【金投資家インデックス】金価格は下げ止まるも、金利先行き不透明感で金投資はさらに後退
金投資家心理は引き続き後退
金価格の下落は下げ止まったものの、金利の先行き不透明感が引き続き重しとなる中、金投資家心理は数年来の高水準からさらに後退していることが、本日発表された世界有数の地金取引プラットフォームであるブリオンボールトの最新データで明らかとなりました。
2009年以降の金の購入者数と売却者数のバランスを示す「金投資家インデックス」は、金価格が2013年春の急落以来最大の下落から横ばいで推移する中、7月は8か月ぶりの低水準へと低下しました。
ブリオンボールトのリサーチディレクター、エイドリアン・アッシュは次のように述べています。
「金は不透明感に強い資産とされますが、金利を巡る不透明感は苦手です。現在の米連邦準備制度理事会(FRB)の混乱した状況を市場は決して好感していません。」
「2010年代半ばの金価格急落と弱気相場が参考になるのであれば、金価格が底を打つのは、金融引き締めへの警戒が実際の政策として実行された時でしょう。ただし、現在は地政学的な緊張が当時よりはるかに深刻であり、各国中央銀行による金購入が価格下落局面を捉えて市場を明確に下支えしています。」
現在、175か国・13万人超の利用者から総額78億ドル超の貴金属を保管するブリオンボールトでは、7月に金を購入した個人投資家数は前月比25.8%減少し、昨年8月以来の低水準となりました。
一方、金を売却した投資家数も22.7%減少し、こちらも11か月ぶりの低水準となりました。その結果、「金投資家インデックス」は前月から1.9ポイント低下して54.9となり、昨年11月以来の最低水準となりました。これは長期平均である54.8をわずかに上回る水準です。
なお、「金投資家インデックス」は、月間の購入者数と売却者数が同数となった場合に50.0となります。今年3月には、パンデミック後で最高となる60.7を記録しました。
アッシュは次のようにも述べています。
「現在の金利を巡る不透明感に加え、金価格は例年、年半ばに軟調となる傾向があります。この数か月の急落と高いボラティリティを考えると、長期投資家にとっても、貴金属トレーダーにとっても、この夏の落ち着いた相場は歓迎すべきものとなるでしょう。」
米ドル建て金価格は7月を通して1トロイオンスあたり4,026ドルと前月からほぼ横ばいで推移しました。これは2月に付けた過去最高値を22.9%下回り、月末価格としては昨年10月以来の低水準です。それでも、金価格が3か月以上連続して下落していない状況は2022年10月以降続いており、2000年半ばに始まった歴史的な12年間の強気相場以来、最も長い期間となっています。
一方、貴金属への新規投資意欲も7月に再び大きく後退しました。ブリオンボールトの新規口座開設数は世界全体で前月比30.4%減少し、2025年1月以来の低水準となりました。それでも、ロンドン西部に本社を置くブリオンボールトの20年余りの歴史の中では、7月として5番目に多い件数となっています。
保有重量ベースでは、ブリオンボールト利用者全体で7月は購入量を75キログラム上回る金を売却しました。この結果、利用者全体の金保有量は前月比0.2%減少し、43.5トンと3か月ぶりの低水準となりました。
銀については、7月の購入量と売却量がほぼ均衡したため、ブリオンボールト利用者全体の保有量は6月末時点の3か月ぶり高水準である1,133トンから変わりませんでした。
一方で、購入者数と売却者数のバランスは悪化し、「銀投資家インデックス」は53.7へと低下しました。これは前月から3.7ポイントの低下で、工業用途の比重が高い銀価格が2011年9月以来最大となる22.4%の急落を記録した6月の上昇分をほぼ打ち消す結果となりました。
銀価格は7月にもさらに1.8%下落し、1トロイオンスあたり58ドルを下回って終了しました。米ドル建ての月末価格としては昨年11月以来の低水準となっています。




