金市場ニュース

ニュースレター(2021年4月1日)長期金利とドルが一服する中で金価格は反発

英国は明日から4日間のイースター(復活祭)の休暇となりますので、一日早く弊社ニュースレターをお届けします。

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の金価格はトロイオンスあたり1725ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から0.4%安で2週連続の下落となっています。また銀価格は、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり24.33ドルと前週のLBMA価格(午後12時)から2.9%安と、やはり2週連続の下げとなっています。そして、プラチナは本日午後2時の弊社チャート上では1200ドルと前週LBMA価格から3.2%高と2週ぶりの上昇となっています。

今週の金・銀・プラチナ相場の動きの概要

今週金相場は長期金利とドルの上昇で、3週ぶりの低さのトロイオンスあたり1678ドルへ下げることとなりました。この背景は野村ホールディングスも損失を出したアルケゴス問題の懸念がきっかけで、その後はバイデン大統領のインフラ投資を中心とした2兆ドル規模の新たな追加経済策による国債増発で需給バランスが崩れることによる金利の上昇がドルを押し上げたことからでした。

そこで、金よりも通常値動きの大きい銀は、水曜日に前日終値比3%の下げのトロイオンスあたり23.79ドルと3ヶ月ぶりの低さへ大きく下げ、その後金銀比価は70台と1月末以来の銀割安傾向となっています。

それに対し、プラチナは今週金と銀とは多少異なる動きで、水曜日以降大きく上昇して前週終値を上回り、本日午後にはトロイオンスあたり1214ドルと3週間ぶりの高さを一時付けていました。これは、バイデン政権が推し進めようとしているグリーンエネルギー需要への期待もあるようです。今週のプラチナ価格の動きについては下記チャートをご覧ください。

ブリオンボールト・リアルタイム・プラチナ価格チャート

日々の金相場の動きと背景について

週明け月曜日は長期金利がロンドン時間午後に14ヶ月ぶりの高さへ上昇する中で、金は2週ぶりの低さへ大きく下げてトロイオンスあたり1712ドルで終えていました。

この背景は、先週金曜日の投資会社のアルケゴス・キャピタル・マネジメントが先週、保有株の下落で打撃を受けて資産を投げ売りしたことで、これが金融市場へ与える影響への懸念による株価下落が金の現金化観測も起こしたことがきっかけとなりましたが、バイデン大統領のインフラ投資を中心する経済対策による国債増発観測も背景となっていました。

火曜日金相場は、長期金利が前日に続き昨年1月以来の高さへ上昇し、ドルも4ヶ月ぶりの高さへと強含む中で、心理的節目のトロイオンスあたり1700ドルも割り、1678ドルへと一時下げるなど、センチメントが悪化していました。

これは、翌日発表されるバイデン大統領のインフラ投資を中心とする、4兆ドル規模とも見られていた新たな経済対策による国債増発による国債の需給悪化観測が広がっていたからでした。

水曜日金相場は、今週14ヶ月ぶりの高さへ上昇した長期金利が一服し、ドルが下げる中で、9ヶ月ぶりの低さから2日ぶりに上昇し、トロイオンスあたり1711ドルと前日の下げ幅の一部を取り戻していました。

これは、月曜日懸念が広がったアルケゴス問題から、今朝発表されたバイデン政権のインフラ投資計画による景気回復期待へと市場の注目が移り、同日発表されたADP全国雇用者数も予想を上回る5ヶ月ぶりのものであったことからも株価全般が上昇することで、安全資産需要が減少してドルが弱含んでいたことが背景となっていました。

また、同日は月末、四半期末ということで、今週大きく下げていた貴金属にもポジションの調整も入っていたようです。

本日金曜日金相場は、トロイオンスあたり1729ドルへと上げ幅を広げています。

これは、昨日発表されたバイデン大統領の2兆ドル規模のインフラ投資計画による楽観的観測で米株価指数が軒並み上昇し、S&P500種は史上最高値を付け、安全資産需要のドルが前日に続き売られ、長期金利も多少ながら今週の14ヶ月ぶりの高さから下げていることが背景になっているようです。

なお、本日発表の米新規失業保険申請件数は予想を上回っていましたが、明日発表の米雇用統計は5ヶ月ぶりの良好なものが予想されていることも先の基調をサポートしているようです。

ブリオンボールト・リアルタイム金価格チャート

その他の市場のニュ―ス

  • コメックスの貴金属先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週火曜日23日に、Covid-19感染拡大でロックダウンが強化される欧州懸念でユーロが弱含み相対的にドルが強含んで貴金属価格が下げる中で、銀を除く全ての貴金属で増加していたこと。
  • コメックス金の先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、2%増で174トンと2週連続の増加となっていたこと。建玉は昨年9月末から100万枚を下回っていること。
  • コメックス銀の先物・オプションのネットロングポジションは、前週比11.6%減の3,651トンと5週連続で減少し、引き続き5月19日以来の低さとなっていたこと。ショートポジションは昨年1月末以来の高さ。
  • コメックスのプラチナ先物・オプションのネットロングポジションは、前週比0.64%増の13.5トンと2週連続の増加となっていたこと。
  • コメックスのパラジウム先物・オプションのネットロングポジションは、前週比39%増で9.7トンと2週連続の増加となっていたこと。
  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、今週水曜日までに週間で0.9トン(0.08%)増で1037.5トンと11週連続の下げの後に週間の増加の傾向。
  • 金ETFの第2の規模のiShare Gold Trustの残高は、今週水曜日までで週間で2.93トン(0.58%)減で504トンで、2週連続の減少の傾向。
  • 銀のETFとして最大銘柄のiShares Silver Trustの残高は、今週水曜日までで週間で134トン(0.74%)減で17,888トンと8週連続の減少傾向であること。
  • 金銀比価は、今週70を超え1月末以来の銀割安傾向であること。
  • 上海黄金交易所(SGE)の価格は、ロンドン価格に対しプレミアム(ロンドン価格と上海価格の差 - プレミアムは中国での需要の高さ、ディスカウントは需要の低さを示す)で、今週の平均は5.38と先週の8.81から人民元が対ドルで昨年11月以来の低さへ弱含み下げていたこと。
  • コメックスの金、銀、プラチナの週間平均取引量は、今週月曜日に価格が下げた際に金とプラチナは増加し、銀は週半ばに価格がさらなる下げを見せた際に増加し、週平均では金とプラチナは前週比下げており、銀は前週比若干増加していたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

来週は月曜日がイースター(復活祭)の休暇で欧米市場はほぼ休場となりますが、引き続き長期金利とドルの動きに市場は注目することとなります。

主要経済指標では水曜日のFOMC議事要旨が重要なものですが、その他月曜日の米国サービス部門PMIとISM非製造業景況指数、火曜日の中国Caixinサービス部門PMI、水曜日のドイツ、ユーロ圏、英国のサービス部門PMI、木曜日の新規失業保険申請件数、金曜日の中国の消費者及び生産者物価指数等となります。

それでは、詳細は主要経済指標(2021年4月5日~9日)をご覧ください。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

なお、弊社のYouTubeチャンネルでは、日々の弊社の金価格ディリーレポート(英文)を音声でもお届けしています。よろしければ、こちらも購読ください。

ロンドン便り

今週英国は、イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズのそれぞれの自治政府が昨年末からのロックダウンの段階的解除に入ったことから、そのニュースが日々伝えられています。

そのような中、5月6日に行われるスコットランドの議会選挙の選挙活動が先週始まったことで、テレビ党首会談等が始まり、英国の全国放送でも広く伝えられていますので、スコットランドの自治政府の議会選挙がなぜ重要なのかを併せて簡単に紹介しましょう。

スコットランドの第一党は現在スコットランド民族党(SNP)でこの党首のニコラス・スタージェン氏が自治政府首相となっています。そして、スコットランド民族党は英国からの独立を公約としており、2014年には同党が希望した独立を問う住民投票が行われ、独立反対が55%、賛成が45%を上回っていました。

しかし、その後スコットランド有権者の6割強が反対した英国のEU離脱が2016年の国民投票で決まったことから、SNPは再度スコットランドの独立を問う住民投票の実施を訴えています。

そこで、今回の議会選挙でSNPが過半数を取った場合、独立を望むスコットランドの人々の声として、SNPは英国政府に再度独立を問う住民投票を求めるとしています。

スタージェン党首は、スコットランドにおける新型コロナウィルスの対応で評価を高めていましたが、前党首で全自治政府首相のアレックス・サモンド氏の裁判で無実評決を受けたセクハラ疑惑をめぐる自治政府の対応が問題となり、その支持率を下げているとのことです。

また、サモンド氏がスコットランドの独立を公約とした新たな政党を先週立ち上げたことからも、SNPへの票の一部が流れる可能性も出てきたようです。

独立を問う住民投票は英国政府が認めない限りはできませんが、1707年から続いてきたイングランドとスコットランドのユニオンの解消を望むスコットランドの人々が、最新の世論調査でも未だ半数近いということは、スコットランド独立について、ある一定の時期に議論されなければならないものということなのでしょう。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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