金市場ニュース

ニュースレター(2020年3月20日)主要中央銀行と主要諸国の景気刺激策も株価の下げを止められず金も流動性を求める現金化で大幅下落

週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の金価格はトロイオンスあたり1498.12ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から4% 下げて、2週連続の下げとなっています。また銀価格は、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり12.64ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)か20%下げて、やはり2週連続で大幅な下げとなっています。そして、プラチナも本日午後3時の弊社チャート上では625ドルと前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から20%と2週連続で大幅な下げとなっています。

今週も新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う経済への悪影響からも、株価指数が大幅に下げる中で、流動性を求めてほぼドル以外の安全資産と呼ばれている円、米国債、金も売却され、金相場は2週連続で下げることとなりました。なお、工業用途の比率が高い銀とプラチナは20%の下げと先週に続けて大きく下げています。

それでは、金相場の動きを日々追ってみましょう。

月曜日は週末緊急に行われたFRBの金融会合での利下げ及び量的緩和ややはり繰り上げられて行われた日銀の会合での量的緩和のニュースも株価の下げを抑えることができず、同日最低値は昨年11月以来の水準のトロイオンスあたり1452ドルまで大きく下げていました。

その後火曜日に主要諸国中央銀行や政府の景気刺激策などからも多少株式市場へ落ち着きが取り戻される中で、一時1549ドルまで上昇していました。

そして水曜日と木曜日は緩やかにその上げ幅を削って下げることとなりました。この背景は、世界株価が再び急落をしていたことからでした。

この段階では安全資産と見られている円と米国長期債が売却されるなど、流動性確保のキャッシュアウトという現金化が進んでいました。この間ドルは一人勝ちでドルインデックスは3年ぶりの高さへと上昇していました。ドル建てコモディティの金はドルと通常逆相関関係があります。

そして、本日は株式市場に落ち着きが多少戻る中で、金相場は午前中は上昇していましたがその後押し戻され、ロンドン時間夕方には米ニューヨーク州が昨日のカルフォルニア州に続き、22日からの外出制限をかけたことも伝えられ、またEUが今回のコロナショックによる景気の停滞は2009年レベルとなる可能性があると述べたこと等が伝えられて株価が下げる中で、中央銀行の量的緩和の余剰資金が金市場に流入するという観測もあり再び上昇しています。

なお、今週の米株価の下げは世界金融危機渦中の2008年以来の最大のものとのことです。

それでは、今週行われた主要中央銀行の緊急金融政策会合での金融政策発表を下記で簡単にまとめてみましょう。

米国連邦準備理事会

政策金利を1%下げて0~0.25%とし、7000億ドル規模の量的緩和政策を導入。

日本銀行

金利は据え置いたものの、上場投資信託の購入目標額を6兆円から12兆円へ倍増し、年9000億円としている不動産投資信託(Reit)の購入目標お1800億円に倍増。

欧州中央銀行

7500億ユーロ(8200億ドル)の緊急債券買い入れプログラムを開始。

イングランド銀行

政策金利を0・15%引き下げて過去最低の0・1%にすると発表。量的緩和政策も、2000億ポンド(約25兆6000億円)拡大して総額6450億ポンド。

 

その他の市場のニュ―ス


  • 今週16日の米株式市場で主要株価指数が1987年以来最大の下げを演じた中、ボラティリティー(変動性)の指標で恐怖指数とも呼ばれるVIXが世界金融危機時の高さへと上昇したこと。

  • コメックスの貴金属先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週10日に前日の原油の大幅な下げやコロナショックで株価が急落しCash outで貴金属価格も下げる中で、全ての貴金属で減少していたこと。

  • コメックス金の先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは前週比3.79%減の804トンと2週連続で減少したこと。建玉は2週連続で9月24日以来の高さで、100万を超える水準を12月17日以来継続していること。

  • コメックス銀の先物・オプションのネットロングポジションは、前週比7.4%減のn4,457トンへと3週連続で下げて7月16日以来の低さへ減少していたこと。

  • コメックスのプラチナ先物・オプションのネットロングポジションは、前週比15.69%減21.3トンと6週連続で減少して10月15日以来の低さへと下げていたこと。

  • コメックスのパラジウム先物・オプションのネットロングポジションは、前週比11.32%減の11.2トンと10週連続で下げて2018年8月28日の低さとなっていたこと。

  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、木曜日までで週間で9.4トン減少し、8週連続で週間で上昇後2週連続で下げとなる方向であること。

  • 金ETFの第2の規模のiShare Gold Trustの残高は、今週木曜日までに週間で7.16トン(1.85%)減で382トンへと減少していたこと。週間での下げの場合は2月初旬以来。

  • 銀のETFとして最大銘柄のiShares Silver Trustの残高は、今週木曜日までで週間で3.56%増加していたこと。週間での上昇は2月末以来。

  • 金銀比価は今週日々100を超え、水曜日には史上最高値(銀割安)の123であったこと。

  • 今週上海黄金交易所(SGE)のプレミアムは、今週平均が-8.1と少なくとも昨年8月以来最も低い数値となっていること。

  • コメックスの取引量は今週木曜日までの週平均量で前週比9%減少していたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

今週も新型コロナウイルス感染拡大とそれによる経済への悪影響の懸念からも、市場は大きく揺れることとなりました。そこで、来週も新型コロナウイルス感染拡大関連ニュース、また経済活動を停滞させる主要政府の様々な制限関連ニュースも市場に影響を与えることとなります。

その他経済指標としては、月曜日のユーロ圏消費者信頼感、火曜日のドイツと英国の製造業及びサービス業PMI、そして米国新築住宅販売件数、水曜日の英国の消費者物価指数と米国の耐久財受注、木曜日の英国の小売売上高、米国の第4四半期GDPとGDP個人消費とコアPCEと新規失業保険申請件数、金曜日の米国の個人所得と個人消費支出とそのPCEとミシガン大学消費者態度指数等となります。

ブリオンボールトニュース

本日のファイナンシャルタイムズの「金相場の急落も一般投資家の金購入を止めず」の記事で弊社のデータとリサーチダイレクターのエイドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。

この記事ではブリオンボールトの需要は世界金融危機最中の2009年3月以来の高さであることを紹介した上で、エィドリアンの「安全資産を探しても今日は見つかりません。しかし、歴史的に株式市場が長期間に渡って下げた際に上昇したものを探しているのであれば、金がその答えでしょう。」というコメントを伝えています。

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

なお、弊社のYouTubeチャンネルでは、日々の金価格ディリーレポート(英文)を音声でもお届けしています。

 ロンドン便り

今週も英国はコロナウイルスの感染拡大とそれに対応する政府の対策が日々伝えられています。その英国での感染数は検査を実施していないために本日で3983件ですが、死亡者数は177名へと増加しています。

本日はコロナウイルスの感染拡大で外出禁止(ロックダウン)となるのも近いと言われているロンドンでの暮らす者としてその現時点での生活ぶりをご紹介しましょう。

まず、コロナウイルスの疑いがある際は、症状が悪化しない限りは病院に行くことなく、必要であればのみヘルプラインへ電話をすること。そして、症状がある人は7日間自宅待機で、同居している家族は症状がなくても自宅で14日間待機する事となっています。

これは、英国は全ての国民に無料で医療を提供する国民健康保険がありますが、そのためにこのシステムで希望する人々全てに対応することは不可能であることから、この医療システムへの負担をできるだけ減らすための措置となります。

ほぼ全ての会社は来週月曜日から自宅勤務となります。私の会社は今週月曜日から基本公共交通網を使わなければならない人々は自宅勤務となっています。

本日の夜までは、できるだけ外出を自粛ではあるものの、パブやレストランは営業をしていましたが、本日夜からテイクアウェイのお店以外は閉めることとなっています。

スーパーマーケット等の食料品関連のお店は営業を続けることになっていますが、買い占めが横行していて、開店後かなり早い時間で在庫はなくなり、特にトイレットペーパーはなぜか瞬く間に無くなります。

そのために、明日から多くのスーパーは9時から10時や開店直後の一時間をお年寄りやハンディキャップのある方々の優先買い物時間とするとのことです。また、同じ商品を3個以上購入することも禁止するとのことです。

ちなみに、すでに今週外出を控えるという通達が出た段階で、劇場や博物館は閉まりましたが、明日からはジムも閉まることになるとのことです。ただ、ありがたいことに私の趣味の外を走ることは未だ許されていますので、今週末もしっかり走れるうちに走っておこうと思います。

日本での感染拡大はすでにピークアウトをしたようですが、皆様もどうかくれぐれもご自愛ください。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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