【金投資家インデックス】金投資、過去最高値更新にもかかわらず上昇傾向を継続

5月は、金の利益確定売却分が購入によって相殺された月となった。4月は大幅は購入超過だったのに対し、5月は売却と購入が均衡し、ブリオンボールトの全体の金保有量は43.7トンとほぼ横ばいで、評価額は約46億ドル(6626億円)に達していました。
新規の投資家数は、4月の50ヶ月ぶりの高水準からは37.4%減少したものの、前年同月比では62.8%増、過去5年間の月間平均比でも26.5%上回っていました。
そして、米国居住者に限った金地金の購入者と売却者の比率は2ヶ月連続で上昇し、米国のみの金投資家インデックスは、過去2年間で最高の52.7に達していました。
そのため、米国の例外主義は、ポートフォリオの保険の必要性にまで及んでいるように見える一方で、貴金属に対する投資家センチメントは、欧州に比べて低い水準からではあるものの、上昇傾向にあります。
銀の月間平均価格は、4月の米国の関税政策の混乱の中で、3月の12.5年ぶりの高値(トロイオンスあたり33.18ドル)から2.8%下落したが、5月には1.4%回復し、32.70ドルとなっていました。
4月には購入量が売却量を大幅に上回っていましたが、5月は購入と売却が拮抗し、ブリオンボールトの顧客の総保有銀地金量は、1,160トン超で、評価額では約12億ドル(1728億円)となっていました。
一方で、銀投資家インデックスは51.8と、4月の49ヶ月ぶりの高水準から6.5ポイント低下していました。
5月の銀投資家インデックスの急落は、4月に発生したバーゲンハンティング的な買いが、一時的な盛り上がりであったことを示しています。しかし、産業用途の割合が高い銀の価格が引き続き上昇していることから、金投資家インデックスと同様に、センチメントは上昇トレンドを維持しています。
5月の銀価格は12ヶ月平均でも、2013年以来初めてトロイオンスあたり31ドルを超えていました。
金の月間平均上昇率は、2020年4月から8月のコロナ禍での上昇率に匹敵しており、2011年9月における世界金融危機時のピーク以来である8ヶ月連続での上昇となっていました。これは、2006年以来で最も好調な年明けを示しています。