35%)減の14,939.01トンと、6月26日以来の高水準ではあるものの、週間では減少しました。2025年累計では2,120.59トン(14.45%)増と2年連続の年間増加ペースとなっています。2024年は720.44トン(5.3%)増、2023年は936.56トン(6.4%)減、2022年は1,937トン(12.2%)減、2021年は867トン(4.2%)減。
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金銀比価(LBMA価格ベース)は、今週70台前半と昨年12月初旬以来の高水準で始まり、本日は66台後半まで低下して推移しています。2025年の平均は87.85、2024年は84.75、2023年は83.27、過去5年平均は82.44です。比価が高いほど銀が相対的に割安であり、低下するほどその割安感が薄れていることを示します。
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上海黄金交易所(SGE)とロンドン金価格の価格差は、2月27日の週からプレミアムへ転じており、今週の平均プレミアムは12.10ドルと、前週の0.61ドルから大きく拡大し、5月末の週以来の高水準となりました。2025年の平均プレミアムは2.85ドル、2024年は15.15ドル、2023年は29ドル、2022年は11ドル、過去5年平均は6.9ドルです。背景には、中国の旺盛な需要に加え、中国人民銀行による金輸入許可の制限もあるとみられています。
来週の主要イベント及び主要経済指標
今週は、米国とイランの和平協議や、水曜日のウォーッシュFRB議長のスピーチに市場の注目が集まる中、米雇用関連指標が相次いで発表され、それらを受けて貴金属相場は大きく動くこととなりました。
来週は、水曜日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されることから、金融政策の先行きを占う重要イベントとして注目されます。また、米国とイランの和平協議の進展も、引き続き市場の重要な材料となりそうです。
その他、主要経済指標の発表スケジュールの詳細は、主要経済指標(2026年7月6日~10日)をご覧ください。
ブリオンボールトニュース
今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。
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主要経済指標(2026年6月29日~7月3日 今週のの結果をまとめています。
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主要経済指標(2026年7月6日~10日)来週の予定をまとめています。
なお、弊社のYouTubeチャンネルでは、日々の弊社の金価格ディリーレポート(英文)を音声でも配信中です。ぜひご視聴、ご登録ください。
ロンドン便り
今週から日本に滞在していますので、ロンドン便りは、3週間ほどお休みさせていただきます。




